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梁の応力は荷重条件、梁のスパン、支点条件が既知であるとき、力のつりあい(ΣV=0、ΣH=0、ΣM=0)を計算して求めます。
応力は部材の断面内に生じる力で、部材を曲げる力(曲げモーメント)、ずらす力(せん断力)、引っ張るまたは押す力(軸方向力)の3つが作用します。
応力は断面内に生じるため、部材を任意の位置で仮想的に切断し、切断面に前述した3つの応力が生じていると仮定し、外力、反力との釣り合いから求めます。
では、具体的な問題から梁の応力の計算を学びましょう。
基本的な考え方は反力の求め方と同じです。ただし応力は部材断面に生じる力なので、まずは部材を切断して作用する応力を仮定します。
切断する位置は支点から任意の点(x)としますが、荷重の作用点を境に応力が変化する可能性を考慮して切断します。
よって、点Aを原点とするとき「0からa」と「aからL」の任意の点xで切断します。
このとき切断面には正の向きの応力が作用すると仮定します。水平方向の荷重は無いので、梁を引っ張る、押す力(軸力)は0とします。
なお、点Bを原点として同様に切断してもよいです。その場合「0からb」と「bからL」の任意の点xで切断します。
梁を任意の点で切断しても応力と荷重、反力はつりあうので、ΣH=0、ΣV=0、ΣM=0のつりあいを考えれば良いのです。
※水平力は無いのでΣH=0は省略します。「0からa」と「aからL」の区間と順番に計算します。
[0からaの区間]
計算過程は省略しますが、本例題の反力はRA=Pb/L、RB=Pb/Lです。よって、
です。次にモーメントのつりあいを考えます。点xでの曲げモーメントを求めたいので、点xが中心となるようモーメントを求めましょう。
となります。 aからLの区間も同様の手順で応力を求めます。
[aからLの区間]
です。
です。 以上より、せん断力は0からa区間まではPb/L(正のせん断力)が作用し、aからL区間では-Pa/L(負のせん断力)となります。
また曲げモーメントは支点では0となり、x=aのとき最大値となります。
逆に、梁の応力(曲げモーメント、せん断力)が既知であれば、その他の諸条件(たとえば荷重)を算定できます。
実際、建築士試験の問題では、梁の曲げモーメントが既知である状態から、梁の支点反力やせん断力を求める問題などが出題されます。
実際に下図の例題を解きながら、梁の応力の計算を理解しましょう。下図に示すように、梁に荷重Pが作用しています。
しかし、問題発生。Pの値は与えられていません。その代り、Pの作用位置における曲げモーメントの大きさが分かっています。少し頭を捻らないと解けなさそうです。
上図のようにPが中央でない位置に作用したとき、その反力を求める公式は
です。
今回の場合、a=2mで、b=4mです。Lは全体の長さですから、
です。
よって、左支点の反力Rを算定すると
です。
次に曲げモーメントを求めます。曲げモーメントとは、部材を曲げようとする力です。
Pの作用位置における曲げモーメントMは「支点反力×Pまでの距離」で算定できるので、左側支点から考えると
です。あとは、この方程式を解けばPが逆算できるので、
となります。
最後にせん断力を算定します。せん断力とは、部材をずらそうとする応力です。
部材断面に生じるせん断力も力のつり合いで求めます。点C(Pの作用位置)の切断面に生じるせん断力は、支点Aに生じる反力と釣り合うので
となり、答えは3だとわかります。
今回は、梁の応力から荷重、せん断力を計算する問題を解説しました。建築士試験で頻出する問題です。
力のつり合い、梁の反力、応力の算定の基礎が試されます。慣れるまでは同様の問題を解き続けましょう。梁の力のつり合い、応力の計算など下記も参考になります。
集中荷重の作用する単純梁の解き方は?1分でわかる曲げモーメント、せん断力、たわみ、2点集中荷重の計算は?
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