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スランプ試験ってなに?スランプコーンとスランプ値、Fcとの関係

コンクリートの品質を確認する試験に「スランプ試験」があります。このスランプ試験は、コンクリートを打設する前、必ず行います。


今回はスランプ試験とはなにか、スランプコーンやスランプ値、設計基準強度Fcとの関係について説明します。


スランプ試験ってなに?

コンクリートの品質を確認する試験の1つに、スランプ試験があります。では具体的に、スランプ試験で何の品質が確認できるのか。これは、

です。


ワーカビリティとは、施工のしやすさ(作業性)を意味します。ご存じのように、コンクリートは固まる前、粘性のある流動体です(以降、生コンという)。これを型枠に流し込んで、固めるわけですが、配筋されているので、生コンが全体に行き届くよう職人さんが作業します。


しかし、粘性が強い生コンは、全体に行き届かせるよう作業するのが難しくなります。型枠を抜いたとき、万が一にも「コンクリートが無い部分があって鉄筋が剥き出しになった」なんて在ってはいけません。


逆に生コンの粘性が弱い、つまり流動性の高い生コンなら放っておいても、生コンは全体に行き届くでしょう。


以前までは、この「ワーカビリティ」を重視し過ぎていました。とにかく現場の職人さんが作業しやすいよう、流動性の高い生コンだったのです。さらに、現場で作業しやすいよう、生コンに水を加えて、品質を度外視した行為も横行していました。


次にコンクリートの均質性について説明します。コンクリートはセメント、粗骨材、細骨材、水を混ぜた材料です。元々はバラバラの材料を1つに繋ぎ合わせる役目の材料が「セメント」です。前述したように、施工性を重視した流動性の高いコンクリートは、「水が多く、相対的にセメント量が少ない」ので、コンクリートの均質性(セメント、細骨材、粗骨材の一体性)が失われ、それぞれが分離しやすくなります。


前置きが長くなりましたが、スランプ試験とは前述したワーカビリティ、コンクリートの均質性を確認します。では、どのように確認するのでしょうか。

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スランプ値ってなに?

前述した2つの品質は、生コンの流動性が関係しています。そのために、下図の道具を使います。「スランプコーン」というものです。

スランプコーンは、上図のように100〜200mmの円筒になっています。100mm部分の孔から生コンを入れるためです。


下図のように、スランプコーンが満タンになるよう生コンを詰めます。その後、ゆっくりとスランプコーンを引き抜きます(実際には、試験方法が細かく規定されています。これは後述します)。

生コンは粘性があるため、スランプコーンを引抜いた後も、円筒の形状を若干保持します。スランプ値とは、スランプコーンの天端から、引抜いた後の生コンの天端までの距離です。生コンの粘性が高いほど流動性が低いので、スランプ値は小さくなります。


逆に、流動性の低い生コンは、スランプコーンを引抜くと、形状を保てず流れるでしょう。この場合、スランプ値は大きい値です。


つまり、スランプ試験とは前述した2つの品質を、スランプ値で規定するものです。スランプ値は、大きすぎても、小さすぎても問題です。但し、高性能AE減水剤の開発など、水以外でワーカビリティを改善する方法がある現在では、スランプ値は小さい方が良いでしょう。


現在、スランプ値の標準は

とされています。


なお、スランプ値は荷卸し時の値です(生コン工場から現場まで配送し、現場で打設する前)。よって、運搬中の影響を考慮すべきで、試し練で確認するコンクリートの目標スランプは、発注するコンクリートの目標値よりも、やや大きくすることが望ましい、とJASS5に明記されています。


スランプ値の現在と昔

前述したように、特別の理由が無い場合は、18cm以下が標準です。ワーカビリティは、スランプが大きい方が良いですが、スランプが過大になると、粗骨材の分離に繋がります。ブリーディングなど、問題のあるコンクリートになるのです。


以前までは、施工性を重視するあまり、強度や耐久性が度外視される傾向がありました。以前もスランプ値の上限はありましたが、戦前は24cmです。その後、JASS5の改定と共に、スランプ値は次第に小さくなります。


正しいスランプ試験方法

スランプコーンは水平に設置した剛で水密性があり平滑な平板上に置いて押え、試料はほぼ等しい量の3層に分けて詰める。その各層は、突き棒でならした後、25回一様に突く。この割合で突いて材料の分離を生じるおそれのあるときは、分類を生じない程度に突き数を減らす。各層を突く際の突き棒の突き入れ深さは、その前層にほぼ達する程度とする。


スランプコーンに詰めたコンクリートの上面をスランプコーンの上端に合わせてならした後、直ちにスランプコーンを静かに鉛直に引き上げ、コンクリートの中央部において下がりを0.5cm単位で測定し、これをスランプとする。


スランプコーンにコンクリートを詰めはじめてからスランプコーンの引き上げ終了までの時間は、3分以内とする。


まとめ

今回はスランプ試験、スランプ値について説明しました。設計者が直接スランプ試験をチェックする機会は少ないと思います。細かな試験方法は覚えなくても良いですが、コンクリートの、どんな品質をチェックするのか、ざっくりとした概念は覚えておきましょう。

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