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板の理論を考える前に、「キルヒホッフの仮説」と呼ばれる仮定を考えましょう。
初めは、下図に示すような鉛直力が作用している平板について学習します。まず、キルヒホッフの仮説は以下のように、
仮定1:板がたわんだ後も板の中央面のひずみは0です(中央面存在の仮定)。
よって、この仮定は板の中央面(z=0)にある点はx-y面では変位が生じないことを意味しています。したがって、次式を仮定すると
仮定2:次に、この仮説は式に示した通りxz平面及びyz平面でせん断変形が起きないということ、z軸方向の歪が生じないという意味もっています。
つまり、この式からそれぞれの軸と法線がなす角度は必ず垂直であることを意味し、法線は伸縮などの変形はしないということも意味しています。
です。また、z軸のひずみが0ということは、
ですから、つまりwの式は
です。wをzで偏微分して0ということは、当然、wにはzの関数が含まれていないことを意味します。
仮定3:さらに、三番目としてz軸に関する平板の直応力は生じないという仮説を設けます。
σz=0
を仮説として考えます。
さて、以上の仮説は、よく考えると理論的に矛盾していますよね。例えば仮説2と3を応力とひずみの関係に適用すると、
となり、あきらかに
とは、ならないはずです。また、仮説2でせん断変形は0と考えているので、
となるはずですが、鉛直力が作用しているならば、せん断力は発生しますよね。
この仮説を適用することで、問題が簡単となります。
キルヒホッフの仮説は精密解ではないため、仮説同士で理論の矛盾が発生することがありますが、
私たちが対象とする板に関しては、良い対応を示すということで、そのまま利用されています。
さて、矛盾する仮説2と3がありますが、建築分野では主に、床や壁等の厚さが薄い平板を対象とするので、仮説3を適用します。(平面応力状態と呼ばれていますね。)
まずは、平板に作用する応力について求めましょうか。さて、弾性力学で勉強した応力とひずみの関係式に適用し、z軸方向のひずみを求めます。
となりますね。上式は平板に発生するz軸方向のひずみなので、これを応力とひずみの関係式に代入します。
が得られます。同様の過程により、y方向の応力は、
です。しかし、このままの式では、平板に関する応力を正しく表していません。そうです。ひずみを求める必要がありますね。さて、仮説2においてせん断変形は0でした。よって、
さらに、変位uを求めます。そのためには、積分する必要がありますね。
さらに、仮説2からwはzの関数ではないので、定数として扱います。よって、
となります。また、
ということは、仮説1よりz=0のとき
ですから、
となります。また同様に変位vは、
です。ここで、x,y方向の歪およびせん断ひずみを求めましょう。ひずみテンソルの式から、
ですね。さて、先ほど求めたu,vを代入して、平板のひずみを求めると
です。ここで、歪テンソルと工学ひずみの関係を思い出してください。
ですから、工学ひずみで纏めると
です。ここで得られたひずみを、平板の応力とひずみの関係に代入しましょう。
が得られます。
以上のように、キルヒホッフの仮説を適用した平板には3つの応力度のみが作用し、全てwの関数で表されます。
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