この記事の要点
鉄筋のサイズには「呼び径(D10など)」「公称直径(D10なら9.53mm)」「最外径(リブを含む外径)」の3種類があり、図面では呼び径、構造計算では公称直径を使う。
呼び径がD10・D13・D16と不規則に見える値になっているのは、もともとインチを基準にして1/8インチずつ加えた値をmmに換算した経緯があるためである。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
鉄筋(異形鉄筋)は図面でD10又はD13などと表現します。「D10」などを呼び径と言います。
これも1つの、「鉄筋のサイズ」ですが、鉄筋のサイズは一概に言えないほど沢山あります。
これは異形鉄筋に限った話で、丸鋼はややこしくありません。丸鋼の径が9なら、それが丸鋼のサイズです。
今回は、異形鉄筋のサイズと呼び径の関係について説明します。以降、鉄筋=異形鉄筋と考えてくださいね。
異形鉄筋、丸鋼の意味、特徴は下記が参考になります。
丸鋼とは?1分でわかる意味、規格、サイズ、読み方、重量、材質
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
前述したように、鉄筋のサイズには様々な種類があります。今回は鉄筋のサイズとして3つ説明します。
前述したD10などの呼び径も、1つのサイズです。呼び径は、あくまでも呼称として言いやすく、きれいな数字に丸められています。
まさか「D9.53」と言うわけにはいきませんからね。鉄筋のもう1つのサイズに、公称直径があります。
これは、異形鉄筋のリブを無視した部分の直径です。下図をみてください。このように異形鉄筋は、リブがついています。公称直径とは、このリブ部分を無視した値です。
例えばD10の場合、鉄筋のサイズは実際には10mmではなく、9.53mmとなります。実際に構造計算を行う時、D10の断面積は71m㎡として考慮します。
最後に説明する鉄筋のサイズが、異形鉄筋のリブを含めた鉄筋の最外径です。D10の公称直径は9.53です。リブの高さは片側0.8mmが最大です。つまり、D10の最外径は
と言われています。詳細は下記をご覧ください。
異径鉄筋の最外径とは?1分でわかる値と意味、d19、d22、d25、d41の最外径は?
以上、鉄筋のサイズを3つ説明しました。整理すると、下記となります。
以上が鉄筋のサイズです。種類が沢山あって覚えにくそうですが、実際には呼び径だけを覚えれば大丈夫です。必要に応じて、鋼材表を読めば十分でしょう。
呼び径、直径、外径の意味は、下記が参考になります。
呼び径とは?1分でわかる意味、読み方、内径との違い、φとの関係
では、鉄筋のサイズはどのように決められているのでしょうか。D10は分かりますが、次はD13、D16、D19というように、不思議な値です。
キリが良さそうなD15はなぜないのか、と思いませんか?
これは偶然ではありません。きちんと理由があります。現在用いられているSI単位系は、その昔各国でバラバラの単位を使っていました。
イギリス、アメリカでは「インチ」が主要単位だったのです。
当然、鉄筋もインチを元に寸法が決められていました。1インチをmmに直すと下記の値となります。
この25.4mmを規準に、1/4インチと1/8インチを考えます。それぞれ、
となります。D10の公称直径は9.53mmでしたね。これは、
で決まっています。他の径も、下記の計算で公称直径が決まります。
つまり1/8インチを加えていきます。この計算で、全ての鉄筋径が決まっています。以上、鉄筋径の考え方を分かって頂けたでしょうか。
以上、これまで説明した鉄筋サイズを表に示しました。
鉄筋のサイズを表に示しました。考え方は前述した通りです。D10だからと言って、10mmの鉄筋だと考えないように注意しましょう。
構造計算では、あくまでも公称直径が基本です。
上図の数値をHTMLの表に整理します(JIS G 3112)。
| 呼び径 | 公称直径(mm) | 公称断面積(mm²) | 単位重量(kg/m) |
|---|---|---|---|
| D10 | 9.53 | 71.33 | 0.560 |
| D13 | 12.7 | 126.7 | 0.995 |
| D16 | 15.9 | 198.6 | 1.56 |
| D19 | 19.1 | 286.5 | 2.25 |
| D22 | 22.2 | 387.1 | 3.04 |
| D25 | 25.4 | 506.7 | 3.98 |
| D29 | 28.6 | 642.4 | 5.04 |
| D32 | 31.8 | 794.2 | 6.23 |
| D35 | 34.9 | 956.6 | 7.51 |
| D38 | 38.1 | 1140 | 8.95 |
| D41 | 41.3 | 1340 | 10.5 |
| D51 | 50.8 | 2027 | 15.9 |
実務でよく使われるのはD10〜D25です。D29以上は大断面の柱・梁や橋梁など、特殊な構造部材に用います。
鉄筋にはサイズのほかに、強度を示すSD規格があります。SDはSteel Deformed(異形鉄棒)の略で、後の数字は降伏点の下限値(N/mm²)を表します。SD345なら降伏点が345N/mm²以上という意味です。
| 規格 | 降伏点(N/mm²) | 引張強さ(N/mm²) | 主な適用径 |
|---|---|---|---|
| SD295A | 295以上 | 440〜600 | D10〜D25 |
| SD295B | 295〜390 | 440以上 | D10〜D25 |
| SD345 | 345〜440 | 490以上 | D10〜D41 |
| SD390 | 390〜510 | 560以上 | D10〜D41 |
| SD490 | 490〜625 | 620以上 | D10〜D51 |
一般的なRC造の梁・柱にはSD345が最も多く使われます。SD390・SD490は高強度RC造や超高層建築物で採用されます。
では、様々ある鉄筋のサイズを設計図でどう表現するのでしょうか。これは鉄筋の呼び径で、表現は統一されています。
そもそも「D〇○」と描かれている鉄筋は、異形鉄筋の意味です。また、いちいちリブを表現しません。
前述したように、リブは0.8mm程度で、図面で表現するには小さすぎる寸法だからです。
混同しやすい用語
呼び径(D10など)
呼び径とは、鉄筋のサイズを示す「呼称」であり、D10・D13などと表す。あくまで呼称のため実際の直径とは一致しない(D10の公称直径は9.53mm)。
公称直径はリブを無視した鉄筋の実際の直径を指し、構造計算の断面積算定に使う。呼び径と公称直径は異なる数値である。
公称直径
公称直径とは、異形鉄筋のリブを無視した本体部分の直径のことで、D10なら9.53mm。構造計算における断面積の算定に用いる値である。
呼び径(D10)は図面表記のための名称であり、公称直径(9.53mm)は計算で用いる実測値に近い値で、意味と使い方が異なる。
今回は、鉄筋のサイズについて説明しました。一見、鉄筋のサイズは沢山あるように思いますね。
ただ、図面を描く上で重要なサイズは呼び径ですし、構造計算で必要なサイズは公称直径です。この2つは最低限覚えておきましょう。
呼び径とは?1分でわかる意味、読み方、内径との違い、φとの関係
異径鉄筋の最外径とは?1分でわかる値と意味、d19、d22、d25、d41の最外径は?
異形鉄筋、丸鋼の特徴もぜひ勉強してくださいね。
丸鋼とは?1分でわかる意味、規格、サイズ、読み方、重量、材質
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
この記事の内容を○×クイズで確認する
この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。
意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「D10の公称直径は9.53mm」「構造計算では公称直径を用いる」「呼び径はインチ基準」といった内容が問われることがある。
D10・D13・D16…と値が不規則に見える理由(1/8インチ刻みのmm換算)を理解しておくと、暗記しなくても値を推定できるようになる。