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鉄骨部材には「ウェブ」または「フランジ」という用語があります。建築業界では当たり前の用語なので、違いや役割を理解したいですよね。
今回はウェブとフランジの役割、違いや特徴、覚え方について説明します。ウェブとフランジが接合する部分には、フィレットがあります。
フィレットの意味は、下記が参考になります。
建築のフィレットとは?1分でわかる意味、鉄骨、フィレット部、ウェブフィレット
ウェブとフランジで構成する代表的な鋼材が、H形鋼です。詳細は下記が参考になります。
H形鋼とは?1分でわかる意味、規格、寸法、重量、断面係数、材質、用途
先に意味を説明すると、ウェブとフランジは、鉄骨部材のある部分を指した言葉です。
ウェブとフランジの違いは、図を見てもらった方が早いでしょう。各形鋼のウェブとフランジの違いを示しました。
また覚え方ですが、
と考えると覚えやすいです。主要な鉄骨部材を3つ紹介します。図を見ながら、覚えましょう。
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下図の鉄骨部材をH型鋼と言います。見た目は「I型」にも見えますが、後述するI型鋼とは別物です。
上図のようにローマ字のHに似ているので、この名称が付けられています。H形状の二本線をフランジと言います。上方向にあるフランジは上フランジ、下にあるなら下フランジとです。
さらに、2枚のフランジに挟まれた部分をウェブと言います。
※H形鋼は下記が参考になります。
H形鋼とは?1分でわかる意味、規格、寸法、重量、断面係数、材質、用途
h形鋼のウェブとは?1分でわかる意味、サイズの見方、役割は?
次にI型鋼です。下図の形状をI型鋼といいます。H型鋼と似ていますが別物で、最大の違いはフランジの幅。
H型鋼は、比較的フランジ幅が広いですが、I型鋼はフランジの幅が狭く、ウェブ高さが大きいため「I」という形状に近いです。
H型鋼と同じく、上下の位置関係を示すために上(下)フランジという使い分けをします。I形鋼は下記が参考になります。
i形鋼とは?1分でわかる意味、規格、断面係数、h形鋼との違い、用途
溝形鋼は下図のように、H形鋼を真ん中で切ったような形状です。余談ですが溝型鋼は「チャンネル材」と呼ばれています。
前述した鉄骨部材と同じく、二本線の部分がフランジです。そして二本のフランジに挟まれる部分をウェブといいます。
※溝形鋼に関しては下記が参考になります。
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次にウェブとフランジの役割について説明します。建築では、よく建物の梁にH型鋼を使います。例えば、赤矢印の向きで荷重が作用したときを考えてください。
感覚的にかなり強そうですよね。下図は強軸の向きに荷重が作用しています。
では次に下図をみてください。この向き(弱軸の向きといいます)で赤矢印の向きに荷重が作用します。
一体どちらが強いでしょうか。もちろん前者の場合です。これは構造的に何を意味しているのかといえば、断面二次モーメントの違いです。
強軸、弱軸、断面二次モーメントの意味は、下記の記事が参考になります。
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式
つまり、フランジは曲げモーメントに対して強いのです。H型鋼に曲げモーメントが作用した場合、ほとんどフランジで曲げ応力を負担します。
例えば下図に示す2通りの部材を考えます。
左側は普通のH型鋼、右側はウェブを抜き上下フランジのみとした部材です。実際には右側の部材は有り得ませんが仮想的に、両者の断面二次モーメントを計算します。
すると、両者の断面二次モーメントは1~2割程度しか違いが無いのです(つまり、ウェブなし部材は、H型鋼の8~9割程度のIとなる)。
これは8,9割がたフランジで曲げに抵抗することを意味します。
よって、フランジの役割とは「曲げモーメントを負担すること」です。
ではウェブの役割は何か。ウェブはせん断力を負担します。H型鋼は、曲げモーメントはフランジで負担し、せん断力はウェブで負担する合理的な部材なのです。
前述した説明を理解すれば、ウェブの板厚とフランジの板厚どちらを大きくすべきかわかります。
曲げモーメントに対する抵抗力を高めたいのなら、フランジ厚を大きくします。一方、せん断力に対する抵抗力を高めるなら、ウェブ厚を大きくするのです。
ウェブとフランジ、互の役割と特徴を知って合理的な部材設計を行いましょう。
今回はウェブとフランジの違いについて説明しました。特に覚えて欲しい項目は下記です。
また主要鉄骨部材のフランジ、ウェブがどの部分か覚えておきましょう。下記も合わせて勉強しましょうね。
h形鋼のウェブとは?1分でわかる意味、サイズの見方、役割は?
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式
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