この記事の要点
梁の反力計算は構造力学の基礎中の基礎で、支点の種類(ピン・ローラー・固定)によって求まる反力の成分が変わります。
仮想仕事の原理を使う方法と力の釣り合いを使う方法のどちらが適切かは、梁の次数(静定・不静定)によって決まります。
このページでは支点種類ごとの反力成分一覧と、単純梁・片持ち梁の具体的な計算手順を図解します。
構造力学の試験でも頻出の内容です。
単純梁の中央集中荷重ではRA=RB=P/2、モーメントのつり合いでは一方の支点を中心に取るのが効率的。
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支点反力の公式を下図に示します。下図の通り、支点反力の公式は、荷重条件、支持条件に応じて変わります。





上図の支点反力の公式は、全て静定構造の梁の値なので、力のつり合い(ΣV=0、ΣH=0、ΣM=0)を組み立てて算定できます。簡単な荷重、支持条件の梁を例題に、力のつり合いから支点反力を算定します。
反力の求め方は簡単です。静止する物体における全ての力はつりあいます。つまり、外力と反力についてΣH=0、ΣV=0、ΣM=0の関係から反力を求めれば良いのです。なお、下図に示すローラー支点とピン支点からなる梁を単純梁といいます。

支点反力の公式と計算力のつりあいを考えるとき、下図のように反力の向きを仮定して図示すると分かりやすいです。
水平反力は右向き、鉛直反力は上向きの力として仮定します。
また、力に符号をつけて向きを表します。
本書では「右・上向きの力を正、左・下向きの力を負」と考えます。
どの向きを正とするかは自由ですが、正値とした方向の逆方向は必ず負値となるように定義します。
下添え字のA、Bは単なる目印ですので1、2でも構いません。

水平力は仮定した反力のみなので、

です。外力が作用していないので、当然、反力もありません。
次に、鉛直方向の力のつり合いを考えます。

ここが一番の難関ですね。モーメントのつり合いを考えます。A、B点はローラー支点、ピン支点なのでモーメントは生じません。よって、A(B)点でのモーメントのつり合いはゼロになります。
A点における全てのモーメントを求めます。回転方向が時計回りの値を正とすると、梁中央に作用する力Pによるモーメントは
です。B支点には仮定した反力RBが上向きの力で作用します。RBはA点を軸に反時計回りの回転を起こすので
です。これらのモーメントの合計は0になるので

となります。
RA、RB共に正の値です。つまり、仮定した反力の方向が正しいことを意味します。仮に反力が負の値であれば、仮定した反力の向きと反対向きに反力が作用しています。
ところで、A点を中心としたモーメントのつりあいを考えたので RAに関するモーメントは0です。RAはA点に作用しておりA点を中心に考えると距離は0です。M=力×距離=RA×0=0です。
あとは荷重条件、支持条件の変化に応じて計算が変わるだけです。荷重、支持条件の種類は下記が参考になります。
混同しやすい用語
支点反力(RA・RB)
外力に対して支点が生じさせる反力。
静定梁ではΣV=0、ΣH=0、ΣM=0の3式から未知の反力を求められる。
断面力(曲げモーメントMやせん断力Q)と混同しやすいが、反力は「外部境界での力」、断面力は「部材内部の力」。
モーメントのつり合い(ΣM=0)
構造物が回転しないための条件。
任意の点を中心に全てのモーメントを計算し、合計をゼロとおいて反力を求める。
中心とする点に作用する反力のモーメントはゼロになるため、未知数が1つ減って計算が簡単になる点を活用する。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では単純梁・片持ち梁・ラーメンの支点反力を求める計算問題が頻出です。
「ΣM=0を一方の支点まわりで取る」手順を反復練習し、等分布荷重・集中荷重どちらでも対応できるようにしましょう。