建築学生が学ぶ構造力学

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平成30年度 一級建築士 構造 No.16を解説、鉄骨構造(幅厚比)に関する誤りを見抜くポイント

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平成30年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.16は、鉄骨構造に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

H形鋼の幅厚比の上限(フランジとウェブ)、鋼種と幅厚比の上限、横補剛材の剛性、横補剛の方法が問われます。決め手は、鋼種を強度の高いものに変えたときに幅厚比の上限がどう変わるかです。

引っかけの核心は、幅厚比の上限値を「SN400BよりSN490Bのほうが大きい」としているところです。基準強度が大きい鋼材ほど幅厚比の上限は小さくなります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 塑性変形能力の確保のための幅厚比の上限値は、H形鋼ではフランジよりウェブのほうが大きくなります。正しい記述です。
2 ×(最も不適当) 幅厚比の上限値は、基準強度の大きいSN490Bのほうが小さくなります。SN490Bのほうが大きい、とする点が誤りです。
3 ○(正しい) 梁の横座屈を防ぐ横補剛材は、強度だけでなく十分な剛性も必要です。正しい記述です。
4 ○(正しい) 横補剛には「全長にわたって均等間隔で補剛する方法」「主に梁端部付近を補剛する方法」などがあります。正しい記述です。

選択肢2は、幅厚比の上限値をSN490Bのほうが大きいとした点が誤りで、基準強度が大きいSN490Bのほうが上限は小さくなります。

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選択肢2のポイント

幅厚比は、板要素の幅を厚さで割った値で、大きいほど薄っぺらく、局部座屈しやすくなります。塑性変形能力を確保するには、局部座屈が先に起きないよう、幅厚比に上限を設けます。

この上限値は、鋼材の基準強度Fが大きいほど小さく設定されます。強度の高い鋼材は、大きな応力まで働くので、その応力に耐えて局部座屈しないためには、より厚い(幅厚比の小さい)板が必要になるからです。式のうえでも、幅厚比の上限は√(E/F)に比例するので、Fが大きいほど小さくなります。SN490BはSN400Bより基準強度が大きいので、幅厚比の上限はSN490Bのほうが小さいです。

選択肢2は、SN490Bのほうが上限が大きいとしていますが、関係はで誤りです。「強い鋼材ほど、幅厚比の上限は小さい」と押さえます。

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覚え方

  • 幅厚比の上限値は、基準強度が大きい鋼材ほど小さい(SN400B>SN490B)
  • 幅厚比の上限は√(E/F)に比例=Fが大きいほど小さい
  • H形鋼の幅厚比の上限は、ウェブ>フランジ
  • 横補剛材は、強度だけでなく十分な剛性も必要

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理解度チェック

Q.

幅厚比の上限値は、SN400BよりSN490Bのほうが大きい。〇か×か。

×。基準強度が大きいSN490Bのほうが上限は小さくなります(上限は√(E/F)に比例)。

Q.

H形鋼の幅厚比の上限値は、フランジとウェブのどちらが大きいか。

ウェブです。両縁で支えられるため座屈しにくく、片側自由のフランジより大きい値になります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成30年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 鉄骨構造(幅厚比の上限は基準強度が大きいほど小さい、フランジ<ウェブ、横補剛材の剛性):鋼構造設計規準・鋼構造塑性設計指針(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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