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建築基準法にみる「木造の構造方法」のTIPS

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僕自身、木造建物を設計したことがありません。実は木造を構造設計する機会は思っている以上に少ない。木造住宅はそもそも構造設計をしないので。


そこで今回は、自分の勉強のためにも建築基準法にみる木造の構造方法を整理しました。

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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1.木造住宅の基礎形式は、土台を基礎に緊結するか、柱を基礎に緊結させる方法。

土台とは基礎上に流す木部材のこと。この土台を基礎にアンカーボルトで緊結することで、土台に伝わる力を基礎まで伝達させます。


また柱を基礎に緊結させる方法もあります。これは、柱には金具で留め基礎にはアンカーボルトで緊結する方法です。構造的な意味は前者と変わりません。

2.柱の小径は1/20~1/30など、座屈長さは150以下とすること。

木造の場合、柱の小径は1/20~1/30まで認められています。また座屈長さは150まで許容されます。鉄骨やRCよりも柱を細くできますが、木造の場合柱を細かいピッチでいれます。1本当たりの負担荷重が小さいことも理由の1つ。

また、小径を算出するときスパンは、支点間距離とします。構造力学の見地から支点になりえるか判断が必要です。例えば、柱の中央に横架材が入っているからといって、それが支点になるとは限りません。

3.柱の断面欠損は1/3未満に抑えること。

木造は柱や横架材の接合部分で切欠きが発生します。また通し柱とした場合でも、横架材を差し込むので断面欠損が発生します。この欠損は1/3未満に抑えることが原則です。


さらに近年は柱断面が小さくなる傾向があるので、管柱として継手を用いる方が構造耐力で有利という指摘もあるようです。管柱の継手部は必ず通し柱の耐力より大きくすることが原則です。


ちなみに、ボルトなどの孔欠損に関しては問題ない、全断面で設計して良い見解です。

4.曲げ応力を受ける梁などの横架材は下端部分に欠きこみをしてはならない。

横架材には下側に曲げ応力が発生します。この横架材下側に欠き込みをすると、簡単に割れます。よって、横架材の下側に欠き込みはNGです。

5.木造設計指針では、欠き込みが1/4以下の断面係数は正味断面係数の0.6倍、1/3以下の場合は0.45倍として低減する。

基準法ではありませんが、建築学会の設計指針では欠きこみの大きさにより断面係数を低減数する方法があります。


欠きこみが1/3にもなれば、部材の断面係数は半分以下になることに注意。

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