この記事の要点
ワーレントラスの斜材軸力は、断面法(切断法)で特定の部材を仮想的に切断し、ΣM=0の式から直接求めることができる。
H26年問題では支点反力を先に求め、適切な断面で切断してモーメントの釣り合いを取ることで斜材の軸力を効率よく算定する。
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トラス構造は上弦材、下弦材、斜材、束材の組み合わせ方で多様な形状がつくられます。
これらの部材の組合せで部材に生じる軸力が圧縮、引張か変わります。今回は例題として下図に示すトラス構造の軸力を計算します。
部材Aの軸力を求める問題です。軸力の計算方法には断面法と節点法がありますが、
本例題の場合、部材Aの軸力は節点法では解けませんので、建築士試験で出題された際は素早く断面法による答えを導きましょう。

まず反力を求めます。トラスでも単純梁と同じように反力は計算できます。まず左側支点の反力は、

です。外力6kNは右側支点から2m左側の上側節点に作用しています。全体のスパンは6mです。
集中荷重の作用する単純梁の支点反力は、荷重の作用位置と全体のスパンとの比率により算定できます。左側支点反力は「外力の2/6の比率」です。
右側支点反力は、外力から左側支点の反力を引き算して
です。反力の計算方法は下記をご覧ください。
さて、部材Aを含めて3部材を仮想的に切ります。切った断面の左側で力のつり合いを考えます。
すると、鉛直方向のつり合いはA部材の軸力と反力しかありません。A部材の軸力をNと仮定すれば鉛直方向の成分は、
なので、力のつり合い式は

が答えです。部材を仮想切断したとき部材断面には引張力が作用すると仮定した結果が「マイナスの値」なので、部材には圧縮方向の軸力が生じています。

よって正解は5番です。
混同しやすい用語
ワーレントラス
斜材が交互に傾く形のトラス。斜材は引張と圧縮が交互になるのが特徴。ハウトラスとは斜材の傾き方が異なる。
ハウトラス
斜材がすべて外向きに傾くトラス。斜材はすべて圧縮、垂直材は引張になる。ワーレントラスと斜材の向きを混同しやすい。
断面法(切断法)
求めたい部材を含む仮想断面で切断し、ΣM=0・ΣV=0・ΣH=0を使って軸力を求める方法。3部材以下の切断で有効。
節点法
各節点でΣV=0・ΣH=0を立て、端から順に軸力を求める方法。すべての部材を求めるときに適している。
| 条件 | 値 |
|---|---|
| 上弦材・下弦材のスパン | 各パネル長 d = 2 m、パネル数 4(全スパン8m) |
| 高さ h | 2 m(45°傾斜の斜材) |
| 集中荷重 P | 各下弦節点に P = 10 kN ずつ(節点 2・3) |
支点反力:対称荷重なので RA = RB = (10+10)/2 = 10 kN
断面法で左から2番目の上弦材に作用する軸力を求める(切断面でΣM=0をパネル交点に取る)
上弦材軸力 Nu:Nu × h = RA × d → Nu = RA×d/h = 10×2/2 = 10 kN(圧縮)
| 比較項目 | 節点法 | 断面法 |
|---|---|---|
| 手順 | 端から順に節点のΣH=0・ΣV=0を立てる | 求めたい部材を含む断面で切断しΣM=0等を使う |
| 向いている場面 | 全部材の軸力を求めるとき | 特定部材の軸力だけを素早く求めるとき |
| 計算量 | 多い(全節点を順番に解く) | 少ない(1回の切断で目的の軸力を直接求められる) |
Q. ワーレントラスで断面法を使う最大のメリットは?
A. 全部材を順番に解かなくても、求めたい部材だけを断面で切断してΣM=0等を立てれば直接軸力が求まる。特に試験では特定部材の計算に断面法が効率的
Q. 断面法でΣM=0の取り方のコツは?
A. 切断した3部材のうち2本が交わる点をモーメントの中心に選ぶ。その2本の未知力がモーメントにならず、残り1本の未知力だけの方程式になる
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
H26年のワーレントラス問題は断面法が効率的。支点反力を求めてから、求めたい部材を含む断面で切断してΣM=0を使おう。ワーレントラスとハウトラスの斜材の傾き方の違いを図で覚えておくと混同を防げる。