この記事の要点
トラス構造の問題で「どの部材が引っ張りでどれが圧縮か」を判断するとき、全節点を順に解く節点法と、切断して特定部材だけ求める断面法の二つが使える。
どちらを選ぶかで計算の手間が大きく変わる。
節点法は系統的だが時間がかかる。
断面法は問われた部材だけすぐに求められるが、切断面の設定を間違えると複雑になる。
問題のパターンで使い分けるコツを整理する。
支点から近い節点ほど未知数が少なく解きやすいため、支点側の節点から順番に力の向きを追っていくことが部材力の符号(圧縮・引張)の早期判別につながる。
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今回は、トラスに作用する軸力が圧縮なのか引張なのか、簡単に調べてみましょう。
以下のような構造物を想定します。※トラス構造の意味は下記をご覧ください。
トラス構造とは?強さの理由・メリット・デメリット・計算法を解説
静定トラスとは?節点法・切断法の計算手順と不静定トラスとの見分け方(例題付き)
まず反力を考えます。この構造物の場合、反力は上向きに作用していることが明らかなので、
となります。次に、節点法を考えれば、青丸で囲った部分には外力が作用していないのと部材が違う向きに1つしか入っていないので、0となります。
また左支点部分について考えると、上向きの反力に対して部材が釣り合うためには、斜材に反力と反対向きの方向に部材力が作用していなければなりません。
次に、左支点の下端材について考えます。先ほど、斜め材の力の向きが分かったので、これを元に考えます。
斜め材に作用する部材力を分解すると、水平方向の力は左向きなので、それと逆向きに部材力が作用する必要があります。
でなければ、釣り合いようがありませんから。
次に、垂直方向に入っている部材について軸力の向きを調べると、斜め材の部材力を分解すれば上向きの力が作用しているので、
となります。
トラスの部材力の値は、節点法や断面法(切断法)で計算します。詳細は、下記が参考になります。
断面法とは?リッター法・クルマン法の計算手順と節点法との違い(例題付き)
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以上のように、節点法の考え方と、力の向きだけを駆使して軸力が圧縮or引張というのを調べることができます。
ところで、初学者は良く勘違いするのですが、トラス構造物を考えるとき、節点が基準となります。
よって、節点を押す力が圧縮力であり、節点を引張る力が引張力です。上図をみると、あたかも節点を引張っている力が押しているように見えて、逆もしかりです。
これは、以下の図を考えればスッキリすると思います。
例えば、トラスの下端材を取り出してみると、部材力としては引張の力が働いています。
あたかも、圧縮しているような図ですね。しかし、ここで勘違いしてはいけないのが、部材力は応力、すなわち抵抗力であるという点です。
物体の内部に働いている力です。
では、このような抵抗力が働いているときに、部材に作用する外力はどのような力の向きでしょうか?作用・反作用の法則を考えれば簡単ですね。
こうなります。確かに引張っていますね。大学や高専で習う構造力学では、反力を求める練習をした後にトラスの勉強を良くします。
そうすると、反力(外力)と部材に作用する応力がごちゃごちゃになって、理解が遅れるので、この違いをはっきりさせておきましょう。
トラスの部材力の計算方法は、下記を参考にして下さいね。
断面法とは?リッター法・クルマン法の計算手順と節点法との違い(例題付き)
混同しやすい用語
圧縮材(圧縮力が生じる部材)
トラス部材が縮もうとする方向(両端から押し合う方向)に力が作用している状態で、外側(節点側)へ向かう矢印で表す。
引張材と間違えやすいのは矢印の方向。
部材に外向きの矢印(部材が外側へ引っ張られる)は引張、内向き(部材が両端から押される)は圧縮と判断する。
引張材(引張力が生じる部材)
トラス部材が伸びようとする方向(両端から引っ張り合う方向)に力が作用している状態で、内側(部材の中心方向)へ向かう矢印で表す。
圧縮材は内向きの力(押す)、引張材は外向きの力(引く)と覚え、節点での力の向きを図示してからつり合い式を立てると符号ミスを防ぎやすい。
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