建築学生が学ぶ構造力学

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令和2年度 二級建築士 構造 No.7を解説、設計用地震力に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)No.7は、構造計算における設計用地震力に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

標準せん断力係数Co、振動特性係数Rtの地盤種別地震層せん断力係数Ci、地下の水平震度k、地震地域係数Zが問われます。判断の決め手は、地震層せん断力係数Ciが階によってどう変わるかです。

引っかけの核心は、Ciの高さ方向の変化です。地震層せん断力係数Ciは、上階になるほど大きくなります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 著しく軟弱な区域内の木造建築物の標準せん断力係数Coは、原則として0.3以上とします(令88条)。
2 ○(正しい) 岩盤や硬質砂れき層などで構成される地盤は、振動特性係数Rtの算出上、第一種地盤とします。
3 ×(不適当) 地震層せん断力係数Ciは、上階になるほど大きくなります。小さくなるとした点が誤りです(令88条)。
4 ○(正しい) 地下に作用する水平震度kは、地盤面から深さ20mまでは、深くなるほど小さくなります(令88条4項)。
5 ○(正しい) 地震地域係数Zは、地域ごとに1.0から0.7までの範囲で定められています(令88条1項)。

選択肢3は、地震層せん断力係数Ciが上階になるほど小さくなるとした点が誤りで、正しくは上階になるほど大きくなります。

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選択肢3のポイント

地震層せん断力係数Ciは、各階より上に載っている重量に対して、地震時にどれだけの水平力がかかるかの割合です。建築基準法施行令第88条で、次の式により求めます。

Ci = Z・Rt・Ai・Co(Z=地震地域係数、Rt=振動特性係数、Ai=高さ方向の分布係数、Co=標準せん断力係数)。

このうちAiは、建築物の高さ方向に地震力をどう振り分けるかの係数で、最下階で1.0、上階になるほど大きくなります。建物の上のほうほど、地震時に振り回されて大きく揺れるためです。したがってCiも上階になるほど大きくなります。

選択肢3は「上階になるほど小さくなる」としていますが、Ciは上階ほど大きくなるのが正しく、ここが誤りです。

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覚え方

  • 地震層せん断力係数Ci=Z・Rt・Ai・Co。Ai(分布係数)は上階ほど大きく、Ciも上階ほど大きい(令88条)
  • 標準せん断力係数Coは原則0.2以上、著しく軟弱な区域内の木造は0.3以上/地震地域係数Zは0.7〜1.0
  • 地下の水平震度kは、地盤面から深さ20mまでは深いほど小さくなる(令88条4項)

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理解度チェック

Q.

建築物の地上部分の各階における地震層せん断力係数Ciは、一般に、上階になるほど小さくなる。〇か×か。

×。Ciは分布係数Aiを含み、Aiは上階ほど大きくなるため、Ciは上階になるほど大きくなります(令88条)。

Q.

地震地域係数Zは、地域ごとに1.0から0.7までの範囲内で定められている。〇か×か。

。地震地域係数Zは、過去の震害や地震活動に応じて、各地域ごとに1.0〜0.7の範囲で定められています(令88条1項)。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅲ(建築構造)問題」
  • 地震層せん断力係数Ci・分布係数Ai・標準せん断力係数Co・地震地域係数Z・地下の水平震度k:建築基準法施行令第88条
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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