この記事の要点
座屈とは、圧縮力を受ける細長い部材が荷重に耐えきれず急激に横方向へ変形・崩壊する現象で、強度よりも部材の長さ・断面形状・材質(ヤング係数)によって座屈荷重が決まる。
座屈荷重Pcrはオイラー式(両端ピン:Pcr=π²EI/L²)で求められ、部材が短いほど・断面二次モーメントが大きいほど大きくなる。
建築基準法では細長比の上限が柱200・梁250以下と定められており、座屈による耐力低下は脆性的で一気に崩壊するため特に注意が必要である。
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鋼という素材は引張・圧縮強度と共にRCを大きく上回る材料です。例えば、圧縮強度で比較しても10倍近く鋼の方が高い値なのです。ですから、RC柱だったら600角必要なところを1/10にして60mmくらいにしたいところですが、そう簡単にはいきません。
※鋼材の圧縮強度は下記が参考になります。
鋼材の圧縮強度は?1分でわかる意味、値、基準強度、許容応力度、座屈との関係
その1つの理由が「座屈」という現象があるからです。座屈荷重の求め方は当サイトでも紹介しましたが、座屈荷重Pcr(例えば両端ピンの場合)は、下式となります。
Pcr=πEI/(L2)
この式が意味することは、座屈荷重とは「外力が関係ない」ということです。少し不思議な気もしますが、外力に対して座屈荷重が決まるわけではなく、ヤング係数と断面二次モーメント、座屈長さLによって求めることができるのです。
※座屈、外力の意味下記が参考になります。
外力とは?1分でわかる意味、読み方、応力や内力、反力との違い、摩擦力との関係
ここで、座屈長さは両端の境界条件で異なってきますが、端的に言えば部材が短いほど座屈荷重は大きくなります。逆に部材が長ければ長いほど座屈荷重は小さくなります。
つまり、座屈荷重とは部材の長さと形状、材質で決まっており、ひょろ長い部材ほど注意しなければならないのです。このことから、強度が高くても断面を細くしすぎることはできないというわけです。
また、細長比の規定については、柱は200以下、梁は250以下とすることという規定が建築基準法で設けられています。
※細長比の意味は下記が参考になります。
座屈による耐力の低下は、非常に脆性的です。鋼材自体は降伏した後も靭性(粘り強さ)を発揮して耐力を保持してくれますが、座屈が発生した部材は嘘のように一気にぐにゃっと崩壊します。よって、私たちはこのような耐力低下に気をつけなければなりません。
混同しやすい用語
座屈荷重 vs 許容圧縮応力度
座屈荷重(Pcr)は部材が突然変形を起こす臨界荷重で、外力の大きさに直接関係せず部材の形状・材質・長さで決まる。許容圧縮応力度はその座屈荷重をもとに安全率を考慮して設定された設計上の上限値。「強度が高ければ細くしてよい」と混同しやすいが、座屈は強度ではなく剛性(EI)で支配される点に注意。
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試験での問われ方|管理人の一言
座屈は「強度」の問題ではなく「剛性と細長さ」の問題です。実務では細長比λ(=座屈長さ/断面二次半径)が大きいほど座屈しやすいので、柱断面を選ぶ際はλの上限(柱200以下)を必ず確認しましょう。