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PC構造と理論

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プレストレスト・コンクリートは、PC用の鋼棒に張力を導入することでコンクリート自体に圧縮力を加えたコンクリートです。一般的にPCと略されます。また、プレキャスト・コンクリートも頭文字をとるとPCですが、この場合はプレストレストコンクリートと区別するために、PCaと略します。


コンクリートは圧縮に強く引張に弱い材料です。圧縮強度の1/10程度が引張強度なので、曲げ応力が作用すると簡単にひび割れたりします。そこで、引張側の応力が作用する箇所には鉄筋を配置したRCが構造材料として利用されています。一見すると、PCとRCは似ているようですが、力学的なメカニズムが異なります。


例えば、ある断面に曲げ応力が作用したとします。すると、



というように、中立軸から上端では圧縮の応力が作用し、下端では引張力が生じます。コンクリートは引張に弱いので、ここを鉄筋で補強した材料がRC(鉄筋コンクリート)です。PCはコンクリートにあらかじめPC鋼棒を配置し、これに張力を導入します。すると、



以上のような、応力状態となります。プレストレスを作用させるとコンクリート全体に圧縮力が作用し、荷重が作用した場合も引張場がなくなり、コンクリートの圧縮に強いという特性が十分に発揮することが出来ます。


このプレストレスを加えるという作用は、日常生活でも確かめることが出来ます。例えば、複数の本を縦に積まずに、横に並べて運ぼうとしてください。ぎゅっと抑えていないとバラバラになって運べないと思います。この「ぎゅっ」とさせる作用がプレストレスです。PCはたわみも少ないので、橋梁などの梁部材では支間を大きく取ることができ、大規模構造物に適しています。

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