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ラーメン構造とは、柱と梁が交わる部分(接合部)を一体化して、力による変形を抑えた構造形式です。空間を広く活用できるため、マンションや公共建築物など様々な建物に利用されています。
通常、四角形は三角形と比べて安定性の低い形です。よって、柱と梁を一体化しないと、水平力により変形が大きくなります。つまり、ラーメン構造は"柱と梁を一体化すること"が最も重要です。
ラーメン構造は、柱と梁をだけで構成されるので空間を広く使えるメリットがあります。
今回は
等について説明します。※ラーメン構造以外の架構には、トラス構造やアーチ構造などがあります。下記の記事が参考になります。
純ラーメン構造とは?1分でわかる意味、特徴と利点、ブレース構造、耐震壁構造との違い
ラーメン構造は、柱と梁の接合部を一体化(剛接合)して、力による変形を抑えた構造形式です。なお、剛接合は部材同士を一体化させる接合方法です。剛接合の詳細は下記が参考になります。
下図をみてください。これがラーメン構造です。
ラーメン構造の、構造的な大きな特徴は
です。
通常、四角形は三角形と比べて安定性の低い形です。よって、柱と梁を一体化しないと、水平力により変形が大きくなります。
上図のように柱と梁を一体化しなければ(ピン接合の場合)、水平力に対して変形が大きくなり構造として成立しないでしょう。
ラーメン構造の良さは、柱と梁だけでつくれることです。シンプルな構造なので、施工、設計が簡単になります。さらに、柱と梁だけの構造のため「広い空間」をとることが可能です。
下図のように、ブレース構造はブレースが邪魔をして空間に制限があります。一方、ラーメン構造は空間を最大限活用できますね。
筋交いをいれたブレース構造と比べると、ラーメン構造の方が空間の使い方に自由度があることが理解できます。
よって、マンションや公共建築物など、一般的な建物は、ラーメン構造の採用が多いです。近代建築における最も一般的な構造形式です。空間が有効活用できる分、
など意匠的なメリットも多いです。
ラーメン構造の由来は、ドイツ語の「Rahmen」です。Rahmenは、日本語で「枠、額縁」という意味があります。英語では、フレーム構造といいます。
確かに、ラーメン構造は建物という箱を構成する「枠」つくるイメージに似ています。
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剛接合とは、部材同士を一体化するような接合です。2つの部材を1つの部材と同等扱えるように一体化するため、当然、接合部は強固に固定されています。
構造的にいうと
接合部です。
鉄骨造の柱と梁を剛接合にする場合、下図のようにダイアフラムという厚板と柱、梁を"突合せ溶接"等を行い一体化します。
ピン接合は、部材同士を"繋がっているだけ"とイメージすると良いでしょう。ピン接合部は、曲げる力に抵抗できません。力が加わると抵抗できずに回転します。
ピン接合よって、柱と梁をピン接合しただけだと地震のような水平力により倒れてしまいます。そのためピン接合の場合は「筋交い」や「ブレース」が必要です。
なお、ピン接合の場合、ガセットプレートと高力ボルトで留めます。
ラーメン構造の他にも様々な構造形式があります。代表的な構造形式を下記に示します。
それでは、ラーメン構造以外の各構造を詳細に解説します。
壁式構造とは、壁で力に抵抗する(建物を支える)構造です。上図のように、壁、屋根、床で四角い箱をつくるイメージです。
壁式構造のメリットを下記に示します。
壁式構造のデメリットを下記に示します。
ラーメン構造の場合、柱と梁の断面が大きくなりやすいため、室内に
が見えることが多いです。よって、室内に凹凸がある部分を確認できればラーメン構造です。
一方、壁式構造は壁だけで構成されるので室内に凹凸が無く、すっきりとした印象を受けるでしょう。
ブレース構造とは、柱と柱の間にブレースという斜め材を取り付けた構造です。木造では"筋交い"といいます。斜めにいれたブレースが地震による水平力に抵抗します。
ブレース構造のメリットを下記に示します。
ブレース構造のデメリットを下記に示します。
基本的にブレース構造はラーメン構造と比較して、意匠的な制限の多い構造です。
ブレースの有無を確認すればラーメン構造かブレース構造かすぐに判断できます。なお、ブレース構造は
等に用いられることが多いです。3階建て以上のマンションでは重量鉄骨造のラーメン構造、あるいは、鉄筋コンクリート造のラーメン構造が採用されます。
トラス構造は、部材同士を三角形に組んでつくる構造です。また、部材同士はピン接合とします。トラス構造の部材には軸力しか作用しないので、トラス構造は力に強く、変形は小さいです。
よって、トラス構造は体育館、ドームの屋根など大空間に採用されます。
トラス構造のメリットを下記に示します。
トラス構造のデメリットを下記に示します。
ラーメン構造は、空間を広くとれるメリットがあります。しかし、当然デメリットもあります。メリットとデメリットに分けて説明します。
メリットは下記です。
空間が広い、開口が自由に開けられるメリットがあります。また、ラーメン構造は最も普及している構造形式です。施工、加工が難しくないので工事がスムーズに進みます。
同様に、構造設計も難しくありません。ブレース構造や、トラス、アーチ構造と比べて、検討項目も少ないです。よって、構造設計の初学者が最初に担当する構造形式ですね。ラーメン構造の計算法については下記の記事が参考になります。
上記のメリットから、今後もラーメン構造は普及していく構造形式でしょう。
デメリットは下記です。
実は、ラーメン構造は構造的なデメリットが目立ちます。例えばブレース構造と比較すると、ラーメン構造のほうが、部材が大きくなります。これは地震時に作用する曲げモーメントの影響です。ブレース構造は、地震力をブレースが負担するので、曲げモーメントはほとんど生じません。
よって所定の耐力を満たすため、柱や梁を大きくします。構造部材が大きいと、構造部材の費用が高くなりますね(但し、全体の費用としては安いまたは同等になる場合も有り)。
また地震による変形が大きくなりやすいです。ブレースや耐震壁を設けた構造は、とても固いです。下図を見てください。四角形と三角形を横に押した場合、どちらが固そうですか?三角形ですよね。
上図の通り、ラーメン構造はけっして固い構造ではないのです。ブレース構造、トラス構造の意味、特徴は下記が参考になります。
前述で、「変形しやすい」「部材が大きくなりやすい」と説明しました。しかし、ラーメン構造の耐震性には影響ないでしょう。実は、「変形しやすいこと」はデメリットであると同時に、メリットでもあるのです。
「暖簾に腕押し」「柳に風」という言葉をご存知ですか。柳は柔らかいので、強い風が吹いてもちぎれることが無いですね。ブレース構造や耐震壁付きの構造と比べると、ラーメン構造は「柔らかい構造」です。
地震時は、柔らかいので変形が大きいですが、変形した分、地震エネルギーを効果的に吸収できます。変形が大きくても、効果的にエネルギーを吸収出来れば、耐震性に問題ないのです。
エネルギーは、力×変形です。下図をみてください。ラーメン構造とブレース構造を比較すると、構造的な特性は違いますが、耐震性の優劣は一概にいえません。
ラーメン構造を使った建築物の例は下記があります。
まず、一般的な建物ではマンションです。お住いのマンションで天井を見上げてください。部屋の途中や外壁にブレースはないですよね。ベランダ側には大きく窓があるはずです。ラーメン構造の特徴の1つです。
次に有名建築物でいうと、世界遺産にも登録された「国立西洋美術館」です。これはル・コルビュジェという世界的な建築家が設計した建物です。ラーメン構造の特徴を活かした建築物です。東京都にあるので、ぜひ訪れてみましょう。
もう1つはファンズワース邸です。設計はミ-ス・ファン・デル・ロ―エが担当しました。ラーメン構造の特徴を活かし、外壁をガラス張りとすることで、透明感のある空間を演出しています。ラーメン構造をデザインとして活かした構造です。
今回はラーメン構造について説明しました。ラーメン構造は、空間が広いこと、施工が簡単など、メリットが多いです。
一方で、構造的なデメリットもあります。もちろん、構造設計では所定の変形量以下にし、所定の耐力を満足させているのでご安心ください。下記、他の構造形式の記事も併せて参考にしてくださいね。
純ラーメン構造とは?1分でわかる意味、特徴と利点、ブレース構造、耐震壁構造との違い
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