建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 鉄筋コンクリート造の基礎 > コンクリートの圧縮強度と引張強度の関係は?1分でわかる意味、試験

コンクリートの圧縮強度と引張強度の関係とは?試験方法と二級建築士での出題ポイント

この記事の要点

コンクリートの引張強度は圧縮強度の約1/10です。圧縮に強くて引張に弱いというコンクリートの基本性質です。

圧縮強度試験(供試体)・引張強度(割裂引張試験)の試験方法と、二級建築士試験での出題パターン・計算問題の解き方を解説します。

建築基準法施行令では引張強度・許容引張応力度が規定されているが、RC構造計算規準では引張強度の規定がない点が試験で問われやすい

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10程度です。


なお、鉄筋コンクリート造構造計算規準では、コンクリートの引張強度は定義されません


引張力は鉄筋で負担し、コンクリートは引張力を負担できない、と考えるからです。今回は、コンクリートの圧縮強度、引張強度の関係について説明します。


コンクリートの圧縮強度の意味、引張、圧縮の関係は下記が参考になります。

圧縮強度とは?コンクリート・鋼の強度・単位(N/mm²)・引張強度との違い

引張力と圧縮力の違いとは?符号・強度・記号(σt・σc)を解説

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

コンクリートの圧縮強度と引張強度の関係は?

コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10の値です。建築士試験対策として覚えるべきポイントを下記に示します。

コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10

鉄筋コンクリート造の構造計算では、コンクリートの引張強度は無視(ゼロと)する


コンクリートの許容引張応力材料強度(引張)は、建築基準法施行令91条、97条に規定されます。


一方、建築学会による鉄筋コンクリート構造計算規準では、許容引張応力度は定義されません。実質「ゼロ」として扱います。


整理すると、


建築基準法 ⇒ 材料強度、許容引張応力度が規定。圧縮強度の1/10の値

鉄筋コンクリート構造計算規準 ⇒ 引張強度に関する規定無し(実質ゼロとして扱う)


です。


よって、鉄筋コンクリート部材に引張力が作用するとき、「鉄筋のみで引張力を負担する」と考えます。


コンクリートは圧縮力を負担します。コンクリートの圧縮強度は、設計基準強度などで表します。詳細は下記も参考になります。

設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味

圧縮強度とは?コンクリート・鋼の強度・単位(N/mm²)・引張強度との違い

一級建築士での問題傾向

コンクリートの引張強度と圧縮強度に関する、一級建築士の過去問題の傾向を読み解きます。下記に過去問を示します。


鉄筋コンクリート構造計算規準によると、コンクリートの引張強度は、圧縮強度の1/10程度であるが、曲げ材の引張側では引張強度は無視するため,許容引張応力度は規定されていない。


上記は、コンクリートに「許容引張応力度は規定されているか?」という問題です。構造計算の経験が無い方には中々理解しがたいかもしれませんが、答えは正です。


「鉄筋コンクリートの構造計算を行うとき、コンクリートは引張強度を有するが、実質ゼロとみなす」と覚えてくださいね。


下記の問題もあります。


コンクリートの引張強度は,圧縮強度が大きいほど大きい.


引張強度と圧縮強度の関係を思い出してください。引張強度Aは圧縮強度Bの1/10でしたね。


A=B/10


です。Bの数値を大きくするとAも大きくなりますね。よって、答えは「正」です。

コンクリートの圧縮強度、引張強度を調べる試験

コンクリートの圧縮強度、引張強度を調べる試験として、下記があります。


圧縮強度の試験 ⇒ 一軸圧縮試験

引張強度の試験 ⇒ 割裂引張強度試験


一軸圧縮試験は下記が参考になります。

一軸圧縮試験とは?方法・供試体寸法・粘着力と一軸圧縮強度の求め方

混同しやすい用語

圧縮強度

コンクリートが圧縮力に抵抗できる最大強度で、設計基準強度などで表される主要な強度指標。

引張強度がほぼ無視されるRC計算において圧縮力を担う側であるのに対して、引張強度は圧縮強度の1/10程度と低く実質ゼロ扱いされる点が対照的。

引張強度

コンクリートが引張力に抵抗できる強度で、圧縮強度の約1/10程度の値をもつ。

圧縮強度が設計の主体として使われるのに対して、引張強度はRC構造計算規準では規定されず、実質ゼロとして鉄筋に任せる設計思想になっている。

試験での問われ方|管理人の一言

一級建築士試験では「RC構造計算規準ではコンクリートの許容引張応力度は規定されていない」という正誤判定が頻出する。(一級建築士 平成20年:RC構造計算規準でコンクリートの許容引張応力度が規定されていないことが出題)

建築基準法(規定あり)とRC構造計算規準(規定なし)の違いを明確に区別して覚えることが得点アップの鍵。

強度の種類目安値設計上の扱い
圧縮強度(Fc)18~36 N/mm2(一般RC)構造設計の主体として使用
引張強度圧縮強度の約1/10RC計算規準では規定なし・鉄筋に負担させる
曲げ引張強度圧縮強度の約1/5~1/7無筋コンクリートの検討等に使用

まとめ

今回はコンクリートの引張強度と圧縮強度の関係について説明しました。一級建築士試験でよく問われます。引張強度は圧縮強度の1/10の値です。施行令でも定義されています。


ただし、鉄筋コンクリート造の構造計算では、コンクリートの引張強度は無視することを覚えてくださいね。下記も勉強しましょう。

設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味

圧縮強度とは?コンクリート・鋼の強度・単位(N/mm²)・引張強度との違い

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

この記事の内容を○×クイズで確認する

この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。

意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

ゼロ所長の構造力学問題集で確認する

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鉄筋コンクリート造の基礎 > コンクリートの圧縮強度と引張強度の関係は?1分でわかる意味、試験
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事