建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > ダイアフラムはなぜ必要か?覚えるべきたったの3つの種類と特徴

ダイアフラムはなぜ必要か?覚えるべきたったの3つの種類と特徴

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


現代建築のほとんどはラーメン構造という構造形式を採用しています。ラーメン構造は、柱と梁が接合される部分(仕口と言います)を一体化した構造です。


このとき問題になるのが、「柱と梁をどうすれば一体化できるか?」ということ。先に答えを言えば、上記の問題を解決する部材が「ダイアフラム」です。


今回は、そんなダイアフラムがなぜ必要か、さらにたった3つのダイアフラムの種類と特徴を説明します。下記の記事も参考になります。

通しダイアフラムとは?内ダイアフラムとの違い、メリット、板厚、材質は?

ダイアフラムに孔が空くときの検討方法とは?

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

ダイアフラムがなぜ必要になるのか?

冒頭で説明したように、ダイアフラムは柱と梁を一体化するために必要な鋼板のことです。一般的なラーメン構造は、柱を角型鋼管、梁をH型鋼とします。


なぜかというと、角型鋼管は断面に方向性がありません。つまり、どの方向から地震力が作用しても断面性能に違いが無いのです。この性質は柱にとって好都合です。また角型鋼管は、H型鋼のような開放型断面に比べて断面性能も高い。そのため柱は角型鋼管が用いられます。


梁はH型鋼を用いますが、やはり梁として断面性能が高いこと、納まりが良く鋼材量が減るために用いられます。


さて、柱が角型鋼管で梁がH型鋼の場合、両者が接合される部分の拡大図を描くと下記のようになります。


そのまま柱に梁のフランジやウェブを溶接することも可能です。しかし、そのまま一体化しても力は上手に伝達されません。


なぜなら柱が中空なので、梁に力が作用すると柱が押しつぶされてしまうわけです。


そのため鋼管の内側、あるいは外側には、鋼管が潰れてしまわぬようダイアフラムを付けます。


ダイアフラムには3つの種類がある、と書きました。これは鋼管の内側か外側に付くのか、という違いで、柱と梁を一体化する、および中空の鋼管が潰れないためという目的は同じです。


ダイアフラムには、SN490Cという鋼材を用います。SN490Cの特徴は、下記が参考になります。

SN490Cとは?1分でわかる規格、厚さ、重量、特徴、SN490Bとの違い

ダイアフラムの種類と特徴

ここではダイアフラムの3つの種類について説明します。

通しダイアフラム

通しダイアフラムは、現在最も主流な方式です。納まりが簡単で明快な点が好まれています。下図をみてください。


角型鋼管ををぶつ切りにして、ダイアフラムを取り付けます。ダイアフラムと鋼管は突合せ溶接により一体化されます。さらに、ダイアフラムと梁のフランジを突合せ溶接で一体化します。


これが通しダイアフラムと呼ばれる形式です。ダイアフラムは厚い鋼板とし、梁フランジ厚の2サイズアップが原則です。通しダイアフラムの詳細は下記も参考になります。


通しダイアフラムとは?内ダイアフラムとの違い、メリット、板厚、材質は?

通しダイアフラムの厚みを決定する方法

内ダイアフラム

次に内ダイアフラムです。この形式は、鋼管の内側にダイアフラムを溶接する方法です。下図を見てください。


内ダイアフラム形式にすると、見た目はスッキリするのですが、ダイアフラムを鋼管内部に溶接するので少し面倒ですね。

外ダイアフラム

外ダイアフラムは、溶接が面倒なこと力の伝達が難しいなど、積極的に採用されない方法です。下図を見てください。


鋼管外側周囲とダイアフラムを一体化し、ダイアフラムと梁フランジを一体化する方式です。御覧の通り、ダイアフラムの断面積(オレンジの部分)は、先に説明した方式よりも少ないですね。


そのため、外ダイアフラムはダイアフラムが大きくて不格好な納まりです。

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

ダイアフラムの納まりで注意すべき点

ここではダイアフラムの納まりで注意すべき点を2つまとめました。

梁に段差がある場合

梁に段差がある場合、ダイアフラムの納まりに注意が必要です。下図を見てください。


梁に段差がある場合、梁段差の距離Δtの大きさが重要です。一般的には100~150mm以上無ければ内ダイアフラムの溶接ができないと言われています。要するに、中途半端な梁段差はダメ。段差をつけるなら極端につけるべきです。


このように鉄骨造では、納まりによって梁断面が左右されることもあります。内ダイアフラムを入れることが困難な場合、ハンチを付けます。ハンチの詳細は、下記が参考になります。

ハンチってなに?現役設計者が教えるハンチの目的と種類

斜めの梁をダイアフラムで受ける場合

もう1つ注意したい点は、斜めの梁を受けるダイアフラムです。ダイアフラムの厚みは、梁フランジの2サイズアップと説明しました。一般的な納まりの場合、その通りですが斜め梁を受けるなら、少し様子が違います。下図を見てください。

梁が斜めで、ダイアフラムは水平の向きです。そうなると、梁フランジの板厚は見かけより大きくなります(ちくわを真っすぐ切るのと、斜めに切るのでは、長さが違いますよね?)。


そのためダイアフラムを余分に厚くしないと、梁フランジを受けきれないのです。

まとめ

今回はダイアフラムの納まりや注意点を説明しました。今回の記事を読めばダイアフラムの概要は一通りマスターできると思います。通しダイアフラムの厚みの設定など、下記も勉強すると良いですね。

通しダイアフラムの厚みを決定する方法

ダイアフラムに孔が空くときの検討方法とは?

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 鋼構造の基礎 > ダイアフラムはなぜ必要か?覚えるべきたったの3つの種類と特徴
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事