建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 鋼構造の基礎 > SS,SN,SM材とは?

SS,SN,SM材とは?

この記事の要点

SS材・SN材・SM材は用途が異なる鋼材で、SN材は建築大梁向けの降伏比規定付き、SM材は溶接性特化、SS材は汎用的だが主要構造部には使えない

SS材は二次部材には使用できるが溶接性が悪く大梁には不可で、SN材は建築の主要部材に義務的に用いられる新しい規格の鋼材である。

この記事では、SS材・SN材・SM材とは何か、それぞれどう違うのか、建築主要部材にはどれを使うのかを整理します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


日本の建築物に使用できる構造材料は数種類しかありません。鋼(スチール)、RC、木材、アルミニウムです。


その中でも鋼(スチール)は最も安定した工業製品です。木材は変形しやすく温度収縮します。


RCは複合材料なのでひび割れやクリープ現象が起きます。しかし、鋼は力を加え続けても弾性域なら変形しません。


そのため、鋼は多くの工業製品で汎用的に用いられます。とても多様性のある材料と言えるでしょう。


今回は鋼の『材質』に着目してSN材、SM材、SS材について特集します。SS400、SN400の規格、特徴は下記が参考になります。

SS400とは|密度7.85・規格・成分・板厚

SN400Bとは?1分でわかる規格、SS400との違い、重量、H形鋼との関係

建築で使う材質は主にSN材、SM材、SS材。

まずスチールはSN材、SM材、SS材に分けられます。頭文字のSは紛れも無く「スチール」を表しています。


それ以降の記号がどういう意味をもっているか知っていますか?


一番最初に出来ていた鋼材がSS材とSM材でそれぞれ「一般構造用鋼材」、「溶接構造用鋼材」を表しています。なぜかというと、


SM材・・・二番目のMは、"Marine"(船)を意味します。これは鉄板を加工して製作していた船体に使う材料であった理由からです。

曲面は溶接して繋げる必要があったからですね。うーん…覚えにくい。


SS材・・・二番目のSは、"structure"(構造)を意味します。一番覚えやすい。


SN材・・・二番目のNは、"new"(新しい)を意味します。昔、建築で使われていたSS材に変わって、新しい建築用の鋼材という意味です。

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

どうやって使い分けるか?

これらの材質をどうやって使い分けますか?大梁や小梁で使い分ける?

SS材

SS材は最も汎用的に用いられます。しかし、建築では主要な部材に用いません。『主要な部材』とは大梁です。大梁は必ずSN材を使います。


一方で、二次部材はSS材を用います。二次部材は弾性設計のみですから降伏比の規定がないSS材でも使えます。


但し、溶接部材には使えません。SS材は溶接性が悪いのです。SS材の規格、特徴は下記が参考になります。

SS400とは|密度7.85・規格・成分・板厚

SN材

SN材は比較的新しい材料です。大梁に用いられます。SN材は降伏比や降伏耐力の上限を規定します。


降伏点が高ければ高いほど良いじゃないか?』と、思うかもしれません。が、現在の耐震設計は、大事地震時に部材の塑性変形を利用したエネルギー吸収を期待します。

SN400Bとは?1分でわかる規格、SS400との違い、重量、H形鋼との関係


つまり、部材の耐力にばらつきがあるのはダメです。『壊れると想定していた部材』がいつまで経っても壊れず、


『壊れないで欲しい部材』が早い段階で崩壊してしまうからです。SN材は溶接性も問題ありません。


前述したように、SN材の降伏比や降伏耐力の性質については下記が参考になります。

降伏比とは|引張強度に対する降伏点の割合と設計上の意味


また、SN材はダイアフラムと呼ばれる接合部材に使います。SN材の性質を上手く利用した部材の1つです。下記が参考になります。

ダイアフラムはなぜ必要か?覚えるべきたったの3つの種類と特徴

SM材

SM材は溶接性に優れた材料です。例えば、梁同士を剛接合にしたいとき溶接します。


溶接は部材同士を一体化する技術です。が、溶接性が悪いと溶接不良の原因となります。そのため、SS材は使えません。


主に片持ち部材は、SM材、SN材が使われます。

sm400とは?1分でわかる規格、特徴、成分、材質、ss400との違い

混同しやすい用語

SN材

建築構造用の新しい鋼材(Nはnew)で、降伏比と降伏耐力の上限が規定され塑性設計に対応している。

SS材に対して、SN材は化学成分や降伏比の管理が厳しく大梁などの主要構造部材に使われる。

SS材

一般構造用鋼材(Sはstructure)で汎用性が高いが、降伏比の規定がなく溶接性も劣る。

SN材に対して、SS材は二次部材や弾性設計のみの部材に限られ、大梁への使用は認められない。

SM材

溶接構造用鋼材(Mはmarine)で溶接性に優れるが、SN材のような降伏比の規定がない。

SN材に対して、SM材は建築での主要部材使用は減少しており機械・プラント分野で使われることが多い。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験ではSS材・SN材・SM材の使い分けと、大梁にSN材を使う理由(降伏比規定・塑性設計対応)が頻出です。

「頭文字の意味(S=スチール、N=new、M=marine、S=structure)」と使用箇所をセットで覚えると定着しやすいです。

SS材・SN材・SM材の特徴比較

種類記号の由来主な用途溶接性降伏比規定
SS材S=structure(構造)二次部材(胴縁・小梁)劣る(溶接不可)なし
SN材N=new(新しい)大梁・主要構造部材良いあり(降伏比・降伏耐力上限)
SM材M=marine(船)溶接部材・片持ち部材優れるなし

まとめ

今回は材質の概要を説明しました。この程度理解すれば材質の使い分けが理解できると思います。


鋼材には、他にも色々な種類があります。下記も参考にしてくださいね。

鋼材の種類は?種類一覧・用途と材質の特徴・記号(SS・SN・SM材の違い)

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

この記事の内容を○×クイズで確認する

この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。

意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

ゼロ所長の構造力学問題集で確認する

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > SS,SN,SM材とは?
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事