この記事の要点
形状係数とは、建物の平面的・立面的なバランス(耐震要素のバランス)を表す値です。
記号はFesです。
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形状係数は、建物のバランスを表す用語です。似ている用語で応力集中係数(形状係数ということもあるが、建築では使わない)があります。後者の意味で調べた方は、下記が参考になります。
今回は、形状係数の意味と計算方法について説明します。
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形状係数とは、建物の平面的・立面的なバランス(耐震要素のバランス)を表す値です。記号はFesです。Fesに関するポイントは次の2つです。
後述しますが、形状係数は必要保有水平耐力と大きく関係します。ざっくり言うと、建物に必要な耐力(必要保有水平耐力)は、バランスが悪いほど(形状係数が大きいほど)、「大きくなる」のです。
詳しくは下記が参考になります。
必要保有水平耐力の算定方法と意味がわかる、たった3つのポイント
さて、建物の形状を表す数値には、「偏心率」と「剛性率」がありました。偏心率と剛性率については下記が参考になります。
実は、形状係数はこれらの値を元に算出します。それでは実際に、形状係数の計算をしてみましょう。
形状係数は下式で計算します。
Fesは形状係数、Fsは剛性率に応じた値、Feは偏心率に応じた値です。FsとFeは下記のように計算します。
Fsの計算
Rsは剛性率です。Rs=0.6(高さ方向のバランスが良い)場合、割増はありません。上記の値は1.0≦Fs<2.0の範囲となります。。
Reは偏心率です。Re=0.15以下のとき、割増係数はかかりません。上記の値は1.0≦Fe<1.5の範囲です。
例えば、Fs=1.5で、Fe=1.5とします。このとき形状係数Fesは、
Fes=Fs×Fe=1.5×1.5=2.25
です。またFesの値は上限があり、1.0≦Fes<3.0と規定されています。つまり、いくら偏心や剛性率が小さくても、形状係数は3.0がマックスです。よって建築基準法的には、Fesを乗じた必要保有水平耐力を満足していればOKなのですが、やはりバランスの良く耐震要素を設けるが基本です。
前述したように、形状係数は必要保有水平耐力と関係します。建物に必要な耐力(必要保有水平耐力)は、バランスが悪いほど(形状係数が大きいほど)、「大きくなる」と説明しました。これを数式で示すと下記となります。
Qunは、必要保有水平耐力、Dsは構造特性係数、Fesは形状係数、Qudは各階の地震時水平力です。※構造特性係数については下記の記事が参考になります。
つまり、Fesが大きいほど大きな耐力が必要になりますね。Fesが小さくなるよう耐震要素はバランスよく配置したいものです。
混同しやすい用語
形状係数(Fes)
建物の平面・立面的なバランスを表す係数で、Fes=Fs×Feで算定する。値が大きいほどバランスが悪く、必要保有水平耐力が増大する。
偏心率(Re)
建物の重心と剛心のずれの比率で、平面バランスを表す値。Re≦0.15で形状係数の割増なし、Re≧0.3でFe=1.5(最大割増)となる。
剛性率(Rs)
各階の剛性のばらつきを表す値で立面バランスを示す。Rs≧0.6で形状係数の割増なし、Rs<0.6でFsが大きくなり必要耐力が増す。
形状係数(Fes)の計算に関する値を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| Fs(剛性率係数) | Rs≧0.6のとき1.0、Rs<0.6のとき2.0-Rs/0.6 | 1.0≦Fs<2.0 |
| Fe(偏心率係数) | Re≦0.15のとき1.0、Re≧0.3のとき1.5 | 1.0≦Fe≦1.5 |
| Fes(形状係数) | Fes=Fs×Fe | 上限3.0 |
今回は形状係数について説明しました。形状係数の意味を理解しましょう。前述した2つのポイントは、一級建築士の問題でも問われることがあります。下記も併せて学習しましょう。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
形状係数(Fes)に関する問題は建築士試験の構造分野で出題されます。定義と計算の両面から理解しておきましょう。
形状係数(Fes)の定義・適用条件・計算式は建築士試験の構造分野で出題される基本事項です。
用語の定義を正確に理解したうえで、関連する規準・法令との関係を整理することが大切です。