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トラス構造とは?1分でわかるメリット、デメリット、計算法

トラス構造は、主に大スパン構造(体育館やドーム、橋)などに利用される構造形式の1つです。下図をみてください。これはトラス構造を利用した橋です。このように部材同士を三角形につなぎ合わせた構造形式が「トラス構造」です。

(写真元:写真素材 足成さんから引用)


今回は、そんなトラス構造の仕組み、メリット、デメリット、計算法、トラス構造の種類について説明します。また、トラス構造とラーメン構造の違いを説明します。

トラス構造とは?

トラス構造は部材同士を三角形につなぎ合わせた構造形式です。また、部材同士の節点はピン接合にします。※ピン接合に関しては下記の記事が参考になります。

剛接合とピン接合の意味と、納まりと構造性能の違い


トラス構造は、なぜ強いのでしょうか?三角形は四角形に比べて「強い」構造です。試しに、紙で三角形と四角形を作ってみください。指で押してみると、四角形は簡単に変形します。一方、三角形は堅いはずです。この性質を利用したのが、トラス構造です。

三角形と四角形の違い

また、トラス構造の節点はピン接合です。部材の両端がピン接合で三角形のため、外力を加えても軸力しか発生しません。部材は曲げモーメントよりも軸力で伝える方が効率的です。


以上の性質を活かして、トラス構造は大空間構造(体育館やドーム)や、長い橋梁に利用されます。 例えば名古屋ドームの屋根はトラス構造です。※トラス構造は、様々な橋に利用されます。下記の記事が参考になります。

橋の構造とは?5分でわかる全12種類の名称、特徴、強度、構造計算


下図に示す京都駅アトリウムは原広司さん+アトリエファイ建築研究所の意匠設計で、構造設計は 木村俊彦さんと金箱構造設計事務所による設計です。軽快でスレンダ―なトラス構造ですよね。

(写真元:写真素材 足成さんから引用)


トラス構造の特徴を、下記に整理しました。覚えておきましょう。

トラスの種類とトラス橋

「トラス」は、三角形の組み方により沢山の種類に分けられます。最も一般的なトラス構造が、ワーレントラスです。下図に示します。

ワーレントラス橋

トラスの種類が良く分かる構造物が、トラス橋です。建築物は、天井や壁に隠されて構造材が見えません。トラス橋は、構造部材がそのままトラス構造を表現するので一目瞭然です。


下図は、プラットトラス構造です。

プラットトラス

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トラス構造のメリット

トラス構造のメリットを考えます。トラスは部材の接合部をピン接合にします。且つ、三角形の形状であるため、部材には軸力しか発生しません。

トラスとラーメン構造の違い

例えば四角形に力を作用させます。すると、四角形は力を受けて曲がってしまいます。一方、三角形は力に対して「曲がる」ではなく、「縮む」又は「伸びる」ような変形をします。「曲がる」という変形が起きる部材には、曲げモーメントが作用しています。しかし、「縮む、伸びる」変形には軸力しか作用していません。


同じ大きさの部材でも、曲げモーメントが作用する部材と、軸力のみ作用する部材では、後者が圧倒的に有利です。つまり、軸力のみ作用する部材は効率的な断面が選定できます(部材を小さくできる)。※詳細は下記の記事が参考になります。

効率が良い断面形状


以上、トラス構造のメリットを下記に示します。

 

トラス構造のデメリット

トラス構造はメリットの大きな形式ですが、下記のデメリットもあります。

・施工が面倒

・トラス架構としての「せい」が大きい


1つは施工が面倒と言う点です。トラス構造は、上弦材、下弦材、束材、斜材という部材が必要です。部材が交錯する点は、どうしても接合部が複雑になりがちです。


2つめは、トラス架構としての梁せいが大きい点です。下図をみてください。トラス構造は、各部材に作用する応力は小さいのですが、その分、高さを大きくします。一般的な構造物では、階高に制約があるためトラス構造は採用できないのです。

トラス梁のデメリット

トラス構造の計算方法

ではトラス構造に作用する部材力(応力)は、どのように計算するのでしょうか。計算方法は、下記のように2つあります。


それぞれ下記の記事が参考になります。是非、勉強に役立ててくださいね。


さて今回は、節点法を使って下図のトラスに作用する部材力を計算します。※とても簡単なトラスについて解きます。少し複雑な形状や、詳細な解き方は上記の記事を参考にしてください。

トラスに作用する部材力

まず反力を計算します。外力は下向きにPなので、反力Rは下記です。

斜材の部材力をN1、水平材の部材力をN2とします。節点法は、節点周りの外力と応力の釣り合いから未知数を解く方法です(外力=応力になる関係)。


また部材力は「引張力として作用している」と仮定します。別に圧縮力として仮定しても良いのですが、一応そういう慣習です。つまり引張力が作用する部材は「正の値」、圧縮力が働く部材は「負の値」です。


N1を鉛直、水平成分に分けます。正三角形なので1:2:√3の関係より鉛直成分は、


次に水平材の部材力N2を計算します。水平方向に外力は作用していません。よって、N1との釣り合いを考えます。

です。以上のように、斜材は圧縮力が、水平材には引張力が「圧縮力の半分だけ」作用します。部材に曲げモーメントが一切作用しませんね。

トラス構造とラーメン構造の違い

トラス構造とは逆の考え方の構造形式が、ラーメン構造です。下図をみてください。

ラーメン構造

ラーメン構造は、柱と梁を剛接合することで柱と梁を一体化します。一体化すれば、地震が来ても柱と梁が一体として抵抗するので強くなります。


普通、四角形は弱い形ですが、上記の工夫(剛接合)をすることで立派な耐震構造となります。ラーメン構造は空間を広く取れる(斜材が無い)ので、現在、ほとんどの建物に採用されています。※剛接合については下記の記事が参考になります。

剛接合とピン接合の意味と、納まりと構造性能の違い


またラーメン構造については下記の記事が参考になります。

ラーメン構造物とは


以上、ラーメン構造の特徴は下記の通りです。

まとめ

今回は、トラス構造の特徴や利点について説明しました。トラス構造の仕組みなどが理解頂けたと思います。仕組みを理解したあとは、是非、トラス構造の計算方法に進みましょう。下記の記事も併せて参考にしてください。

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