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応力テンソルとは、応力の成分を9方向に拡張した概念のことです。
これまで方向性を持たない量(スカラー)、量と方向をもつベクトルを勉強しました。
ベクトルにはx,y,zの方向がありますが、テンソルは6つの方向を加えて9方向に拡張します。今回は応力テンソルの意味、求め方、せん断応力と垂直応力の関係について説明します。
テンソル、スカラー、ベクトル、応力の意味は下記が参考になります。
応力テンソルとは、応力の成分を9方向に拡張した概念です。構造力学では、基本的に平面の部材について考えました。そのため力の方向(成分)は2方向しかありません。
しかし実際には、部材は立体のためx,y,zの3方向あります。応力テンソルでは、立方体の各面内に沿った成分(6つの方向)+各面内に対して垂直の成分(3方向)の9方向に拡張した応力を考えます。
テンソルを納得するのは時間がかかるかもしれません。「そういうもの」と考えた方が楽です。あるいは、ベクトルで考慮できる成分(方向)を拡張(増やした)した概念と考えても大きく外してないでしょう。
テンソルの詳細、計算方法は下記が参考になります。
また応力の詳細は下記をご覧ください。
任意の物体に外力を加えました。内部に生じる内力は外力と釣り合い状態にあります。
このとき、物体内部の微小な面積要素ΔSを考え、この面の単位法線ベクトルnとします。
この内力を次の式で表します。
上式を応力ベクトルといいます。ここで、Tの頭にnという文字がついていますが、これは微小面積の向きすなわち、法線ベクトルのnの向きに応力ベクトルが依存するという意味です。
さて、物体に対して直角座標系xjをとるとき応力ベクトルは応力成分で示すことができます。よって
です。
また下図のようにx1軸に垂直な面を考えます。
初めに説明したように応力は法線ベクトルに依存しますので、
となります。以上のベクトルはx2, x3の場合も同様に考えることができますので、
です。i=1,2,3ですので
と表すことができます。上記のTjを応力テンソルといいます。前述したように、応力テンソルは9つの方向を持ちます。
応力の記号σを用いると、応力テンソルの式は
となります。この式でσijの、iはi軸に対する垂直な面を意味し、jは応力の方向を表しています。つまり、σ12であれば、「x1軸に対する垂直な面に対してx2軸方向の応力」という意味です。
上式で座表面に対して垂直な応力を「垂直応力」と言います。また、
など、座標面に沿って働くような面内に働く力をせん断応力と呼びます。
以上に示した式は数学的な表記方法ですが、私たちが一般的に使用しているのは工学的な書き方です。
構造力学で習ったような垂直応力やせん断応力はそれぞれ、σ22、σ12または、せん断応力はτxyと書きます。
今回は応力テンソルについて説明しました。意味が理解頂けたと思います。
やや難解な概念ですが、応力を9つの成分に拡張した概念(考え方)と理解すれば良いでしょう。
さらに深く学習したい方はテンソル、応力の平衡方程式など勉強しましょうね。下記が参考になります。
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