建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME > 構造力学の基礎 > 梁のたわみを求める方法

梁のたわみを求める方法|単純梁・片持ち梁の公式と計算手順

この記事の要点

梁の設計で「応力は大丈夫だが、たわみが制限値を超えていないか」を確認することが重要です。

公式を正しく適用するには、支持条件と荷重の組み合わせを正確に把握する必要があります。

この記事では、梁のたわみを求める方法と、単純梁・片持ち梁の公式の使い方を解説します。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット


梁のたわみを求めてみましょう。構造設計で重要なことは、構造部材にどんな応力が作用するのか、また変形(たわみ)はどのくらいか?等です。部材の変形が大きければ、その建物が安全とは言えませんね。


今回は梁のたわみの公式を、微分方程式から解くことを目的としています。また、ここで紹介されるたわみの導出方法は理解し、たわみの公式は暗記すると便利です。


なお、今回の記事をスムーズに読むためには、下記の記事も必須項目ですから是非参考になさってください。

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

微分方程式からたわみを求める

今回は最も簡単な例として、「梁の中央に集中荷重が作用し、境界条件は両端ピン(片側ローラー)」のモデルで解きます。また、当サイトでは様々な荷重条件、境界条件によるたわみも説明しています。是非、下記の記事を参考にしてください。


さて、梁のたわみを求める式は曲げモーメントと曲率の関係で示した通りです。微分方程式は次のように、

たわみを求める式


です。以下に梁のたわみを求める手順を示します。


以上のような手順で、たわみを求めることができます。既に曲げモーメントを求める方法は説明していますので、ここは省きますね。

・ケース1(単純梁)

単純梁のたわみ


[0< L/2の場合]

曲げモーメントMx = Px /2


[及びL/2< Lの場合]

曲げモーメントMx =P (L-x)/2

中央に荷重が作用しているので、0< L/2の場合とL/2< Lの場合を考えて微分方程式を解きます。


[0< L/2の場合]

まず、微分方程式に曲げモーメントを代入すると、

微分方程式に曲げモーメントを代入する


たわみを求めたいわけですから、積分を行います。よって、

微分方程式を積分する

です。


[L/2< Lの場合]

Mx=P (L-x)/2

まず、微分方程式に曲げモーメントを代入すると、

L/2< Lの場合

たわみを求めたいわけですから、置換積分を行います。よって、

置換積分

また、同様の手順で置換積分を行います。

置換積分2

です。

未知数を境界条件と連続条件で解く

未知数が4つありますので、境界条件と連続条件を用いて解きます。まず、支点にはたわみは発生しないので境界条件は以下のように、

x=0,y1=0(0< L/2の場合)

x=L,y2=0 (L/2< Lの場合)

境界条件

です。

連続条件は次のように、荷重より左側のたわみy1と荷重より右側のたわみy2に共通した条件です。いずれの場合も長さL/2とき、たわみ、たわみ角ともに同様の値です。よって、

x=L/2, y1= y2

x= L/2,θ1=θ2

連続条件

もうひとつの連続条件を考えます。

連続条件2

となりました。

A、Cを含む2式を連立方程式で解きましょう。

連立方程式

です。以上のように、境界条件と連続条件から未知数を求めることが出来ました。

よって、たわみの式は次の通りです。

[0< L/2の場合]

たわみの式

たわみの最大値

さて、部材に荷重が加われば全体にたわみは生じます。では、たわみの最大値はどの位置で発生するのでしょうか?


これは数学的に求める方法があります。いわゆる極大値、極小値を求める方法ですが、以下に手順を示します。

という感じです。では、具体的に求めてみましょう。

たわみの最大値

つまり、x=L/2の地点で最大のたわみが発生するということです。


たわみの式にx=L/2を代入して、たわみの最大値を求めてみましょう。

たわみの最大値2

です。

混同しやすい用語

たわみ(δ)

荷重によって梁が鉛直方向に変形する量。δで表すことが多く、単位はmまたはmm。

たわみ角(θ)

梁がたわんだときの変形の勾配(傾き)。θで表すことが多く、微分方程式の中間解として求められる。たわみとは別の量。

梁のたわみを整理した表を示します。

荷重条件たわみ公式最大たわみ位置
単純梁・中央集中荷重δmax = PL3/48EIスパン中央
単純梁・等分布荷重δmax = 5wL4/384EIスパン中央
片持ち梁・先端集中荷重δmax = PL3/3EI自由端(先端)

まとめ

今回は、単純梁のたわみについて算定しました。公式の暗記も重要ですが、大切なことは公式を求める過程です。次回は少し荷重条件を変えた、梁のたわみを算定しましょう。下記のリンクから是非読んでくださいね。

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット

この記事の内容を○×クイズで確認する

この記事で学んだ内容は、無料の○×問題集でも確認できます。

意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

ゼロ所長の構造力学問題集で確認する

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

【無料】ゼロ所長が解説!建築士試験の構造を効率よく学ぶ

・試験に出るポイントをわかりやすく解説

・今すぐnoteで学ぶ ⇒  ゼロから学ぶ建築士試験の構造

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 梁のたわみを求める方法
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. わかる建築構造の用語集・図解集
  4. 1頁10円!PDF版の学習記事