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コンクリートの寸法効果は?1分でわかる意味、圧縮強度、試験の関係

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コンクリートの寸法効果とは、寸法の小さな部材より、大きな部材の強度が小さくなる現象です。


コンクリートは、セメント、骨材、水を配合して作る材料です。毎回、同じように配合しても、どこかで欠陥が生じる「可能性」があります。


寸法が大きいほど、欠陥の生じる確率が大きくなるため、大きな部材の方が、強度が小さくなることが知られています。


今回は、コンクリートの寸法効果、圧縮強度と試験の関係について説明します。圧縮強度の意味は、下記が参考になります。

圧縮強度の基礎知識、コンクリートの圧縮強度とは?


寸法効果は、主にコンクリート分野で研究が行われています。例えば、下記の論文があります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijs/60/473/60_KJ00004100139/_article/-char/ja


また、東京工業大学では実大実験により、コンクリートの寸法効果の研究が進められています。

http://alrem.jp/column2.html

コンクリートの寸法効果とは?

コンクリートの寸法効果とは、寸法の小さい部材よりも大きな部材の方が、強度が小さくなる現象です。例えば、下図に示すコンクリート試験体の圧縮強度を測定します。

コンクリートの寸法効果と圧縮強度

同じように圧縮試験を行い、圧縮強度を測定した結果、Bの圧縮強度の方が小さくなります。これが寸法効果です。


これは、寸法の大きな部材の方が、欠陥を含む「確率」が多く、強度が低くなるという説明がなされています。


コンクリートはセメント、水、骨材を配合してつくる材料です。同じように作っても、強度はバラつきます。


試験体を沢山つくると、中には欠陥により想定する強度より小さいこともあります。


寸法の大きなコンクリートは容積が大きいので、その分、欠陥も多く含むといえるでしょう。


コンクリートの圧縮強度は、下記も参考になります。

圧縮強度の基礎知識、コンクリートの圧縮強度とは?

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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コンクリートの寸法効果、圧縮強度、試験の関係

コンクリートの寸法効果は、供試体の圧縮強度試験で問題になります。例えば、


直径に対する高さの比(h/D)が小さいほど、圧縮強度は大きい

直径に対する高さの比(h/D)が大きいほど、圧縮強度は小さい

寸法の大きな供試体の方が、圧縮強度が小さい


などがあります。詳細は、下記の論文でも言及されています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijs/60/473/60_KJ00004100139/_article/-char/ja


供試体、圧縮強度試験は下記が参考になります。

供試体とは?1分でわかる意味、寸法、コンクリートの養生、モールド

圧縮強度の基礎知識、コンクリートの圧縮強度とは?

一級建築士での問題傾向

一級建築士の過去問題の傾向を読み解きます。下記に過去問を示します。

コンクリート供試体の圧縮強度は、形状が相似であれば、一般に寸法の大きいものほど大きい。


解答は「誤」です。前述した通り、寸法の大きいコンクリートほど、圧縮強度は小さくなります。

耐震診断等で構造体コンクリートから採取される円柱コア供試体の圧縮強度は,直径に対する高さの比が小さくなると小さくなる.


解答は「誤」です。直径に対する高さの比が小さくなると、圧縮強度は大きくなります。


直径に対する高さの比」の意味を間違えないでくださいね。「直径(D)に対する高さ(h)の比=h/D」です。

まとめ

今回はコンクリートの寸法効果について説明しました。意味が理解頂けたと思います。


寸法の大きなコンクリートの方が、寸法の小さい部材に比べて、圧縮強度が小さくなります。これが寸法効果です。


寸法の大きな部材の方が、欠陥を含む確率が多くなるからでしたね。圧縮強度、供試体の意味など併せて勉強しましょう。

圧縮強度の基礎知識、コンクリートの圧縮強度とは?

供試体とは?1分でわかる意味、寸法、コンクリートの養生、モールド

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