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コラム(冷間成形角型鋼管)とは何か?

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鉄骨造の柱で最も一般的な形状が、『角型』です。これを『コラム』と呼ぶこともあります。コラムとは英語で『column』で原義は円柱のこと。日本で使われている意味とは少し異なりますね。また、コラムは冷間成形角形鋼管ともいいます。今回は、柱として最も一般的な鋼材『コラム(冷間成形角形鋼管)』について紹介します。


※鋼管の種類は下記が参考になります。

鋼管の種類は?1分でわかる種類、特徴、記号、重量

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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コラム?角型鋼管?

実は、コラムと呼ぶ人もいれば角型鋼管と呼ぶ人もいます。両方意味は通じます。なぜ統一しないのか?実は、意味が全く違うからです。これを鋼材メーカーも使い分けています。例えばJFEスチールが発行している『鋼構造設計便覧』の鋼材リストを見ましょう。


すると『JFEコラム』と『角型鋼管』という2つの言葉が明記されています。良くみると、『STKRの製品は角型鋼管』、それ以外を『コラム』と使い分けていました。


※STKRの特徴は下記が参考になります。

STKR材の規格が丸わかり!一般構造用角形鋼管のサイズと断面性能

コラム=BCR、角型鋼管=STKR

STKRの正式名称は、一般構造用角型鋼管です。この材質は昔から製造されてきた、JIS規格品です。一方、BCRやBCPは『冷間成形角形鋼管』と呼ばれる大臣認定品です。


実は、コラムとはBCR、BCPのこと。角型鋼管はSTKRを意味していたのです。BCR、BCPの特徴は下記が参考になります。

BCR295の規格が丸わかり!BCR材のサイズと断面性能、重量、STKR

bcp325とは?1分でわかる規格、重量、溶接性、許容応力度、角部の半径r


現在、鉄骨ラーメン構造の柱はほとんどがコラムです。また、梁はH型鋼を用いています。※H型鋼は下記を参考にしてください。

H形鋼とは?1分でわかる意味、規格、寸法、重量、断面係数、材質、用途


以前は安かったSTKRも、近年は採用されるケースが減ることでコラムとの価格が逆転しました。

BCR、BCPの違いは?

簡単に理解できるコツがあります。両者で大きく違うのは製造過程です。これは、


・BCRのRは『ロール』を意味する。

・BCPのPは『プレス』を意味する。


です。BCR、BCPの規格は下記が参考になります。

BCR295の規格が丸わかり!BCR材のサイズと断面性能、重量、STKR

bcp325とは?1分でわかる規格、重量、溶接性、許容応力度、角部の半径r

ロール製造とプレス製造

ロール製造とは鋼板を冷間加工して一度、円柱にします(もちろん円柱にするため溶接して円にします)。


しかし、このままでは『角型』にはなりません。そこで四ヶ所から平(たいら)になるようにサイジングします(この過程をサイジングと言います)。これが、ロール製造です。


一方プレス製造は、初めに鋼板を『コの字』にプレスして冷加工します。『コの字』を2つ組み合わせて溶接すれば角型になりますね。これがプレス製造です。

そもそも冷間成形って何?

冷間という言葉をみると鋼を冷やして加工しているみたいです。でも、これは違います。鋼は塑性変形します。弾性状態を超えた時、『ぐにゃー』と曲がるのです。熱を加えなくてもこの現象は起きます。


この塑性変形したのが冷間加工で、『熱を加えず常温で加工している』ということです。なお、塑性の性質が曖昧な人は、下記が参考になります。

塑性変形とは?1分でわかる意味、読み方、塑性加工、降伏点、弾性変形との違い

まとめ

コラムは柱材として最も一般的な材料です。普段何気なく使っている材料でも歴史を調べると、色々問題があって辿り着いた材料だなあと思います。特に、ロールとプレスの製造過程は理解しておくとBCRとBCPの違いがイメージしやすいですよ。下記も併せて学習しましょう。

STKR材の規格が丸わかり!一般構造用角形鋼管のサイズと断面性能

冷間成形角形鋼管設計施工マニュアルとは?1分でわかる内容、目次、最新版


また、わかりやすい鉄骨の構造設計は、僕も1冊持っている鋼構造の本です。内容が分かりやすく、学生と実務初心者にもおすすめです。

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