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鉄筋コンクリート柱のせん断補強筋比(柱断面に対するせん断補強筋量との割合)は0.2%以上とします。
なお、柱のせん断補強筋を帯筋またはフープ筋といい、せん断補強筋比を「帯筋比」ともいいます。
上図のようにせん断補強筋(赤色の線)は、主筋に対して巻き付けるようにして1本の鉄筋を輪っか状に配置します。
ただし、せん断補強筋の本数としてはX方向に2本分、Y方向に2本分あると考えます。
さて、"地震時"における鉄筋コンクリート柱のせん断耐力は、主に2つの要素を足し合わせて算定します。
1つは鉄筋コンクリートの「コンクリート断面のせん断耐力」、2つめは「柱のせん断補強筋によるせん断耐力」です。
耐力の大きさは材料の強度と断面積が関係します。強度、断面積が大きいほど耐力も大きくなります(※ただし上限値あり)。
なお、長期時の設計では、鉄筋コンクリート柱のせん断耐力は、コンクリート断面のせん断耐力のみを考慮し、せん断補強筋の効果は考えません。
よって、鉄筋コンクリート柱のせん断耐力を大きくしたければ
・コンクリート断面またはコンクリート強度を大きくする
・せん断補強筋を多く配置する、または、大きな径のせん断補強筋(断面積の大きな)を配置する、せん断補強筋の強度を上げる
等が必要です。コンクリート断面に対してせん断補強筋をどの程度、配置するかは「せん断補強筋のピッチ(間隔)」および「せん断補強筋の断面積」が重要です。
考え方は単純で、10cm2の鉄筋を1本配置するのと、5cm2の鉄筋を2本配置するのでは、構造的な意味は同じです。
たとえるなら、小さいシュークリーム2個食べるのと、大きいシュークリーム1個食べるのでは、結局同じくらいの量を食べたのと似た話です。
上記の通り、せん断補強筋の間隔、断面積の変数は結局のところ「構造的には同じ意味」ですから、1つの変数としてひとまとめにした値が「せん断補強筋比」です。
よって、せん断補強筋比の大小をみれば「コンクリート断面に対して、どのくらいせん断補強筋が入っているか」判断できます。さて、せん断補強筋比ρwは下式で算定します。
awはせん断補強筋の断面積、bは柱幅、xはせん断補強筋の間隔(ピッチ)です。
計算式は単純ですが、地震力の作用方向により何本分のせん断補強筋が効く(地震力に抵抗する)かは、
慣れないと難しいでしょう。実際、せん断補強筋比を算定する問題は建築士試験でも頻出しています。
そこで、せん断補強筋比の算定に慣れるために、建築士試験の過去問を例題として考えましょう。
例題はH27年二級建築士の構造の問題で出題されたものです。この問題は、柱のせん断補強筋比を求める問題です。
問題文に、地震力は図に示す方向とすると書いてあるのは、「この方向についての補強筋比を求めよ」と言っているのです。
上図をみてください。柱の主筋は鉛直方向に6本配置されており、柱断面をみると主筋を巻き付けるようなせん断補強筋と、真ん中に1本のせん断補強筋が配置されています。
地震力の方向をみると、右側に作用しています。この時、抵抗するせん断補強筋は上下(X方向)の2か所分です。
地震力の方向をX方向とするなら、X方向に並んでいる補強筋を数えればよいのです。
なお、仮に地震力がY方向に作用していれば、地震力に抵抗するせん断補強筋はY方向に並ぶ鉄筋なので「3本」あります。
さらに、柱の幅は地震力方向に対して「直交する方向の柱の長さ」とします。よって、本問題の場合、柱の幅は「b」です。
以上より、せん断補強筋比の計算式は
となり、つまり、1が正解です。
今回は、鉄筋コンクリート柱のせん断補強筋比の考え方と例題について説明しました。
せん断補強筋比の計算式は「aw/bx」です。計算式自体は単純ですが、鉄筋の断面積、間隔、柱幅の意味を実際の問題を解くことで正確に理解しましょう。
帯筋、帯筋比の詳細は下記が参考になります。
帯筋とは?1分でわかる帯筋の意味、読み方、役割、間隔、帯筋比との関係
帯筋比とは?1分でわかる意味と規準、計算、0.2、副帯筋との関係
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