建築学生が学ぶ構造力学

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構造物のモデル化

この記事の要点

構造設計では、実際の部材を「線材」に置き換えてモデル化します。

モデル化は近似であり実際の力の流れと完全には一致しませんが、安全率や設計経験の蓄積によって現実に近づけています。

正確なモデル化は構造設計者の必須スキルです。

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構造力学の基礎と言えば、まず初めに力のつり合い式や支持条件等を学び、せん断力やモーメントを勉強していきますよね。


ここは非常に重要で、しっかり理解しておくことが大事です。皆さんは、構造力学の問題などで単純梁等のつり合い式を解いているときに疑問に思ったことはありませんか?何で、線に置き換えているんだろうと…。


そう、我々が建物の力の流れを知りたいときには必ず、リアルの建物の部材を線材化します。これをモデル化と呼んでいます。正しいモデル化を行うことは構造設計者の必須な能力ともいえます。


皆さんもその感覚を身につけましょうね。


モデル化前の図 モデル化後の図
モデル化前後の図

以上のように、近似をするという考え方は、工学では非常に重要となってきます。

実設計でモデル化したものを考えたとしても、実際に建てたときの力のかかり具合は微妙(ほんのわずかで、影響はないですが)に違うわけです。

このようなことから、土木や建築は経験工学とも呼ばれます。


つまり、建物はどんなに頑張って完璧な理想化は出来ないから、データ等を蓄積して現実に近づけていこうという考え方です。

まず、このことを念頭においてくださいね。

なので、当然支持条件もモデル化してるわけです。

現実とはちょっと違います。

だけど、安全率やいろんな工夫で現実に近づけています。


以上のような、構造力学のモデル化の考え方や、その背景は習っているようで詳しくはやらないところです。


混同しやすい用語

モデル化と理想化

モデル化は建物の力の流れを計算するため、実部材を線材や点に置き換えることです。

理想化は材料・荷重・境界条件を数学的に扱いやすい形に単純化すること。

ほぼ同義で使われることもあります。

線材モデルと板モデル

線材モデルは梁・柱を1次元の線として扱うモデルです。

板モデルはスラブや壁など2次元平面として解析するモデルで、より詳細な応力分布を求めるときに使います。

試験での問われ方|管理人の一言

構造物のモデル化は構造設計の根幹です。

線材モデルは計算が比較的簡単ですが、実際の挙動との差が生じます。

特に接合部(節点)の扱いはモデル化によって大きく異なるので注意しましょう。

モデル化の具体例:実建物から線材モデルへ

例えば、鉄骨ラーメン構造の1スパン1層骨組みは次のように線材化されます。

実建物の要素モデル化後仮定・条件
鉄骨柱線材(軸・曲げ剛性あり)柱の幅・板厚は無視
鉄骨梁線材(軸・曲げ剛性あり)梁の断面高さは無視
剛接合節点剛節点(回転剛性∞)接合部の変形は無視
基礎ピンまたは固定支点地盤変形は別途考慮

支点条件の種類と特徴

支点の種類拘束される変位反力の数
ローラー支点鉛直方向のみ1
ピン支点鉛直+水平2
固定支点鉛直+水平+回転3

よくある誤解

一問一答

Q1:構造力学でモデル化(線材化)を行う理由は?

A1:実際の3次元部材を数学的に扱いやすい1次元線材に置き換えることで、力の流れを簡便に計算するためです

Q2:固定支点に生じる反力の種類は?

A2:鉛直反力・水平反力・モーメント反力の3つ

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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