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平成30年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.15は、鉄骨構造の溶接接合に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
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パス間温度の管理、のど断面の許容せん断応力度、ノンスカラップ工法、そしてショートビードの危険性が問われます。決め手は、ショートビード(長さの短い溶接)が塑性変形能力や割れに対してどうかです。
引っかけの核心は、ショートビードを「冷却時間が短いことから、塑性変形能力の低下や低温割れの危険性が小さくなる」としているところです。急冷されることで、これらの危険性はむしろ大きくなります。
※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。
正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 溶接部の強度を低下させないため、パス間温度が規定値より高くなりすぎないよう管理するのは妥当です。正しい記述です。 |
| 2 | ○(正しい) | のど断面に対する長期許容せん断応力度は、完全溶込み溶接でも隅肉溶接でも同じ値です。正しい記述です。 |
| 3 | ○(正しい) | 梁端部で梁ウェブにスカラップを設けないノンスカラップ工法は、塑性変形能力の向上が期待できます。正しい記述です。 |
| 4 | ×(最も不適当) | ショートビードは急冷されるため、塑性変形能力の低下や低温割れの危険性が大きくなります。小さくなる、とする点が誤りです。 |
選択肢4は、ショートビードで割れ・脆化の危険性が小さくなるとした点が誤りで、急冷されるため危険性は大きくなります。
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ショートビードは、ビード(溶接した金属の盛り上がり)の長さが短い溶接です。溶接した金属は、まわりの母材に熱を奪われて冷えていきますが、ビードが短いと熱容量が小さく、まわりの冷たい母材に囲まれて急に冷えることになります。
溶接部が急冷されると、組織が硬くもろくなり、水素が抜けきらずに低温割れが起こりやすくなります。また靱性が下がって塑性変形能力も低下します。だから組立溶接などでは、ビードが短くなりすぎないよう最小長さが定められています。
選択肢4は、ショートビードで危険性が小さくなるとしていますが、急冷により割れや脆化の危険は大きくなるので誤りです。「短いビードは急冷され、割れ・脆化に不利」と押さえます。
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ショートビードは冷却時間が短いことから、低温割れや脆化の危険性が小さくなる。〇か×か。
×。急冷されるため、低温割れや塑性変形能力低下の危険性は大きくなります。
のど断面に対する長期許容せん断応力度は、完全溶込み溶接と隅肉溶接で異なるか。
同じです。溶接継目の形式によらず同じ値を用います。
出典
※ この記事の確認日:2026年7月
