この記事の要点
座屈荷重(オイラー座屈荷重)はPcr=π2EI/lk2で求める。座屈長さlkは両端条件(ピン・固定など)によって異なる係数を部材長さに掛けて決まる。
H26年問題では端部条件から座屈長さを正しく求め、断面二次モーメントIとヤング係数Eを代入して座屈荷重の大小を比較する。
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座屈に関する問題は毎年出題されますが、傾向として座屈長さを求め正しい大小の関係を導く問題、今回のように座屈荷重の大小を導く問題の2通りあります。
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座屈荷重は座屈長さ、弾性係数、弱軸回りの断面二次モーメントが関係します。今回、座屈長さと材質は一定と書かれているので、部材の弱軸回りの断面二次モーメントを比較すれば良いのです。
Cが何となく一番大きそうですが、気をつけたいのは弱軸回りのIを求めること。つまりAとCは長方形ですから、弱い方向があります。
よって
Bが一番大きそうです。なぜなら、Bの柱断面は12cmに対してAとCは8、9cm程度。Iは、『せい』が3乗の効果で効いてくるので、明らかにBが大きいことがわかります。
一方AとCは微妙なところです。Aを基準にして考えると、
というAとCの、せいと幅の比率を算定して1以下となれば、Cが大きいということです。
と明らかにCが大きいことが分かりました。よって、座屈荷重の大小はB>C>Aが正解。
3番が答えです。
混同しやすい用語
座屈荷重(Pcr)
柱が横にたわんで不安定になるときの圧縮荷重。Pcr=π2EI/lk2。座屈長さlkが大きいほど座屈荷重は小さくなる(不安定になりやすい)。
座屈長さ(lk)
座屈計算に使う等価な長さ。両端ピンはlk=L、一端固定他端ピンはlk=0.7L、両端固定はlk=0.5L、一端固定他端自由はlk=2L。
断面二次半径(i)
i=√(I/A)。細長比λ=lk/iの計算に使う。Iが大きいほどiも大きく座屈しにくい。
細長比(λ)
λ=lk/i。細長比が大きいほど座屈しやすい。建築基準法では柱の細長比に上限が定められている。座屈荷重と混同しないように。
| 断面 | 幅 b | せい h | 弱軸方向 I(= bh3/12 の小さい方) |
|---|---|---|---|
| 断面ア(長方形) | 6 cm | 10 cm | I = 10×63/12 = 180 cm?(幅方向が弱軸) |
| 断面イ(正方形) | 8 cm | 8 cm | I = 8×83/12 = 341 cm?(等方向) |
| 断面ウ(長方形) | 5 cm | 12 cm | I = 12×53/12 = 125 cm?(幅方向が弱軸) |
E・lk 一定の場合、Pcr = π2EI/lk2 より弱軸方向 I が大きいほど座屈荷重が大きい。
Iの大小:イ(341)>ア(180)>ウ(125) → 座屈荷重の大小:イ>ア>ウ
| 断面形状 | 弱軸 I(cm?) | Pcr 比(ウを1とした場合) | 座屈しやすさ |
|---|---|---|---|
| 断面ウ | 125 | 1.00(基準) | 最も座屈しやすい |
| 断面ア | 180 | 1.44倍 | 中程度 |
| 断面イ | 341 | 2.73倍 | 最も座屈しにくい |
Q. E=2.0×10? N/mm2、I=500 cm?、lk=3,000 mm の柱の座屈荷重 Pcr は?
A. Pcr=π2×(2.0×10?)×(5.0×10?)/(3,000)2 = π2×1012/9.0×10? ≒ 1,097 kN
Q. 同じ柱材で断面を90°回転させると座屈荷重はどう変わるか?
A. 弱軸方向が変わるため Iも変化する。長方形断面では向きによってIが大きく変わるため、座屈強度の支配断面(弱軸方向)を確認することが重要
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
座屈問題は端部条件から座屈長さlkを決めることが最重要ステップ。Pcr=π2EI/lk2に代入するだけだが、lkを間違えると全部誤りになる。4種類の端部条件と座屈長さ係数を必ず暗記しよう。