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引張、圧縮とは?1分でわかる意味、違い、符号、強度の関係

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引張、圧縮は、荷重や応力の種類です。物を引っ張る方向の力が引張力、押しつぶす方向の力が圧縮力です。今回は引張と圧縮の意味、両者の違いと符号、強度の関係について説明します。※荷重や応力の種類については下記の記事が参考になります。

荷重とは?1分でわかる意味、読み方、種類、応力との違い

応力とは?1分でわかる意味と種類、記号、計算法

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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引張、圧縮とは?

引張、圧縮とは、荷重や応力の種類です。それぞれ下記の意味です。


下図をみてください。赤い矢印の向きが、棒を引っ張る方向です。青い矢印の向きが、棒を圧縮する方向です。

引張、圧縮

物を引っ張る方向の荷重(力)を引張力、押しつぶす方向の力を圧縮力といいます。


棒に引張力を加えると、棒の内部には応力が生じます。これを引張応力といいます。※単に「引張力」ということもあります。同様に、圧縮力を加えると、棒の内部に圧縮応力が生じます。


トラス構造物は、部材に引張力または圧縮力のみ生じるよう部材配置した(三角形に部材を組んでピン接合とした)構造です。詳細は下記の記事が参考になります。

トラス構造とは?1分でわかるメリット、デメリット、計算法

引張力と圧縮力の違い

引張力と圧縮力は、荷重の方向だけでなく、下記の違いがあります。


引張力が作用すると、部材は「伸びる」変形をします。引張力に対して、鋼材は良い力学性能を示します。簡単に言うと、中々壊れません。鋼材の引張力に対する力学性能については、下記の記事が参考になります。

応力ひずみ線図とは?1分でわかる意味、ヤング率と傾き、考察、書き方


一方、圧縮力に対しては、「座屈」という現象が起きます。座屈が起きると、鋼材本来の圧縮強度より低い応力で部材が壊れます。※座屈については下記の記事が参考になります。

座屈とは?座屈荷重の基礎知識と、座屈の種類


引張力に対して、部材は効果的に力を伝達できます。圧縮力を負担する部材は、座屈を考慮して部材断面を選定します。一般的に、引張力を受ける部材より圧縮力を受ける部材の方が、部材の断面積が大きくなります。

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引張と圧縮の符号

一般的に使う、引張と圧縮の符号を下記に整理しました。


トラス構造の応力計算をするとき、梁の反力を求めるときなど、引張と圧縮の方向を間違えないよう注意してください。下記の記事が参考になります。

節点法ってなに?節点法でトラスの軸力を求める方法

引張と圧縮の強度

引張と圧縮の強度は、材料によって違います。鋼とコンクリートの引張強度、圧縮強度を下記に示します。

・コンクリート

引張強度 ⇒ Ft=Fc/10(Fcが24のとき、2.4N/m㎡)

圧縮強度 ⇒ Fc(例えば24N/m㎡など)


Fcとは設計基準強度のことです。詳細は下記の記事が参考になります。

設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味

・鋼

引張強度 ⇒ Ft(例えば400N/m㎡)

圧縮強度 ⇒ Fc= Ft(実は、圧縮強度は引張強度と同じ。但し、座屈の影響で圧縮強度より低い値が許容可能な強度となる)


引張強度については下記の記事が参考になります。

引張強さとは?1分でわかる意味、計算法、単位、降伏点、読み方、記号


上記の値は、材料強度ともいいます。材料強度については下記の記事が参考になります。許容応力度との関係も併せて勉強してくださいね。

材料強度がわかるたった2つのポイントと、許容応力度の関係

まとめ

今回は引張と圧縮の意味、違い、符号などについて説明しました。意味が理解頂けたと思います。引張と圧縮は、単に方向だけの違いではありません。特に圧縮力が作用すると、座屈が起きます。座屈は脆性破壊の1つなので、座屈が生じないよう構造設計することがポイントです。座屈については下記の記事も参考になります。

座屈とは?座屈荷重の基礎知識と、座屈の種類

幅厚比とは?1分でわかる意味、読み方、計算方法と告示の制限

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