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構造計算とは?1分でわかる目的、方法、費用

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建物の安全性を確認するための計算を「構造計算」といいます。構造計算は、構造設計の主要な業務です。では、構造計算は具体的にどのような目的で、何を行うのでしょうか。今回は構造計算の目的、方法、費用について説明します。


ちなみに僕は、7年間構造設計に携わってきました。その経験を元におはなしできればと思います。構造設計の意味は、下記が参考になります。

構造設計と構造計算 その違いとは?

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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構造計算とは?

構造計算とは、建物の安全性を検討・確認する計算です。「建物の構造の計算」なので、構造計算といいます。


建物には重力、地震力、風圧力、雪、津波などさまざまな力が作用します。これらの力に対して安全であるよう、各「構造部材」を計算します。※構造部材については後述しました。


構造部材は、建物が安全であるよう設計されています。例えば、私たちが普段歩く「床」が傾いたり、抜けたりしないのは、構造計算されているからです。


私たちは、普段の生活で構造部材の存在を意識しません。しかしこれらの部材が無いと、建物は成り立たないのです。構造計算はとても大切です。


「安全をデザイン(設計)する」仕事が構造設計、それを証明する方法の1つが「構造計算」と考えてください。ちなみに構造設計は、構造計算の他に「構造計画」「構造図の作成」という業務があります。下図をみるとわかりやすいでしょう。

構造設計と構造計算の関係

構造計算の内容

構造計算は、実際に何を行うのでしょうか。下記に整理しました。

・荷重計算

・応力計算

・変形計算

・断面算定


このほか、建物の崩壊形を確認する計算もあるのですが今回は省略します。各計算の内容を、それぞれ説明します。

荷重計算

建物の安全性は、荷重計算から始めます。構造計算をスタートする頃は、平面的な大きさ、立面的な大きさが大体決まっています。


それらの図面と、過去物件の構造計算書などを元に「荷重」を決めます。この段階では「仮定の荷重」なので「仮定荷重」といいます。


※ただし、ここで決めた仮定荷重はあまり変えることができません。よって余裕をみた荷重に設定します。荷重の意味は、下記が参考になります。

荷重とは?1分でわかる意味、読み方、種類、応力との違い

応力計算

荷重が決まると計算に移ります。この段階では、建物の構造形式を決まっています。ラーメン構造、ブレース構造など形式に応じた応力計算を行います。応力は下記が参考になります。

応力とは?1分でわかる意味と種類、記号、計算法

変形計算(たわみ、層間変形など)

同時に変形も確認します。床や梁のたわみ、地震力による建物の層間変形角(建物の水平方向の変形)などです。たわみ、層間変形の意味は、下記が参考になります。

たわみとは?1分でわかる意味、求め方、公式、単位、記号、計算法

層間変位、層間変形角とは何か?

断面算定

断面算定では、応力やたわみに対して安全であるよう部材の大きさを決めます。ここでようやく柱や梁など構造部材の大きさが分かるのです。


以上、構造計算の内容を示しました。

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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構造部材とは?

構造計算は、構造部材が安全であることを確認します。主要な構造部材を下記に示します。建築基準法では、これらを「構造耐力上、主要な部分」といいます。

柱、梁

床を受ける水平部材を「梁」、壁や梁をうける部材を「柱」といいます。※柱、梁については下記の記事が参考になります。

柱、梁とは?1分でわかる役割、違い、剛比の計算

ほとんどの建物は壁に覆われています。外に面した壁を外壁、部屋の内側(中)にある壁は内壁です。


鉄筋コンクリート造の壁は、地震力に耐えるよう設計することも可能です。耐震壁といいます。

床(屋根)

住宅の床は木造が一般的ですが、非住宅(学校、ビルなど)は鉄筋コンクリートの床とします。床は、人や机の重さを支える他、地震力を柱や梁へ適切に伝達する目的もあります。

基礎

基礎は建物の重量を全て支え、地盤に流す目的があります。スポーツや勉強も基礎が大事、とよくいいますが建物も同じです(というより、建物の基礎が語源かと思います)。


いくら上部構造が強くても、基礎が傾いたり沈下すれば上部構造も倒れます。


基礎は地面の下に埋まっているので確認できませんが、鉄筋コンクリートの塊又は細長い円形の柱をイメージしてください。基礎の意味は下記が参考になります。

基礎構造とは?1分でわかる意味、種類、設計、耐震性

構造計算の費用

構造計算の費用は平米当たり金額、計算ルート、建物構造などで決める事務所が多いです。要するに「計算が難しくなるほど」構造計算の費用は高くなります。


また地方と都心では費用の格差があります。できるだけ地方に発注した方が、費用は安いかもしれません。


私の知り合いは地方で構造設計事務所を経営していますが、400円/㎡で仕事をうけるケースもありました。


つまり1000㎡で40万円の費用です(計算、図面作成)。ただ設計打合せ、構造計画など全てを含めると費用UPするでしょう。

構造計算の方法(構造計算ルート)

構造計算にはルールがあります。


建築基準法により定められたルールを「構造計算ルート」といいます。基本的には計算ルートに従い、構造計算します。※超高層建物など計算ルートから外れる場合は、特別な計算が必要です。


構造計算ルートについては下記が参考になります。

構造計算ルートとは何か?

構造計算と四号建築物

構造計算は、実は全ての建物で行っていません。


建築基準法によれば、四号建物(例えば木造住宅)は構造計算書の提出が省略できる、という法律があります。※構造計算しなくてよい、とは書いてありません。


よって実質は、構造計算せずに住宅はできあがります。ただ計算しない代わりに、仕様規定が定められています。


仕様規定とは、「決まりごと」です。建築基準法は、木造住宅の安全性を担保する最低限の決まりごとが書いてあります。

4号建築物とは?1分でわかる意味、構造計算、大規模修繕との関係

仕様規定とは?1分でわかる意味、鉄骨造、構造計算との関係、性能規定


計算をしなくても、この決まりごと満足させれば一応は大丈夫です。特に、2000年以降に設計された木造住宅は、一定の耐震性が確認されています。


また、住宅メーカーなどは、実大実験をして建築基準法以上の耐震性能をもつことを確認しています。メーカー毎で、余裕率が違うので実際にパンフレット、HPを確認しましょう。

まとめ

今回は構造計算について説明しました。構造計算は、建物が安全か確認するための計算です。これから構造計算を頼みたい方は、電話やHPなどで費用を確認するとよいでしょう。

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