建築学生が学ぶ構造力学

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平成30年度 一級建築士 構造 No.11を解説、鉄筋コンクリート構造に関する誤りを見抜くポイント

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平成30年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.11は、鉄筋コンクリート構造に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

柱の曲げひび割れの位置、帯筋によるコンクリート拘束、内法高さと塑性変形能力柱梁接合部せん断耐力が問われます。決め手は、柱の内法高さを小さくしたときに塑性変形能力がどうなるかです。

引っかけの核心は、同じ断面の柱で「内法高さが小さいほどせん断耐力が大きくなることから、塑性変形能力は向上する」としているところです。内法高さが小さい短柱は、せん断破壊しやすく塑性変形能力は低下します。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 地震時に水平力を受けるラーメン架構の柱の曲げひび割れは、一般に柱頭・柱脚に発生しやすいです。正しい記述です。
2 ○(正しい) 柱の軸方向圧縮耐力は、帯筋によるコンクリートの拘束が大きいほど大きくなり、最大耐力以降の耐力低下も緩やかになります。正しい記述です。
3 ×(最も不適当) 内法高さが小さい短柱は、せん断破壊しやすく塑性変形能力は低下します。塑性変形能力が向上する、とする点が誤りです。
4 ○(正しい) 柱梁接合部のせん断耐力は、柱に取り付く梁の幅を大きくすると大きくなります。正しい記述です。

選択肢3は、内法高さが小さい柱で塑性変形能力が向上するとした点が誤りで、短柱はせん断破壊しやすく塑性変形能力は低下します。

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選択肢3のポイント

同じ断面の柱でも、内法高さ(上下の梁にはさまれた柱の自由な長さ)が短くなると、少しの水平変形で大きなせん断力が生じます。柱に生じるせん断力は、曲げ耐力を内法高さで割った値におおよそ比例するためです。

その結果、短い柱(短柱)は、曲げで粘る前にせん断破壊してしまいやすくなります。せん断破壊は急に耐力を失う脆い壊れ方なので、短柱の塑性変形能力は低下します。腰壁や垂れ壁で柱の一部が拘束されて実質的に短柱化すると、地震で先に壊れるのはこのためです。

選択肢3は、内法高さが小さいほど塑性変形能力が向上するとしていますが、実際は低下するので誤りです。「短柱はせん断破壊しやすく、粘れない」と押さえます。

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覚え方

  • 内法高さが小さい短柱は、せん断破壊しやすく塑性変形能力が低下する
  • 短柱に生じるせん断力は、曲げ耐力÷内法高さでおおよそ決まる
  • 柱の曲げひび割れは柱頭・柱脚に生じやすい
  • 帯筋の拘束が大きいほど、圧縮耐力が大きく耐力低下も緩やか

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理解度チェック

Q.

同じ断面の柱では、内法高さが小さいほど塑性変形能力が向上する。〇か×か。

×。内法高さが小さい短柱はせん断破壊しやすく、塑性変形能力は低下します。

Q.

柱梁接合部のせん断耐力を大きくするには、取り付く梁の幅をどうするか。

梁の幅を大きくすると、接合部のせん断耐力は大きくなります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成30年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 鉄筋コンクリート構造(短柱はせん断破壊しやすく塑性変形能力が低下、柱の曲げひび割れ、帯筋の拘束、柱梁接合部と梁幅):鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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