建築学生が学ぶ構造力学

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圧縮材の断面算定

この記事の要点

  • 圧縮材の断面算定では、許容圧縮応力度(fc)を用いるが、fcはF/1.5の単純計算では求められず、座屈を考慮した告示式(細長比λに依存する式)により算定する必要がある。
  • 部材の細長比(座屈長さ÷断面二次半径)が大きいほど座屈荷重は小さくなり、fcも低下する。実験値はオイラー理論値より低く、元たわみ・残留応力を考慮した式が使われる。
  • 圧縮材の検討はσc(作用軸力÷断面積)≦fc(許容圧縮応力度)を満足させることが基本であり、細長比の上限(柱200、梁250)も確認が必要である。

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圧縮材の断面算定について学習しましょう。


以前、圧縮材の設計では座屈に注意する必要があることを説明しました。そして、座屈荷重とは部材の長さと断面形状によって決定されます。下式で表しましたね。


Pcr=πEI/(L2)


※下記が参考になります。

座屈現象について


この式の変数に適当に数字を与えてグラフを描いてみるとこんな図になります。



X軸が座屈長さです(一般的には細長比で表現します。座屈長さだけだと断面形状の影響がわからないからです。今回は、模式的に見てもらいたいので無視します。部材形状は丸柱で100mmと考えます)。縦軸が座屈荷重となります。


このようにオイラー座屈荷重の理論式では、座屈長さが短いほど座屈荷重は大きくなるため、要するに座屈しにくくなることがわかります。一方、座屈長さが1000mmを超えたあたりから、急激に座屈荷重が低下し、それよりも長い部材だとほとんど座屈荷重がありません。


※座屈長さ、細長比、オイラー座屈の意味は下記が参考になります。

細長比と座屈長さ、断面二次半径の関係

オイラー座屈とは?座屈荷重の計算式と導出方法



一方、当時の座屈研究ではオイラー座屈の理論式よりも実験式による座屈荷重は小さいということが分かっています。


これには様々な要因が明らかになっていますが、例えば元たわみといって部材が元々歪んでいるために耐力が低かったこと、鋼材を作る工程で残留応力が残っていたことなどが挙げられます。


※元たわみ、残留応力の意味は下記が参考になります。

元たわみとは?1分でわかる意味、英語、座屈、初期不正の関係

残留応力とは?1分でわかる意味、読み方、英語、H形鋼、溶接との関係


ですから、元たわみを考慮したオイラー座屈式も提案されており、その式だと、そこそこの精度で理論式とあってくるようです。但し、それでも実験の値が低くなる場合もあるため、そこに安全率1.5を見込んで設計式が考えられました。


圧縮材の設計では、この座屈荷重を上回らないように部材断面の決定する必要があります。


以上のように、圧縮材の検討式は下式となります。



σとは部材に作用する応力度です。圧縮材に作用する軸力をN、部材の面積Aで割ると求めることができます。


さらに、圧縮材の検討で注意することは、fcの算定です。fcは単純にF/1.5=156で求めることができるわけではありません。告示式を用いるならば、細長比を算定しておいて求めなければなりません。告示式の説明をするとこの記事には納まりきらないので、また追々説明したいと思います。


ともかく、圧縮材の検討では許容圧縮応力度の算定が必要であること、それは単純にF/1.5では求めることはできず座屈を考慮した式により算定するということを覚えておいてください。


※fc、許容圧縮応力度の意味は下記が参考になります。

設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味

許容圧縮応力度とは?1分でわかる意味、求め方、鋼材の値、コンクリートの値

混同しやすい用語

許容圧縮応力度(fc) vs 許容引張応力度(ft)

許容引張応力度はft=F/1.5で計算できるが、許容圧縮応力度fcは座屈の影響で細長比(λ)が大きくなるほど低下するため、告示式で算定が必要。両者の計算方法が異なる点を混同しやすいので注意が必要。

試験での問われ方|管理人の一言

圧縮材の設計で最も重要なのはfcの算定です。λ(細長比)を求めるためには座屈長さと断面二次半径が必要です。座屈長さは両端条件(ピン・固定)で変わるので、接合部の拘束状態を正確に判断して計算しましょう。

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