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支点とは?わかりやすい意味【図解】

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支点とは、力(重さ)を支える点です。力を支えるとは、言い換えるなら「力が作用しても動かない(移動しない)」ことを意味します。


支点は三角形の図で表すことが多いです(※支点の種類によって図示の方法は変わる)。

支点

支点と力

「それだけの意味?」と思われそうですが、支点の意味としてはこれだけです。


ではなぜ支点の意味を理解できない人が多いのでしょうか。それは

からと考えます。


まずこの記事を読んだあなたに是非覚えて頂きたいことは

ということです。


支点は構造力学の物事を考えやすくするための道具です。実際の建物に「上図に示した三角形のものが付くわけでは無い」です。


今回は支点がわからなくなった人に、支点の意味を図解でわかりやすく解説します。なお、支点には反力が作用します。下記も参考になります。


反力ってなに?反力の求め方と支点反力

支点を理解すれば構造力学が分かる

支点とは?

支点とは、力(重さ)を支える点です。


支点はあくまでも「重さを支える部分をモデル化(理想化、単純化)したもの」で、支点は三角形の図で表すことが多いです(※支点の種類によって図示の方法は変わる)。

支点

実際の建物に、上図の支点が取り付くわけでは無いので注意しましょう。


さて、支点を理解するためには「力を支える」ことの物理的な意味から理解します。


構造力学における「力を支える」とは、力が作用しても「動かない(移動しない、変位が無い)」ことを意味します。


よって、支点に力が作用しても「支点は動かない」のです。


下図に示す白い三角形の支点をピン支点といいます。ピン支点は鉛直方向、水平方向の「力を支える」支点です。

支点と変位

よって、ピン支点を鉛直・水平方向に押しても、引いても全く動きません


以上に示した支点の性質を使えば、梁や柱などの構造部材に力が作用しても「動かないように」できるのです。


簡単な例を示しましょう。


たとえば支点を2つ用意して、その上に梁を乗せて力をかけます。支点が2つあれば梁に作用する力を支点が支えることでバランスします。


支点が動かないお陰で、力が作用しても梁も動きません。よって、梁が十分にかたく強いという前提で、梁の上を歩いたりできます。

支点と力1

上図は最も簡単な梁構造という構造形式の1つで、お箸を茶碗の上に置くのと考え方は同じです。


お箸が梁、茶碗の縁を支点と考えてください。茶碗の縁は動かないので、お箸の重さを支えているのです。

お箸と茶碗、支点と力

もう1つ身近な例を出します。引越しのとき荷物をダンボールにつめて運びますよね。このとき、多くの人はダンボールの荷物を「両手で持って」運ぶと思います。


荷物が落ちてはいけないので両手は動かないようシッカリ持ちますよね。つまり、両手は力を支える支点の役割を果たしています。

荷物と腕、支点と力

これも前述した梁構造における支点と力の関係と同様です。


以上のように、支点は「力を支える点」で、支点に力が作用しても「動かない(移動しない、変位が無い)」のです。

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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支点が無くなるとどうなるの?

支点が無くなると「力を支えられなく」なるので、部材は移動や回転します。


前述した、荷物と荷物を持つ両手の関係に置き換えるとわかりやすいですよ。荷物を持つ両手の片方の手を離してみるとどうなりますか?荷物は床に落ちますよね。


構造部材も同じです。支点が無ければ、梁に作用する力を支えられず落下してしまいます。

荷物と腕、支点と力

もしかしたら片手だけで荷物を持てる人もいるかもしれませんね。同様に、後述する「固定支点」は、支点が1つだけでも力を支えることができます。


ただし、当然ですが、最低でも支点が1つ無いと力を支えられません。

支点は何をモデル化したもの?

支点は、構造部材を支持する部分をモデル化(単純化)しています。


建物における「支持する部分」は様々です。たとえば建物の基礎があります。


基礎は柱と接続し、柱に集まる力(重さ)を支える部材です。つまり、基礎は柱にとっての支点です。

基礎と支点

さらに、基礎の下には地盤があります。地盤が柔らかいと、いくら基礎が柱にとっての支点とはいえ一緒に沈んでしまいます。


よって、基礎が支点の役割を果たすには、強固な地盤が必要です。


建物は、地面の上に建てられています。しかし別の見方をすれば、地面に支えられているということです。


また、下図に示す大梁と小梁の関係では、小梁は2本の大梁と接続し支えられています。つまり、小梁にとっての支えの役割(支点)は大梁になるので大梁が支点になります。

支点のモデル化

以上のように支点を考える場合、支える部材と支えられる部材の関係を考えましょう。わからなくなったら、前述の身近な例を思い出してください。


身近な例として、私は机と物の関係を説明します。


机をみてください。4つの足が床の上に立ち、机の上の物を支えます。机の足が柱、天板を簡単のため梁と考えます。


このとき、机の足を支える部分は「床」であり、床が柱にとっての支点です。

机と物の関係

支点の種類

支点には下表に示す3つの種類があります。


表 支点の種類

支点の種類<

それぞれの支点の意味を解説します。

ローラー支点

ローラー支点水平方向は自由に移動、回転方向は自由に回転しますが、鉛直方向は移動しない支点です。ローラースケートのような支点をイメージ頂けるとわかりやすいです。


ローラー支点


水平方向にはスイスイ動いてしまう支点ですが、鉛直方向には動きません。また、回転方向は自由に動きます。


回転は文字通り物体がある軸を中心にクルッと回ることです。回転の意味が分からない方も多いと思うので実験してみましょう。


机の上の端っこにペンの先部分を置いてください。


ペンは自分の重さに耐えられず床に落ちると思いますが、ペンはクルッと回転するように落ちます。

物体の回転

これが「回転方向に自由に移動する状態(回転が自由な状態)」です。


さて、ローラー支点をモデル化すると下図となります。後述するピン支点、ローラー支点は白三角だけでなく、白丸で表すことも多いです。

ローラー支点モデル化

ローラー支点モデル化2


となります。

ローラー支点とは?1分でわかる意味、具体例、モーメントとの関係、ピン支点との違い

ピン支点

ピン支点は、水平方向と鉛直方向は移動しないで、回転方向の移動のみ自由な支点です。

ヒンジ(ピン)支点


ピン支点をモデル化すると下図となります。

ヒンジ(ピン)支点モデル化

ヒンジ(ピン)支点モデル化


となります。


ピン支点、ローラー支点は構造力学の初級編ではよくつかう支点です。

ピン支点とは?1分でわかる意味、モーメント反力との関係、ローラー支点、固定支点との違い

固定支点

固定支点は、水平方向、鉛直方向、回転方向の移動ができない支点です。全ての移動ができない支点と考えてください。

固定支点

固定支点をモデル化すると下図となります。

固定支点モデル化

固定支点を身近に再現する方法があります。ペンの先だけを机の上に載せ、手でペンをギュッと押さえてください。


このときペンは床に落ちないはずです。これは、固定支点が回転の移動も拘束するためです。

まとめ

今回は支点の意味について、わかりやすく図解しました。


支点とは、力(重さ)を支える点です。力を支えるとは、言い換えるなら「力が作用しても動かない(移動しない)」ことを意味します。


支点の意味だけでなく、支点の3つの種類の特徴も理解しましょう。また、本記事では解説を省略しましたが、支点には反力が生じます。


反力の意味は下記が参考になります。

反力ってなに?反力の求め方と支点反力

境界条件とは?1分でわかる意味、種類と例、はりとの関係

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