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建築物における部材の意味、構造力学で扱うモデル化の考え方

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建築物の部材(ぶざい)とは、外力に抵抗する建築物の骨組み(架構)を構成する部分です。建築の部材の種類には、柱、梁、壁、スラブ、基礎などがあります。また、部材を「構造部材」、構造設計の実務では「メンバー(※部材の英語memberをカタカナ読みした用語)」等といいます。


部材をそのまま、紙の上で表現して構造力学の問題(反力を求めること、たわみを求める等)を解こうとすると、恐ろしく面倒でややこしくなります。よって、構造部材は線材化と呼ばれるモデル化を行います。


部材のモデル化1

構造力学で扱うモデル化の考え方

構造物は柱、梁、壁、床、基礎など(構造部材または部材という)で構成されます。部材は幅、せい、長さのある立体であり、また、空間をつくるために各部材は立体的かつ様々な方法で接合されます。


このような構造物の実状をそのまま計算することは非常に複雑となるため、部材や接合部などを単純化して計算を行います。このように、複雑なものを単純化することを「モデル化」といいます。


構造物を構成する部材は幅、せい(高さ)、長さのある立体(3次元の図形)ですから、3次元の問題として考える必要があります。しかし、3次元問題を解くのは非常に煩雑のため、工学的な判断に基づいて、3次元(立体)である部材を2次元(面)、1次元(線)として、比較的簡単に扱います。


部材のモデル化2


上図に示すように、柱や梁は断面(幅とせい)に対して長さが十分に大きいため断面性能をもつ線に単純化します。このとき部材の重心軸を通るように線に置き換えます。部材を線にモデル化することを線材置換といいます。


部材のモデル化3


なお、線材置換には適用条件があり、部材長さをL、部材断面をhとするとき、通常、L/h=10以上のとき線部材と見なすことが多いです。


一般に、構造部材の柱、梁は、断面よりも長さが十分に大きい「線のような部材」なので、柱、梁は線材置換します。また、構造力学では、主に線材置換できる梁、柱および梁と柱を組み合わせたラーメン構造等の計算について考えることが多いです。


また、床や壁は厚さに対して他2方向の長さが十分に大きいので「面」として扱えます。ここで次元、1次元、2次元について整理しましょう。次元とは空間の広がりを表す指標です。1次元は1方向の広がり(長さ)だけを表すので「線」、2次元は2方向(長さ、幅)の広がりを表すので「面」といえます。


次元を力学の観点から考えれば、1次元は1方向の情報しか持たないので、線の部材は長さ(距離)の情報だけで、力や変形などを記述できることを意味します(面の部材は2方向の情報が必要となる)。

部材のモデル化4


次元を1つ落とすごとに情報量が減るので、3次元⇒2次元⇒1次元の順で簡単な問題となります。その他、接合部、部材を支持する基礎、荷重もモデル化を行うことで、建築物の骨組み(構造物)全体のモデル化が完成します。

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まとめ

今回は、建築の部材の意味、部材のモデル化について説明しました。モデル化を言い換えるなら、巨視的(全体を見渡すよう)にものごとを捉える技です。実状をありのままに計算すると、どうしても細かい部分に着目してしまいます。そのため本当に重要な部分を見逃す恐れがあるのです。基礎をモデル化した支点、外力をモデル化した集中荷重、等分布荷重など下記も勉強しましょう。

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等分布荷重とは?集中荷重との違いや使い方について

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