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塑性(そせい)とは、物体に力を加えると変形し、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残るような現象です。一方、力を取り除くと「元の形に戻る」ことを「弾性(だんせい)」といいます。建築物の構造部材に用いる材料は「弾性と塑性の両方の性質」を持っています。これを「弾塑性材料(だんそせいざいりょう)」といいます。今回は塑性の意味、靭性、延性、弾性との違い、塑性の対義語、塑性変形能力との関係について説明します。弾性、塑性変形能力など下記も参考になります。
弾性とは?1分でわかる意味、例、塑性との違い、対義語、金属とゴムの関係
弾塑性とは?1分でわかる意味、読み方、材料、弾性と塑性の違い
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塑性(そせい)とは、
「力を加えると変形し、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残る」
ような現象です。一方、力を取り除くと「変形が無くなり元の状態に戻ること」を「弾性(だんせい)」といいます。
例えば、ゴムをイメージしてください。輪ゴムに力を入れると変形はしますが、力を抜くと元の形に戻ります。この性質が弾性です。
下図に塑性と弾性を示します。
弾性の詳細は下記が参考になります。
弾性とは?1分でわかる意味、例、塑性との違い、対義語、金属とゴムの関係
なお、建築物の構造部材に用いる材料は「弾性と塑性の両方の性質」を持っています。これを「弾塑性材料(だんそせいざいりょう)」といいます。
弾塑性とは?1分でわかる意味、読み方、材料、弾性と塑性の違い
代表的な材料が「鋼」です。下図をみてください。応力ひずみ線図といって縦軸に応力、横軸にひずみをとったグラフです。応力ひずみ線図の詳細は下記が参考になります。
応力ひずみ線図とは?1分でわかる意味、ヤング率と傾き、考察、書き方、脆性材料
塑性と弾性をグラフで表すと「降伏点を超えるまでが弾性」で「降伏点を超えてからが塑性」の状態です。
また、弾性状態を超えて塑性状態になることを「降伏」と呼びます。さらに、下の図のように力を取り去っても残る歪を「塑性ひずみ」と呼びます。
塑性と似た用語に靭性、延性、弾性があります。塑性との違いを下記に示します。
塑性 ⇒ 力を取り除いても変形が残る性質
靭性 ⇒ 材料や構造部材、建物の「外力に対する粘り強さ」のこと。靭性の高い建物は急激な耐力低下を起こさない。
延性 ⇒ 材料が破断するまで、よく伸びる性質のこと
弾性 ⇒ 力を加えると変形し、力を取り除くと元に戻る性質
靭性、延性の詳細は下記をご覧ください。
延性とは?1分でわかる意味、読み方、材料、脆性との関係、靭性との違い
塑性の対義語は「弾性」です。弾性の詳細は下記をご覧ください。
弾性とは?1分でわかる意味、例、塑性との違い、対義語、金属とゴムの関係
材料が塑性した後の変形能力を塑性変形能力(そせいへんけいのうりょく)といいます。例えば鋼は塑性した後、十分に伸びたあと破断します。「塑性してから十分に伸びる」とき、材料はエネルギーを沢山吸収しています。よって鋼は塑性変形能力の高い材料です。詳細は下記が参考になります。
鋼材は塑性と弾性の性質がよくわかる材料です。下図に鋼の「応力-ひずみ曲線」を示します。
鋼に引張力を加えていくと、弾性域までは線形的に応力は上昇します。この材料が弾性の性質を示す限度を「弾性限度」と呼び、この点をE点とします。この点で荷重を取り除けば、弾性の性質により変形はおさまります。
次に、フックの法則が成立する限度を「比例限度」と呼び、この点をP点とします。さらに、荷重を加えると弾性状態を超えて塑性状態に移行し、降伏する点を「降伏点」とし、Y点で表します。
※フックの法則に関する詳細な内容は、下記が参考になります。
フックの法則とは?1分でわかる意味、公式、単位、応力、ヤング率の関係
塑性域に達すると応力は低下しますが、応力が一定となり歪だけが増加する「降伏棚(おどり場)」と呼ばれる区間が現れます。
さらに、そこから「ひずみ硬化」と呼ばれる現象が起き、応力が上昇します。さらに、力を加えると最大応力まで達し(M点)、応力が低下して破断します(B点)。
ローマ字で「○点」と表していますが、これは英語の頭文字をとったものです。
「弾性」…Elasticity
「比例」…Proportion
「降伏」…Yield
「最大」…Max
「破断」…Breaking
今回は塑性について説明しました。塑性とは「物体に力を加えると変形し、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残るような状態」です。一方、弾性は力を取り除くと変形も無くなります。塑性と弾性の違いは必ず理解しましょう。
また、特徴を理解したあとは鋼材の種類(SN,SS,SM材)や、鋼材の形状を勉強することをおすすめします。下記の参考記事をまとめました。是非、勉強に役立ててくださいね。
H形鋼とは?1分でわかる意味、規格、寸法、重量、断面係数、材質、用途
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