この記事の要点
コンクリートの寸法効果とは、試験体の大きさが異なると圧縮強度の測定値が変わる現象のことだ。
一般に供試体が大きいほど欠陥を含む確率が高く、強度が低く出る傾向がある。
JIS規格の標準供試体は直径100mm・高さ200mmだが、現場では200mm径を使う場合もある。
高さ/直径比(h/d)が2以外の場合は補正係数を乗じて強度を換算する。
h/d=1のとき補正係数は約0.80、h/d=2が基準(補正係数=1.0)で、二級建築士の学科試験でも問われる重要ポイントだ。
供試体試験では直径に対する高さの比(h/D)が小さいほど圧縮強度は大きくなる点も頻出するので合わせて押さえておこう。
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コンクリートの寸法効果とは、寸法が大きい部材ほど圧縮強度が小さくなる現象です。
コンクリートは、セメント、骨材、水を配合して作る材料です。毎回、同じように配合しても、どこかで欠陥が生じる「可能性」があります。
寸法が大きいほど、欠陥の生じる確率が大きくなるため、大きな部材の方が、強度が小さくなることが知られています。
今回は、コンクリートの寸法効果、圧縮強度と試験の関係について説明します。圧縮強度の意味は、下記が参考になります。
圧縮強度とは?コンクリート・鋼の強度・単位(N/mm²)・引張強度との違い
寸法効果は、主にコンクリート分野で研究が行われています。例えば、下記の論文があります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijs/60/473/60_KJ00004100139/_article/-char/ja
また、東京工業大学では実大実験により、コンクリートの寸法効果の研究が進められています。
http://alrem.jp/column2.html
コンクリートの寸法効果とは、寸法の小さい部材よりも大きな部材の方が、強度が小さくなる現象です。例えば、下図に示すコンクリート試験体の圧縮強度を測定します。
同じように圧縮試験を行い、圧縮強度を測定した結果、Bの圧縮強度の方が小さくなります。これが寸法効果です。
これは、寸法の大きな部材の方が、欠陥を含む「確率」が多く、強度が低くなるという説明がなされています。
コンクリートはセメント、水、骨材を配合してつくる材料です。同じように作っても、強度はバラつきます。
試験体を沢山つくると、中には欠陥により想定する強度より小さいこともあります。
寸法の大きなコンクリートは容積が大きいので、その分、欠陥も多く含むといえるでしょう。
コンクリートの圧縮強度は、下記も参考になります。
圧縮強度とは?コンクリート・鋼の強度・単位(N/mm²)・引張強度との違い
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コンクリートの寸法効果は、供試体の圧縮強度試験で問題になります。例えば、
直径に対する高さの比(h/D)が小さいほど、圧縮強度は大きい
直径に対する高さの比(h/D)が大きいほど、圧縮強度は小さい
寸法の大きな供試体の方が、圧縮強度が小さい
などがあります。詳細は、下記の論文でも言及されています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijs/60/473/60_KJ00004100139/_article/-char/ja
供試体、圧縮強度試験は下記が参考になります。
圧縮強度とは?コンクリート・鋼の強度・単位(N/mm²)・引張強度との違い
一級建築士の過去問題の傾向を読み解きます。下記に過去問を示します。
コンクリート供試体の圧縮強度は、形状が相似であれば、一般に寸法の大きいものほど大きい。
解答は「誤」です。前述した通り、寸法の大きいコンクリートほど、圧縮強度は小さくなります。
耐震診断等で構造体コンクリートから採取される円柱コア供試体の圧縮強度は,直径に対する高さの比が小さくなると小さくなる.
解答は「誤」です。直径に対する高さの比が小さくなると、圧縮強度は大きくなります。
「直径に対する高さの比」の意味を間違えないでくださいね。「直径(D)に対する高さ(h)の比=h/D」です。
混同しやすい用語
寸法効果
部材の寸法が大きいほど欠陥を含む確率が高まり、圧縮強度が低下する現象。
「寸法が大きい=強度が大きい」とイメージしがちだが、コンクリートでは逆であり、供試体でも大きいものほど圧縮強度が小さくなる点が特徴。
h/D比(高さと直径の比)
円柱供試体の直径Dに対する高さhの比率で、この値が小さいほど圧縮強度は大きくなる。
寸法効果が「全体サイズの大小」に関する概念であるのに対し、h/D比は「形状の縦横比」が強度に与える影響を表す指標で、両者は似て非なる概念である。
| 条件 | 寸法 | 圧縮強度 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 寸法効果(大) | 大きい | 小さい | 内部欠陥・空隙の発生確率が増加 |
| 寸法効果(小) | 小さい | 大きい | 均一性が高く欠陥が少ない |
| h/D比(大) | 細長い | 小さい | 摩擦拘束の影響が小さくh/D=2に近い値となる |
| h/D比(小) | 太短い | 大きい | 端部の摩擦拘束で強度が見かけ上増加 |
今回はコンクリートの寸法効果について説明しました。意味が理解頂けたと思います。
寸法の大きなコンクリートの方が、寸法の小さい部材に比べて、圧縮強度が小さくなります。これが寸法効果です。
寸法の大きな部材の方が、欠陥を含む確率が多くなるからでしたね。圧縮強度、供試体の意味など併せて勉強しましょう。
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コンクリートの寸法効果とは?
試験体の大きさが異なると圧縮強度の測定値が変わる現象です。
供試体が大きいほど圧縮強度はどうなる?
欠陥を含む確率が高くなり、強度が低く出る傾向があります。
JIS規格の標準供試体の寸法は?
直径100mm・高さ200mmです。
高さ/直径比(h/d)と補正係数の関係は?
h/d=2が基準(補正係数1.0)で、h/d=1のときは補正係数が約0.80です。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では「寸法が大きいほど圧縮強度が大きい(誤)」や「h/D比が小さいほど圧縮強度が小さくなる(誤)」という誤文選択形式で出題される。(一級建築士 令和3年 問98:供試体寸法が小さいほど圧縮強度は大きくなることが出題)
「大きい寸法=欠陥確率が増える=強度が下がる」という因果関係を理解すれば、どちらの問いにも対応できる。