この記事の要点
L型断面の図芯(重心)を求めるには、断面を複数の矩形に分解して各部分の面積×重心位置を求め、全体で平均する方法を使います。二級建築士H26年の問題で出題されたこの手法は、試験頻出の基本計算です。
計算ミスが多いのは「どこを基準点(原点)にするか」を曖昧にしたまま進めるケースです。最初に基準点を決めて、すべての距離をそこから測る習慣をつけると計算ミスが大幅に減ります。
公式丸暗記ではなく「面積×距離の合計÷全面積」という原理を理解することで、どんな複雑断面にも対応できる。
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断面性能の図芯を求める問題ですが、公式だけを丸暗記すると、変わった断面になったとき対応ができません。
下図は平成26年の問題で、この時はL型断面の図芯位置を求めよという内容でした。L型断面の図芯はどうやって求めればよいのでしょうか。
解説していきましょう。
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図心を求めるためには断面一次モーメントと断面積が必要です。では、L型断面の断面一次モーメントは、どうやって求めればよいでしょうか?
図の断面は、確かにL型なのですが良く見ると、四角形の組み合わせとも言えます。つまり、
1.20×40の横長四角形
2.40×20の縦長四角形
の2つに分解します。
これらの、Sをそれぞれ求めておいて、足し合わせればL型断面の断面一次モーメントになります。
まずはX軸回りのSを求めます(要はY方向の重心位置)。よって、横長四角形の断面一次モーメントは断面積×横長四角形の重心位置で、
です。縦長四角形は、
です。
よって、L型断面の断面一次モーメントは、
です。
L型断面の断面積は、
ですから、Y方向の重心位置は
です。x方向の重心位置が15mmとなる答えは1、2です。次にY方向の重心位置を求めます。同様の計算手順で行うと、
縦長四角形は、
です。
横長四角形は、
です。
よって、L型断面のY方向の重心位置は
以上より、x、y方向の重心位置(15,25)に合致する答えは2番です。
混同しやすい用語
図芯(重心・断面の中心)
断面全体の面積重心。
断面を複数の矩形に分割し、各面積と重心距離の積の合計を全面積で割って求める。
断面二次モーメント(I)
断面の曲げに対する抵抗力を表す値。
図芯を基準軸として計算する。
図芯の位置が正しく求まらないとIも誤った値になる。
X方向の重心(xc)
断面を水平軸(X軸)から測った重心位置。
各矩形の面積×X方向重心距離の合計÷全面積。
Y方向の重心(yc)
断面を鉛直軸(Y軸)から測った重心位置。
各矩形の面積×Y方向重心距離の合計÷全面積。
xcとycはそれぞれ独立して計算する。
| 部分 | 幅 | 高さ | 面積 A | xc(左端から) | yc(下端から) |
|---|---|---|---|---|---|
| ①(縦部材) | 20 mm | 100 mm | 2,000 mm2 | 10 mm | 50 mm |
| ②(横部材) | 80 mm | 20 mm | 1,600 mm2 | 60 mm | 10 mm |
全面積:A = 2,000+1,600 = 3,600 mm2
xc = (A1×xc1 + A2×xc2) / A = (2,000×10 + 1,600×60) / 3,600 = (20,000+96,000) / 3,600 = 116,000/3,600 ≒ 32.2 mm
yc = (A1×yc1 + A2×yc2) / A = (2,000×50 + 1,600×10) / 3,600 = (100,000+16,000) / 3,600 = 116,000/3,600 ≒ 32.2 mm
| ステップ | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. 断面分割 | L型を2つ以上の長方形に分割する | 分割方法は複数あるが結果は同じ |
| 2. 各部分の面積計算 | A_i = b_i × h_i | 重複しないよう注意 |
| 3. 各部分の重心位置特定 | 各矩形の中心(幅/2・高さ/2) | 基準点からの距離で測る |
| 4. 加重平均 | xc = ΣA_i×xci / ΣA_i (yc方向も同様) | x・yは独立して計算する |
Q. 縦部材(20×80mm)と横部材(80×20mm)のL型断面の図芯xc(x方向重心距離)を左端基準で求めよ
A. A1=1,600mm2(xc1=10mm)、A2=1,600mm2(xc2=60mm)。xc=(1,600×10+1,600×60)/(1,600+1,600)=112,000/3,200=35mm
Q. 図芯と重心は同じ意味か?
A. 断面力学では同じ意味(断面の幾何学的中心)。
断面一次モーメントがゼロになる点が図芯。
密度が一様な場合、図芯と重心(質量の中心)は一致する
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
L型断面の図芯問題はH26年のように出題されることがある。(二級建築士 平成26年:L型断面の図芯位置を求める問題が出題)
断面を2つの長方形に分割し、それぞれ面積と重心位置を求めて加重平均するのが基本手順。
X・Yそれぞれ独立して計算することを忘れずに。