建築学生が学ぶ構造力学

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力の分解とは|計算方法・ピタゴラスの定理による求め方と合力との関係

この記事の要点

斜め荷重が作用する部材の設計では、水平成分と鉛直成分に分解して考えることが出発点になる

三角関数をつかわなくてもピタゴラスの定理で解ける場合もあり、状況に応じた使い分けが大切だ。

この記事では力の分解の意味・計算方法・ピタゴラスの定理を使った求め方・合力との関係を解説する。

力の分解は力の合成の逆操作であり、斜め方向に作用する力を水平成分・鉛直成分に分解することが構造力学の計算で頻繁に使われる基本操作である。

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力の分解は、構造力学や構造計算の実務で必要な考え方です。


下図をみてください。力P3が作用しています。P3は既知、P1とP2を未知数と考えます。



P3を上図の角度で分解し、P1とP2をP3の形で表してみましょう。


αは作用する合力の角度を表し、また、P1とP2の間をなす角度はθです。「力の合成」で勉強したように、力の合力とは図のように平行四辺形を作ったときの対角線です。


※合力、力の合成は下記が参考になります。

合力とは?読み方・求め方と角度計算・分力との関係(図解)

力の合成とは?計算方法・合力と平行四辺形の関係(ベクトルの合成の基礎)


なぜなら、力は大きさと方向を持っているので(難しく言えばベクトル)、単純に大きさを足し算するだけではダメです。


よって、1つの力(P3)と等しい効果を表す2組の力(P1とP2)を求めます。



対角線の長さを求めるために、点線と矢印で直角三角形を作ります。直角三角形をつくれば、ピタゴラスの定理より斜辺の長さが分かります。


※ピタゴラスの定理は下記が参考になります。

ピタゴラスの定理とは?建築・構造計算でよく使う3:4:5の関係と証明


底辺の長さはP2とP1 cos(θ)を足したものです。また高さは、三角関数の関係からP1 sin(θ)ですね。

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演習問題

力を図に示す座標の方向へ分解せよ。2組の力が作用する間の角度は45°, 30°である。

解答例

先ほど一般的な問題を解いているので、それぞれ式に必要な数値を代入すれば分解を求めることが出来ます。よって、



となります。


注意することは、単純にcos、sinに角度を代入して分解を行わないことです。合力で説明したように、力の大きさと方向を考える必要があるためです。


よって、まず平行四辺形(特別の形として四角形)を考えて、図のように力を分解するのです。


まずは、上記に示す一般的な問題を解いてから、演習問題を行いましょうね。下記も参考になります。

合力とは?読み方・求め方と角度計算・分力との関係(図解)

力の合成とは?計算方法・合力と平行四辺形の関係(ベクトルの合成の基礎)

混同しやすい用語

力の分解(分力)

力の分解とは、1つの合力を指定方向の2つの分力に分ける操作で、平行四辺形の対角線(合力)から各辺(分力)を求めることに相当する。

力の合成は複数の力を1つにまとめる操作であり、力の分解は1つの力を複数に分ける操作で、方向性(まとめる vs 分ける)が逆である。

力の合成(合力)

力の合成とは、2つ以上の力を「等しい効果をもつ1つの力(合力)」にまとめる操作で、平行四辺形の対角線として合力の大きさと方向を求める。

力の分解は合力(1つ)を分力(複数)に分ける操作であり、合成(複数→1つ)とは逆の操作であるが、両方とも平行四辺形の法則を使う点は共通している。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では「斜め荷重の水平・鉛直成分への分解」や「特定の方向に分解したときの分力の値を三角関数で求める」形式の計算問題が出題される。

力の分解は単純に cosθ・sinθ を掛ければよいとは限らず、分解する方向に注意が必要なため、平行四辺形をまず図示してから計算に進む癖をつけよう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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