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トラス構造は上弦材、下弦材、斜材、束材の組み合わせ方で多様な形状がつくられます。これらの部材の組合せで部材に生じる軸力が圧縮、引張か変わります。今回は例題として下図に示すトラス構造の軸力を計算します。
部材Aの軸力を求める問題です。軸力の計算方法には断面法と節点法がありますが、本例題の場合、部材Aの軸力は節点法では解けませんので、建築士試験で出題された際は素早く断面法による答えを導きましょう。
まず反力を求めます。トラスでも単純梁と同じように反力は計算できます。まず左側支点の反力は、
です。外力6kNは右側支点から2m左側の上側節点に作用しています。全体のスパンは6mです。集中荷重の作用する単純梁の支点反力は、荷重の作用位置と全体のスパンとの比率により算定できます。左側支点反力は「外力の2/6の比率」です。
右側支点反力は、外力から左側支点の反力を引き算して
です。反力の計算方法は下記をご覧ください。
さて、部材Aを含めて3部材を仮想的に切ります。切った断面の左側で力のつり合いを考えます。すると、鉛直方向のつり合いはA部材の軸力と反力しかありません。A部材の軸力をNと仮定すれば鉛直方向の成分は、
なので、力のつり合い式は
が答えです。部材を仮想切断したとき部材断面には引張力が作用すると仮定した結果が「マイナスの値」なので、部材には圧縮方向の軸力が生じています。
よって正解は5番です。
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