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引張材の断面算定としては許容応力度に対して検定を行えばよいですが、引張材の接合部に関しては保有耐力設計を行う必要があります。このような接合を「保有耐力接合」と呼びます。
「保有耐力接合」:母材の耐力が十分に発揮されるように「接合部の耐力>母材の耐力」となるように破断の検討を行うことです。
引張材に代表されるのは「ブレース」ですが、ブレースは主に地震による水平力を受け持ちます。このとき、十分に地震力を吸収するためには、接合部が先に壊れては意味がないのです。
よって、保有耐力接合は設計の際、とても重要な概念です。以降では、保有耐力接合の考え方を数式で学び、具体的に設計を行って接合部の図面をつくってみましょう。
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【設計条件】
・高力ボルト(F10T , M24)
・筋違材(2Ls-90-90-10 , SN400B)
・ガセットプレート(SN400B)
※高力ボルト、ガセットプレートは下記が参考になります。
まず、ボルト本数・ピッチ・端空き等を、最小距離を超えるように仮定します。さらに、それぞれの距離はボルト径を基準にして考えます(d:ボルト径)。
・ボルト本数: 3本
・ピッチ: 3d=72(mm)
・端空き、縁空き:1.5d=36(mm)
建築基準法による規定では、破断の検討を以下の式により行います。
ここで、
Aj:接合部の破断形式に応じた接合部の有効断面積(mm2)
σu:接合部の破断形式に応じた接合部の破断応力度(N/mm2)
Ag:筋違材の全断面積(mm2)、F:筋違材の基準強度(N/mm2)
a:安全率(炭素鋼は1.2 , ステンレス鋼は1.5)
です。以上の式から、それぞれの破断形式に関して検討し接合部を設計します。
破断の規定式を満たしていないので、ボルト本数を増やし計算を行います。
ファスナーとは高力ボルトのことです。下記が参考になります。
a)筋違材の場合
以上より、
・端空き変更後の計算(36→48)
以上より、
b)ガセットプレートの場合
以上より、
破断の規定式を満たしていないので、端空きを変更し計算を行います。
以上より、
以上より、
溶接の基礎知識は下記が参考になります。
以上より、
破断の規定式を満たしていないので、溶接部の長さを変更し計算を行います。
・溶接部の長さ:220→280mm , 170→230mm
以上の破断耐力のうち最小値が接合部の最大強さなので、Pu=967kN
以上のように破断の検討を行い、接合部の設計を行いました。寸法等を纏めると以下のようになります。
・ボルト本数: 5本
・ピッチ: 3d=72(mm)
・端空き、縁空き:2.0d=48(mm)
・溶接部の長さ:280,230(mm)
保有耐力接合の条件を検討しましたので、接合部の図面を描いてみましょう。下図はjwcadでスケール=1/5で描いたものです。皆さんも、様々な部材で設計してみましょうね。
今回は、ブレース接合部の保有耐力接合について説明しました。今回の説明で理解できなかった方は下記が参考になります。より具体的に、保有耐力接合の計算を説明しています。
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