この記事の要点
坂茂(ばんしげる)氏は、紙管(紙でできた管状の部材)を構造材として使う「紙の建築」で世界的に知られる建築家です。
軽量で加工しやすい紙管は災害時の仮設住宅にも活用されており、環境への配慮と革新的な構造アイデアを兼ね備えた建築として注目されています。
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(以下http://www.shigerubanarchitects.com/引用・再構成,追加)
紙の建築「紙」を建築の構造体として用いることは、全く新しい試みだったと思います。
紙と聞いて私たちが想像するのは、ノートやメモ帳に利用しているものですよね。
当たり前ですが、水がかかれば、ふにゃふにゃになって物を支える能力は到底ありません。
しかし、ここでの紙は「紙管」と呼ばれる材料で、いわゆるトイレットペーパーの芯を想像してもらえれば、理解できると思います。
あれならば、ある程度の重量を支えることができそうですよね。
しかし、実際の建物となると、少し不安が残ります。
ただ、紙管を用いた紙の建築は、私たちの住まいとして想定されたものではありません。
紙の建築は坂茂さんが、マイノリティ、弱者の住宅問題に鋭い関心を寄せ、ルワンダの難民キャンプのためのシェルターを国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に提案し開発・試作したことが始まりです。
また1995年の阪神大震災後の仮設住宅や教会の集会所を「紙(紙管)」で造られています。
画像元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E8%8C%82
以上のように、紙建築は災害が発生した際における非常用の仮設物として考えることもできるでしょう。
しかし、いくら災害が発生した際の仮設物として建設する場合でも、何も考えず紙管で建てることは構造的に許されません。
また、建築構造材としての紙管の使用は、建築基準法においてそれまで前例がありませんでした。
このため、紙の家(1995年)の設計にあたり構造家の松井源吾・手塚升と共同で実験をすすめ、紙管構造(PTS)の建築基準法第38条の評定を取得されています。
実際に、現物を見たことが無いので、紙管の腐食具合等が気になるところですが、一次的な建築物と考えれば、そう問題は無いのかもしれません。
紙は軽く、現場施工・加工しやすい材料です。
よって、災害が発生した際に、簡単に組み立てることのできる仮設物としては優秀なのかもしれませんね。
参考文献
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E8%8C%82
混同しやすい用語
紙管(かみかん)
紙管とは、紙を螺旋状に巻いて作った管状部材のことです。
軽量・加工しやすく、坂茂氏が仮設建築や構造材として使用したことで建築材料としての可能性が注目されました。
集成材(しゅうせいざい)
集成材とは、木材の板を接着剤で積み重ねて作った木質建材のことです。
強度が高く、建築の梁・柱に使われます。
紙管とは全く異なる材料で、木造建築物の構造材として一般的に採用されます。
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坂茂氏の「紙の建築」とはどのようなものか説明してください。
紙管(紙を螺旋状に巻いた管状部材、トイレットペーパーの芯のようなもの)を構造材として使う建築です。坂茂(ばんしげる)氏が世界的に知られ、紙は軽量で現場施工・加工しやすいため災害時の仮設物に活用されます。
紙の建築が生まれた経緯を説明してください。
坂茂氏がマイノリティ・弱者の住宅問題に関心を寄せ、ルワンダの難民キャンプ向けシェルターをUNHCRに提案・開発したことが始まりです。1995年の阪神大震災後の仮設住宅や教会の集会所も紙管で造られました。紙の家(1995年)では構造家と共同実験を進め、紙管構造(PTS)の建築基準法第38条の評定を取得しています。
紙管と集成材の違いを説明してください。
紙管は紙を螺旋状に巻いて作った管状部材で軽量・加工しやすく、坂茂氏が仮設建築や構造材に使用しました。集成材は木材の板を接着剤で積み重ねた木質建材で強度が高く、木造建築の梁・柱に一般的に使われます。全く異なる材料です。
