建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 鉄筋コンクリート造の基礎 > 壁式プレキャストコンクリート造とは?1分でわかる意味、WPC、壁式RC造との違い

壁式プレキャストコンクリート造とは?1分でわかる意味、WPC、壁式RC造との違い

この記事の要点

壁式プレキャストコンクリート造(WPC)は、工場で製作したコンクリート板(PCa板)を壁・床に使い、現場で組み立てて一体化する壁式の構造形式です。

柱・梁がなく、壁と床が主要構造体です。

壁式RC造(現場打ち)と構造上の考え方は共通ですが、WPCは工場製作(PCa)により品質管理がしやすく、工期短縮に有利です。

試験では「PC」(プレストレストコンクリート)と「PCa」(プレキャストコンクリート)の区別も問われます。

この記事では、壁式プレキャストコンクリート造(WPC)とは何か、壁式RC造とどう違うのか、PCaとPCはどう区別するのかを整理します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


壁式プレキャストコンクリート造(WPC:Wall Precast Concrete)とは、工場で製作したプレキャストコンクリート板(PCa板)を壁・床に使い、現場で組み立てて一体化する壁式の構造形式です。

今回は、壁式プレキャストコンクリート造の意味、壁式RC造との違い、PCaとPCの区別について説明します。


壁式構造・RC構造の基礎は下記が参考になります。

PC構造(プレストレストコンクリート)の原理と有用性|プレストレスの役割

コンクリートの配合設計とは?水セメント比・単位水量・骨材の基礎

壁式プレキャストコンクリート造(WPC)とは

WPCとは、Wall(壁式)+ Precast Concrete(プレキャストコンクリート)の略称です。

建物の壁・床・天井を構成するコンクリート板を工場であらかじめ製作し(PCa)、現場に搬入して組み立てます。接合部を現場でコンクリートを打設して一体化することで、一枚の壁・床として機能させます。

柱・梁のない「壁式」で荷重を支えるため、開口部の大きさや配置には制約がありますが、集合住宅(マンション)のような均一な平面計画と相性が良い工法です。

壁式RC造(現場打ち)との違い

「壁式構造」という点では壁式RC造と共通ですが、コンクリートの製作場所と方法が異なります。整理するなら「現場打ちか、工場製作(PCa)か」という1点を押さえましょう。

項目 壁式プレキャスト(WPC) 壁式RC造(現場打ち)
製作方法 工場製作(PCa) 現場打ちコンクリート
主要構造体 壁・床(柱・梁なし) 壁・床(柱・梁なし)
品質管理 工場管理のため安定しやすい 現場の施工精度に依存する
工期 工場製作との並行進行で短縮しやすい 型枠・養生・打設のサイクルが必要
主な用途 集合住宅・マンション 集合住宅・低層建築

WPCの特徴

1. 工場製作による品質の安定

PCa板は工場で一定条件のもと製作されるため、コンクリートの品質管理がしやすい点が特徴です。天候や現場の施工条件に左右されにくく、仕上がりの精度を確保しやすいといえます。

2. 工期の短縮

工場でのPCa板製作と現場の基礎・躯体工事を並行して進めることができます。現場での型枠・打設・養生のサイクルを繰り返す現場打ちと比較して、工期短縮に有利です。

3. 開口部の制約

壁式構造のため、耐力壁を撤去したり大きく開口を取ることが難しい点は、壁式RC造と共通の制約です。設計計画の段階から、間取りと壁の配置を整合させる必要があります。

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

PCa(プレキャスト)とPC(プレストレスト)の区別

ここは多くの方が混同しやすいポイントです。略称が似ているため、特に試験では注意が必要です。

略称 正式名称 意味
PCa プレキャストコンクリート
Precast Concrete
工場であらかじめ製作したコンクリート部材
PC プレストレストコンクリート
Prestressed Concrete
あらかじめ圧縮応力(プレストレス)を導入したコンクリート

WPCで使われるのはPCa(プレキャスト)です。PC(プレストレスト)とは別概念です。「製作場所の話か、応力導入の話か」で区別すると整理しやすいです。

設計上の確認ポイント

WPC構造で設計上確認が必要な主なポイントは次のような内容です。実務では仕様・条件によって扱いが異なるため、設計指針や標準仕様書の確認が必要です。

混同しやすい用語

PCa(プレキャストコンクリート)と PC(プレストレストコンクリート)
PCaは工場で製作したコンクリート部材のことです。

製作方法・場所の話です。


PCはあらかじめ圧縮応力(プレストレス)を導入したコンクリートのことです。

応力状態の話です。


「製作場所の話か、応力導入の話か」で区別しましょう。

WPCで使われているのはPCa(プレキャスト)です。

壁式プレキャスト(WPC)と 壁式RC造(現場打ち)
どちらも「壁式構造」で柱・梁がなく、壁・床が主要構造体です。


違いはコンクリートを工場で製作するか(WPC)、現場で打設するか(壁式RC)です。


構造形式としての考え方は共通ですが、施工方法と品質管理のアプローチが異なります。

まとめ

今回は壁式プレキャストコンクリート造(WPC)について説明しました。WPCは工場製作のPCa板を壁・床に使う壁式構造で、品質管理と工期短縮に有利な工法です。


PCa(プレキャスト)とPC(プレストレスト)の区別、壁式RC造との違いをセットで整理しておきましょう。

PC構造(プレストレストコンクリート)の原理と有用性|プレストレスの役割

コンクリートの配合設計とは?水セメント比・単位水量・骨材の基礎

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

理解度チェック

Q.

壁式プレキャストコンクリート造(WPC)とは何ですか?

答えを見る

工場で製作したPCa(プレキャストコンクリート)板を壁・床に用いる壁式構造です。柱・梁がなく壁・床が主要構造体となり、品質管理と工期短縮に有利な工法です。

Q.

WPCの特徴(メリットと制約)は何ですか?

答えを見る

PCa板を工場で一定条件のもと製作するため品質が安定し、天候や現場条件に左右されにくい点、工場製作と現場工事を並行でき工期短縮に有利な点がメリットです。一方、壁式構造のため耐力壁の撤去や大きな開口が難しいという制約があります。

Q.

PCa(プレキャスト)とPC(プレストレスト)の違いは何ですか?

答えを見る

PCaは工場であらかじめ製作したコンクリート部材(製作場所の話)、PCはあらかじめ圧縮応力(プレストレス)を導入したコンクリート(応力状態の話)です。WPCで使われているのはPCa(プレキャスト)です。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鉄筋コンクリート造の基礎 > 壁式プレキャストコンクリート造とは?1分でわかる意味、WPC、壁式RC造との違い
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事