この記事の要点
トラス構造の部材軸力は節点法(各節点でΣV=0・ΣH=0)または断面法(断面を切ってΣM=0・ΣV=0・ΣH=0)で求める。
H28年問題では、節点での力の釣り合いを順に追うことで各部材の軸力と向き(引張・圧縮)を判定する。
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トラスの問題になると部材が増えて途端に難しくなった気がします。トラスの問題は、いかに効率よく部材軸力を算定するかが大切です。
A部材に生じる軸力を求める方法は2つあります。1つは、節点法。節点周りを仮想的に切って、力の釣り合いから未知数を求める方法です。
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しかし、Aを繋ぐ節点周りは部材本数が多く、とても節点法で解けそうにありません。そしたら断面法です。
断面法は、断面を切ってその部材に発生する、応力の釣り合いから未知数を求める方法。
A部材の中央で切ります。すると、3つの部材力が作用しているはずです。部材Aは斜め方向に掛かっているので、軸力は水平方向と鉛直方向に分解できます。
水平方向には上下の部材もあって、A部材と同じく未知数ですから、水平方向の力の釣り合いを解くには得策ではありません。
しかし、見方を変えると鉛直方向はA部材の鉛直成分軸力と既知の値2.0kN,支点に作用する鉛直反力の釣り合いから解けそうです。まず、鉛直反力は、
です。
次にA部材の軸力をNと仮定すれば、鉛直方向成分は
です。
切った断面の右側に対して力の釣り合いを解ければ良いのですから、
となります。これがA部材の軸力です。
よって、正解は5番です。
混同しやすい用語
節点法
トラスの各節点でΣV=0とΣH=0を立て、未知の軸力を順に求める方法。端部節点から始めると未知数を少なくできる。
断面法(クレモナ法の代替)
求めたい部材を含む断面でトラスを仮想的に切断し、ΣM=0などを使って軸力を直接求める方法。離れた部材の軸力を素早く求めるのに有効。
上弦材(圧縮)
トラスの上部を構成する部材。荷重を受けると圧縮力が生じることが多い。
下弦材(引張)
トラスの下部を構成する部材。荷重を受けると引張力が生じることが多い。上弦材・下弦材の向きと軸力の符号を整理しておこう。
| 条件 | 値 |
|---|---|
| スパン | 4 m(左ピン支点A・右ローラー支点B) |
| 高さ | 2 m(頂点C) |
| 荷重 | 集中荷重 P=20kN を頂点Cに鉛直下向き |
| 斜材の角度 | arctan(2/2)=45° |
支点反力:対称なので RA=RB=P/2=10kN(上向き)
節点Aの釣り合い:ΣV=0 → RAV+NAC×sin45°=0 → NAC=-10/sin45°≒-14.1kN(圧縮)
節点Aの釣り合い:ΣH=0 → NAB+NAC×cos45°=0 → NAB=-(-14.1)×cos45°≒+10kN(引張)
| 部材種類 | 典型的な軸力 | 符号の定義 |
|---|---|---|
| 上弦材(屋根面側) | 圧縮(負) | 引張=正、圧縮=負 |
| 下弦材(床面側) | 引張(正) | 引張=正、圧縮=負 |
| 斜材(荷重下) | 圧縮(負) | 荷重位置と向きに依存 |
| 斜材(荷重外) | 引張(正) | ワーレン型は交互に変化 |
Q. 節点法で解くとき「どの節点から始めるか」の判断基準は?
A. 未知軸力が2本以下の節点から始める。多くの場合は端の節点(支点近く)が未知数が少ない。支点反力を先に求めてから解き始める
Q. トラスの部材に曲げモーメントが生じないのはなぜか?
A. トラスの接合部はピン接合のため、回転モーメントを伝達できない。外力が節点にのみ作用する条件のもとで、各部材には軸力(引張・圧縮)のみが生じる
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
トラス問題は節点法と断面法の2つの解法を使い分けることが大切。H28年問題のように具体的な数値問題は節点法で順に解くと確実。軸力の正負(引張・圧縮)の定義を事前に確認してから解こう。