この記事の要点
引張材(ブレース等)の断面算定は、有効断面積(棒鋼では断面積の0.75倍)を用いた引張応力度が許容引張応力度以下であることを確認する。
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日本で主に使用されている建築材料は、木、鋼、RCですが、その中でも鋼は引張力に非常に強いという特性を持っています。その特性を良く活かした引張材で一番ポピュラーな部材は「ブレース」です。良く見かける棒上のブレースは「ターンバックル付きブレース」と言い、あんなに小さな断面積しか持っていないにも関わらず、1本で車数台を吊るすことが出来る耐力を持っています。
一方、これだけ細いブレースだと当然、圧縮力に対しては耐えることができません。ですから、タスキ掛けといって、棒上のブレースを×の形で取り付けるのが一般的です。(地震は一方向だけではなくて、左から右及び右から左へ作用するからです。)ただし、ブレースをアングル材やチャンネル材、H鋼等の圧縮力にも耐えることが出来る部材を使うのであれば、×型にする必要はないため、片側だけにブレースを取りつけます。
さて、では実際に構造設計で引張材はどんな設計をする必要があるでしょうか。考えてみましょう。また、接合部についての検討は、当サイトの「許容応力度に関する検討」、「保有耐力接合」等をご覧ください。ここでは、部材の検討について説明します。
許容応力度の設計方法は、皆さんご存じのように部材に作用する応力度が許容応力度以下であることを確認する必要があります。許容応力度とは、材料のF値(この場合引張耐力)を1.5で除した値ですから、一般的なSS400材であれば、F=235なので、許容応力度ft=156です。次に、断面算定の確認する式は、
です。σtとは部材に作用する応力度ですから、ブレースに作用する軸力Nをブレースの断面積Aで割ると求めることができます。ここで注意することが1点あります。それは、Aは単純な断面積ではないということです。Anは有効断面積と言って、棒状ブレースなら、単純な円の公式から算定される断面積に0.75倍した値を用います。
なぜかというと棒状ブレースの場合、ネジ部では呼び径(M16なら16mm)よりも切り欠いてあるからです。そのため、実際の断面積よりも実情は小さくなっています。よって、An=0.75Aの値を用います。また、棒状ではなくアングル材のブレースだとしても、アングル材はガセットプレートに止めるために、必ず高力ボルトで穴が開いていますから、その穴の欠損分断面積を低減して用いる必要があります。
このへんの話はまた追々したいと思います。
混同しやすい用語
有効断面積
有効断面積とは、断面積からネジ部の欠損や高力ボルト孔の欠損を差し引いた、実際の耐力計算に使用する断面積のこと。
断面積が部材の全断面を指すのに対して、有効断面積は欠損を考慮した値であり、棒状ブレースでは断面積の0.75倍を用いる。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では、引張材の断面算定において「有効断面積は断面積の0.75倍」という点と、許容引張応力度(ft=F/1.5)の使い方が問われます。棒状ブレースとアングル材で欠損の考え方が異なる点も押さえておきましょう。