この記事の要点
引張、圧縮は、荷重や応力の種類です。
物を引っ張る方向の力が引張力、押しつぶす方向の力が圧縮力です。
この記事では、引張力と圧縮力はどう違うのか、符号・記号(σt・σc)はどう使い分けるのかを整理します。
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引張、圧縮は、荷重や応力の種類です。物を引っ張る方向の力が引張力、押しつぶす方向の力が圧縮力です。今回は引張と圧縮の意味、両者の違いと符号、強度の関係について説明します。※荷重や応力の種類については下記の記事が参考になります。
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引張、圧縮とは、荷重や応力の種類です。それぞれ下記の意味です。
下図をみてください。赤い矢印の向きが、棒を引っ張る方向です。青い矢印の向きが、棒を圧縮する方向です。
物を引っ張る方向の荷重(力)を引張力、押しつぶす方向の力を圧縮力といいます。
棒に引張力を加えると、棒の内部には応力が生じます。これを引張応力といいます。※単に「引張力」ということもあります。同様に、圧縮力を加えると、棒の内部に圧縮応力が生じます。
トラス構造物は、部材に引張力または圧縮力のみ生じるよう部材配置した(三角形に部材を組んでピン接合とした)構造です。詳細は下記の記事が参考になります。
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引張力と圧縮力は、荷重の方向だけでなく、下記の違いがあります。
引張力が作用すると、部材は「伸びる」変形をします。引張力に対して、鋼材は良い力学性能を示します。簡単に言うと、中々壊れません。鋼材の引張力に対する力学性能については、下記の記事が参考になります。
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一方、圧縮力に対しては、「座屈」という現象が起きます。座屈が起きると、鋼材本来の圧縮強度より低い応力で部材が壊れます。※座屈については下記の記事が参考になります。
引張力に対して、部材は効果的に力を伝達できます。圧縮力を負担する部材は、座屈を考慮して部材断面を選定します。一般的に、引張力を受ける部材より圧縮力を受ける部材の方が、部材の断面積が大きくなります。
一般的に使う、引張と圧縮の符号を下記に整理しました。
トラス構造の応力計算をするとき、梁の反力を求めるときなど、引張と圧縮の方向を間違えないよう注意してください。下記の記事が参考になります。
引張と圧縮の強度は、材料によって違います。鋼とコンクリートの引張強度、圧縮強度を下記に示します。
引張強度 ⇒ Ft=Fc/10(Fcが24のとき、2.4N/m㎡)
圧縮強度 ⇒ Fc(例えば24N/m㎡など)
Fcとは設計基準強度のことです。詳細は下記の記事が参考になります。
設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味
引張強度 ⇒ Ft(例えば400N/m㎡)
圧縮強度 ⇒ Fc= Ft(実は、圧縮強度は引張強度と同じ。但し、座屈の影響で圧縮強度より低い値が許容可能な強度となる)
引張強度については下記の記事が参考になります。
上記の値は、材料強度ともいいます。材料強度については下記の記事が参考になります。許容応力度との関係も併せて勉強してくださいね。
材料強度とは?基準強度F値との関係・許容応力度の求め方(コンクリート・鋼材一覧)
混同しやすい用語
引張応力度
引張応力度は材料を引き伸ばす方向の応力で、圧縮とは向きが逆です。
コンクリートは圧縮に強く引張に弱い点が特徴です。
圧縮応力度
圧縮応力度は材料を縮める方向の応力です。
コンクリートは圧縮強度が高く引張強度が低いため、鉄筋で引張を補います。
引張と圧縮を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 引張 | 物を引っ張る方向の力・応力 | 符号:+ |
| 圧縮 | 物を押しつぶす方向の力・応力 | 符号:- |
| 座屈 | 圧縮力により生じる特有の破壊現象 | 引張では生じない |
今回は引張と圧縮の意味、違い、符号などについて説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
引張と圧縮は、単に方向だけの違いではありません。
特に圧縮力が作用すると、座屈が起きます。
座屈は脆性破壊の1つなので、座屈が生じないよう構造設計することがポイントです。
座屈については下記の記事も参考になります。
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引張力と圧縮力の違いは?
引張(ひっぱり)は物を引っ張る方向の力、圧縮(あっしゅく)は押しつぶす方向の力です。引張力が作用すると部材は伸びる変形をした後破断します。圧縮力が作用すると部材が縮む変形及び「座屈」が起きます。鋼材は引張力に良い力学性能を示しますが、圧縮では座屈により本来の圧縮強度より低い応力で壊れるため、圧縮材は座屈を考慮し断面積が大きくなります。
引張・圧縮の符号と、鋼・コンクリートの強度は?
符号は引張=+、圧縮=-です。コンクリートは引張強度Ft=Fc/10(Fc24のとき2.4N/mm2)、圧縮強度Fc(例24N/mm2)で圧縮に強く引張に弱いです。鋼は引張強度Ft(例400N/mm2)、圧縮強度Fc=Ft(実は同じ、ただし座屈の影響で低い値が許容強度となる)です。Fcは設計基準強度です。
