この記事の要点
「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」は鋼材の厚さで区分されます。
鋼材厚さ6mm未満が軽量鉄骨造(プレハブ住宅等)、6mm以上が重量鉄骨造(事務所・商業施設等)です。
「どちらが頑丈か」という疑問をよく受けますが、用途に応じた設計がされているため単純比較はできません。
このページでは軽量鉄骨造と重量鉄骨造の定義・鋼材厚さの区分・用途・コスト・耐震性を比較表で整理します。
この記事では、軽量鉄骨造と重量鉄骨造はどう違うのか、板厚の基準はどれくらいか、用途と耐用年数はどう異なるのかを整理します。
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軽量鉄骨造は厚さ6mm未満の鉄骨部材(軽量鉄骨)を用いる構造、重量鉄骨造は厚さ6mm以上の鉄骨部材(重量鉄骨)を用いる構造です。
実は、鉄骨造は軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があるのです。一般の方の中には「えっ?そうなの?」と思った人も多いと思います。
今回は
など解説します。
軽量鉄骨造と重量鉄骨造の大きな違いは、板厚です。
軽量鉄骨の場合、板厚は6mm未満で
の板厚です。一方、重量鉄骨の板厚は9mm、12mm、16mmのように、軽量鉄骨と比べると倍以上も大きくなります。
板厚の大小は部材の構造性能に影響します。では、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の特徴をそれぞれ解説します。
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軽量鉄骨造とは、厚さ6mm未満の鉄骨部材(軽量鉄骨)を用いる構造です。軽量鉄骨造は2~3階建てのアパート、戸建て住宅などに用いられます。
軽量鉄骨は板厚が薄いので、名称通り軽量な鉄骨部材を用います。ただし、軽いということは部材断面が小さいということで、断面性能(構造性能)が低いのです。
建物の耐震性は断面性能が大きいほうが高いですから、軽量鉄骨造は耐震性が低いといえます。
しかし、それは重量鉄骨造と比較しての話であり、軽量鉄骨造でも法律の耐震性を満足する建物は設計されています。
軽量鉄骨造例えば、ハウスメーカーが建売している軽量鉄骨アパート等です。軽量鉄骨造に使われる柱や梁はCチャンネルと呼ばれる厚みや断面が小さい部材です。
軽量鉄骨造のメリットは下記の通りです。
軽量鉄骨造は重量鉄骨造と比べると安価(コストが低い)です。軽量鉄骨は構造部材が軽量な分、建物全体の重量も小さくなります。
建物全体の重量が小さくなれば、重量を支える基礎、基礎下の地盤改良なども少なく済みます。一般に軽量鉄骨造の方が重量鉄骨造と比べて1~2割ほど坪単価が安価です。
また、軽量鉄骨造は品質が一定で、製作や組み立てなどが規格化されているので工期が短い傾向にあります。
とくに軽量鉄骨造の場合、規模の小さな建物に採用されるので、骨組みだけであれば1週間もあれば立ち上がるほど工期は短いです。ちなみに工期が短いほど組立に要する人件費も減りますので、建築費用は安価になります。
軽量鉄骨造のデメリットは下記の通りです。
軽量鉄骨の柱は弱いので、重量鉄骨造と比べて柱本数が多く必要です。そのため、空間を広くとることができないことや、間取りを自由にできません。
また、軽量鉄骨造の材料は「鋼(※鉄では無い!)」なので、鉄筋コンクリート造と比べると耐火性は落ちます。
軽量鉄骨の部材断面には下記があります。
上記の中でも「リップ溝形鋼」は、重量鉄骨造の二次部材として用いることも多く、建築業界では「Cチャンネル」ともいいます。
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重量鉄骨造とは、厚さ6mm以上の鉄骨部材(重量鉄骨)を用いる構造です。重量鉄骨造は4階建て以上の非住宅系の建物で多く採用されます。
たとえば
等があります。
重量鉄骨は重い鉄骨を意味します。重い鉄骨部材なので、部材断面が大きいのです。部材断面が大きいため、断面性能も大きくなります。
簡単にいうと「かたくて強い」のです。
当然、断面が大きいほうが耐震性は高いですよね。ですから重量鉄骨造で設計した方が耐震場は有利な建物になります。
重量鉄骨造のメリットを下記に示します。
重量鉄骨の部材は「かたくて強い」ので、建物に必要な柱本数を減らすことができます。柱を減らすほど間取りは自由に、空間は広く取れますね。
また、重量鉄骨はかたくて強いので、規模の大きな建物に採用可能です。規模の大きな建物になると大きな外力が作用しますが、重量鉄骨の部材は断面性能が高いので対応できます。
軽量鉄骨造と比べると重量鉄骨造のデメリットはあまり無いですが、しいていえばコストが高い点です。
ただし、重量鉄骨造は軽量鉄骨造と比べて柱本数(部材数)を減らすことも可能なので、大きくコストアップになる訳では無いです。
重量鉄骨の部材断面には下記があります。
上記の中でも、角形鋼管とH形鋼は頻繁に用います。柱を角形鋼管、梁をH形鋼とするラーメン構造は多くの建物に採用される構造です。
参考までに各鉄骨造の法定耐用年数を下記に示します。
混同しやすい用語
軽量鉄骨造
鉄骨の板厚が6mm未満の建物で、主にアパートや小規模建物に使われます。法定耐用年数は板厚によって19年または27年です。
重量鉄骨造
鉄骨の板厚が6mm以上の建物で、主にビルや大型建物に使われます。法定耐用年数は34年で、より高い強度と耐久性を持ちます。
| 項目 | 軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 |
|---|---|---|
| 板厚 | 6mm未満 | 6mm以上 |
| 主な用途 | アパート・小規模建物 | ビル・大型建物 |
| 耐震性 | やや低い | 高い |
| コスト | 低い | 高い(基礎も大きくなる) |
| 法定耐用年数 | 19年または27年(板厚による) | 34年 |
今回は軽量鉄骨像と重量鉄骨造の違いについて特集しました。
覚えて欲しいのは、軽量、重量鉄骨造ともにきちんと構造計算すれば安全であることです。
一方で、軽量鉄骨造の場合、安全性の確認が難しいことや部材の断面性能が低いデメリットもあります。
逆に重量鉄骨造は断面性能が大きいので耐震性は高いです。しかし、重量が重いので基礎が大きくなったりコストが高くなります。
私たちが住むアパートやマンションが、軽量鉄骨造か?重量鉄骨造か?は求める耐震性とコストについて決めたいですね。
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