建築学生が学ぶ構造力学

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令和2年度 二級建築士 構造 No.23を解説、鋼材に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)No.23は、鋼材に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

黒皮の防食効果、炭素含有量と強さ、温度と引張強さ、SM490A機械的性質、SN材が問われます。判断の決め手は、鋼材記号「SM490A」の数字490が何を表すかです。

引っかけの核心は、490の意味です。SM490Aの490は引張強さの下限値で、降伏点ではありません。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 熱間圧延で生じる黒い錆(黒皮)は、鋼の表面に被膜として形成され、防食効果があります。
2 ○(正しい) 鋼材は、炭素含有量が多くなると硬質になり、引張強さが大きくなります。
3 ○(正しい) 鋼材の引張強さは、一般に200〜300℃程度で最大となり、それ以上では急激に低下します。
4 ×(不適当) SM490Aの490は引張強さの下限値です。降伏点の下限は、板厚16mm以下で325N/mm²です。
5 ○(正しい) 建築構造用圧延鋼材はSN材と呼ばれ、建築物固有の要求性能を考慮して規格化された鋼材です。

選択肢4は、SM490Aの降伏点の下限値を490N/mm²とした点が誤りで、490は引張強さの下限値です。

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選択肢4のポイント

鋼材の記号についている数字は、ほとんどの場合引張強さの下限値(N/mm²)を表します。SS400、SN400、SM490などの数字は、いずれも引張強さです。

SM490A(溶接構造用圧延鋼材)の「490」も、引張強さの下限値(490〜610N/mm²)を表しています。一方、降伏点(降伏強さ)の下限は、これとは別の値で、板厚16mm以下で325N/mm²以上です。

選択肢4は「降伏点の下限値が490N/mm²」としていますが、490は引張強さの下限値で、降伏点は325N/mm²程度です。記号の数字と降伏点を取り違えた点が誤りです。

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覚え方

  • 鋼材記号の数字(SS400・SM490・SN400等)は引張強さの下限値。SM490の490は引張強さで、降伏点は約325(板厚16mm以下)
  • 鋼材の引張強さは200〜300℃で最大、それ以上で急低下/炭素含有量が多いほど硬く引張強さは大きい
  • 黒皮(ミルスケール)は防食効果がある/SN材は建築構造用で建築固有の要求性能を規格化

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理解度チェック

Q.

溶接構造用圧延鋼材SM490Aの降伏点の下限値は、490N/mm²である。〇か×か。

×。490は引張強さの下限値です。降伏点の下限は、板厚16mm以下で325N/mm²です。

Q.

鋼材の引張強さは、一般に、温度が200〜300℃程度で最大となり、それ以上の温度になると急激に低下する。〇か×か。

。鋼材の引張強さは200〜300℃付近で最大となり、それより高温になると急激に低下します。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅲ(建築構造)問題」
  • SM490Aの機械的性質(490は引張強さの下限・降伏点は325N/mm²以上):JIS G3106(溶接構造用圧延鋼材)
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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