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CLT(直交集成板)とは?1分でわかる特徴、建築基準法の扱い、集成材との違い

この記事の要点

CLT(直交集成板)とは、木材を繊維方向が互いに直交するように奇数層に積層接着した構造用面材です。Cross Laminated Timberの略で、壁・床・屋根のパネル材として使用されます。

集成材と異なり、面内・面外の両方向に強度を発揮します。2016年(平成28年)頃にCLTパネル工法の設計基準が整備され、木造建築物に広く適用できるようになりました。

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CLT(直交集成板)とは、木材を繊維方向が互いに直交するように奇数層に積層接着した構造用面材です。Cross Laminated Timber(クロス・ラミネーテッド・ティンバー)の略称です。

集成材が同一方向に積層した軸材(柱・梁)として使われるのに対し、CLTは繊維方向を交互に直交させることで面内・面外の両方向に強度を発揮する面材(パネル)として使用されます。今回はCLTの特徴、集成材との違い、建築基準法の扱いについて説明します。


木構造の基礎知識は、下記が参考になります。

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CLTとは何か?

CLTCross Laminated Timberの略で、日本語では直交集成板(ちょっこうしゅうせいばん)といいます。ひき板(ラミナ)を繊維方向が互いに直交するように奇数層(3層・5層・7層など)に積層接着した面材です。


CLTはヨーロッパで1990年代に開発が始まり、日本では2013年頃にCLT専用のJAS規格が整備されました。その後、2016年(平成28年)頃には建築基準法上の設計基準も整備され、普及が加速しています。


CLTの各層は厚さ30〜40mm程度のひき板を使い、3層であれば合計90〜120mm、5層であれば150〜200mm程度の厚さになります。この厚みが、RC造の壁スラブに相当する強度と剛性を木材で実現することを可能にしています。

CLTの特徴

面内・面外の両方向に強度を発揮する

通常の木材や集成材は、繊維方向(長さ方向)に強度が集中し、繊維に直交する方向は弱くなります。CLTは繊維方向を交互に直交させて積層するため、縦横の両方向に均等に近い強度と剛性を発揮します。


この性質により、CLTは壁・床・屋根のパネル材として使用できます。RC造のスラブや壁に相当する役割を木材で担えるのがCLTの最大の特徴です。

軽量性

木材の密度はおよそ500 kg/m3で、コンクリートの約2,300 kg/m3と比べると約1/5の重さです。CLTを使用した建物はRC造に比べて大幅に軽量になるため、地震時に建物に作用する地震力が低減されます。


また、工場で製作したCLTパネルを現場で組み立てるため、工期の短縮にもつながります。

耐火性能

木材はそのまま燃えるように思われがちですが、CLTの厚みを活かした「燃えしろ設計」により、一定の耐火性能を確保できます。


CLTの表面が燃焼すると炭化層が形成され、この炭化層が断熱材の役割を果たして内部への燃え進みを遅らせます。CLTの厚み・層数に応じた耐火仕様として、45分準耐火構造(3層相当)や1時間準耐火構造(5層相当)などの考え方が設計基準に示されています。

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CLTと集成材の違い

CLTと集成材はどちらも木材を積層接着した製品ですが、積層方向と使用形態が大きく異なります。以下の表で整理します。

比較項目CLT(直交集成板)集成材
正式名称直交集成板構造用集成材
積層方向繊維方向を直交させて積層繊維方向を揃えて積層
形状面材(パネル)軸材(柱・梁・桁)
JAS規格JAS 3151JAS 3079
強度の方向面内・面外の両方向主に繊維方向(長さ方向)
主な用途壁・床・屋根パネル柱・梁・桁

集成材は1方向の軸力・曲げに対して高い性能を発揮するため、柱や梁に最適です。一方、CLTは面として広い範囲で力を受け持つため、壁や床スラブの代替として使えます。両者は用途が異なる別の材料です。少し紛らわしいですが、「集成材=軸材、CLT=面材」と整理しておきましょう。

建築基準法におけるCLTの扱い

CLTは2016年(平成28年)頃に建築基準法の枠組みにおける設計基準が整備され、告示に定める設計ルートに従って一般的に設計できるようになりました。


CLTパネル工法の設計ルートとして、おおむね次のような区分が設けられています。

設計ルート内容
ルートA(仕様規定)告示に定める仕様に従う。3階建て以下・高さ13m以下などの制限あり
ルートB(許容応力度設計)許容応力度計算を行う。規模の制限が緩和される
ルートC(限界耐力計算等)限界耐力計算または時刻歴応答解析を行う。さらに大規模な建築物に対応

CLT設計上の留意点

CLTを構造材として使用する際は、木材特有の性質に注意が必要です。


クリープ変形:CLTは長期荷重を受け続けると、弾性変形に加えてクリープ(時間依存変形)が生じます。床スラブに使用する場合は、長期のたわみを見越した設計が必要です。


含水率変化による寸法変化:木材は乾燥によって収縮します。CLTも同様に含水率の変化による寸法変化があるため、施工時の目地・接合部の設計に注意が必要です。ただし直交積層の効果により、同方向積層の集成材より寸法変化が抑制されます。


接合部の設計:CLTパネル同士の接合部や、他の構造部材との取り合い部分の設計は、CLT構造の安全性を左右する重要な要素です。ドリフトピン・ラグスクリュー・メタルプレートなどが用いられます。


木構造の接合部の詳細は、下記が参考になります。

水平構面とは?木造における役割と剛性の考え方

混同しやすい用語

CLT と 集成材
集成材は繊維方向を同じ向きに揃えて積層した材料で、柱・梁などの軸材として使われます。一方向に大きな強度を発揮しますが、横方向には弱くなります。
CLTは繊維方向を直交させながら奇数層に積層した材料で、壁・床・屋根などの面材(パネル)として使われます。面内・面外の両方向に強度を発揮します。
「集成材=軸材、CLT=面材」「集成材=一方向強度、CLT=二方向強度」という対比で整理しましょう。

CLT と LVL(単板積層材)
LVL(Laminated Veneer Lumber)は薄い単板(ベニヤ)を繊維方向を揃えて積層した材料です。集成材に近い位置づけで、主に繊維方向の強度を活かした軸材として使われます。
CLTは繊維方向を直交させて積層する点でLVLと異なります。どちらも木質エンジニアリング材料(EW)ですが、積層方向と使用形態が違います。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では「CLTとは繊維方向を直交させた面材」という定義が問われやすいです。「繊維方向を揃えた集成材」と対比させて覚えましょう。

2016年(平成28年)頃にCLTパネル工法の設計基準が整備され、一般的な設計で扱いやすくなった点も押さえておきましょう。

また、CLTの耐火性能については「燃えしろ設計」という概念を押さえておきましょう。木材の炭化速度をもとに、燃え残り断面で応力を負担する設計方法です。CLTならではの特性として記述問題にも出ます。

まとめ

今回はCLT(直交集成板)について説明しました。CLTとは、木材を繊維方向が直交するように奇数層に積層接着した構造用面材です。


集成材との大きな違いは積層方向と使用形態です。集成材が軸材(柱・梁)であるのに対し、CLTは面材(パネル)として壁・床・屋根に使用します。2016年頃に設計基準が整備されたことで、今後も木造中大規模建築への活用が期待されています。

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