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片持ち梁のたわみを求める方法

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片持ち梁は静定構造です。静定構造は、1点だけで荷重を支える構造なので、たわみの計算が必須です。片持ち梁は単純梁と比べて、変形が大きくなります。今回は、そんな片持ち梁のたわみを、先端集中荷重、等分布荷重などの例題を元に説明します。


片持ち梁の意味は、下記が参考になります。

片持ち梁とは?1分でわかる構造、様々な荷重による応力と例題


片持ち梁のたわみの公式は、微分方程式により導出します。公式の導出法も後述しました。また下記の記事も併せて参考にしてください。

たわみ(撓み)とは?1分でわかる意味、求め方、公式、単位、記号、計算法

梁のたわみを求める方法

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片持ち梁のたわみを求める公式

まず、片持ち梁のたわみを求める公式を説明します。たわみは、荷重の作用の仕方で変わります。作用荷重は、主に集中荷重と等分布荷重に分けられます。集中荷重の方が、等分布荷重に比べて、たわみが大きくなることがポイントです。下記も参考にしてください。

集中荷重が作用する片持ち梁とは?1分でわかる計算、反力、応力、たわみの求め方

等分布荷重が作用する片持ち梁とは?3分でわかる計算、応力、せん断力、たわみ、公式、モーメント図

先端集中荷重作用時

たわみの公式は下記です。


δ=PL3/3EI

先端集中荷重作用時 片持ち梁のたわみ


δはたわみ、Pは先端集中荷重、Lは片持ち梁のスパン、Eはヤング係数、Iは断面二次モーメントです。たわみは、スパンの3乗に比例するので、スパンの長い片持ち梁は注意が必要です。詳細は下記もご覧ください。

先端荷重の作用する片持ち梁の計算は?3分でわかる公式、曲げモーメント、たわみ

等分布荷重作用時

たわみの公式は下記です。


δ=wL4/8EI

等分布荷重作用時 片持ち梁のたわみ

δはたわみ、wは等分布荷重、Lは片持ち梁のスパン、Eはヤング係数、Iは断面二次モーメントです。たわみは、Lの4乗に比例します。下記も参考になります。

等分布荷重が作用する片持ち梁とは?3分でわかる計算、応力、せん断力、たわみ、公式、モーメント図

では、同等の荷重が作用したとき、集中荷重と等分布荷重ではどちらのたわみが大きいでしょうか。

集中荷重と等分布荷重で、どちらのたわみが大きいか?

集中荷重と等分布荷重のたわみの公式で、分母の係数を比較します。


・集中荷重 1/3

・等分布荷重 1/8


つまり3倍程度、集中荷重のたわみが大きいです。

RC片持ち梁のたわみ

RC造片持ち梁のたわみも、計算方法は前述したとおりです。ただし、2点気をつけてください。


・スラブの剛性が考慮可能

・鉛直震度を考慮する

・たわみはクリープを考慮する


1つは、RC造の場合スラブの剛性が考慮できる点です。詳しくは省略しますが、梁はスラブと一体のため、スラブの剛性を考慮し、1.5~2.0倍程度、断面二次モーメントを割増できます。


2つめは鉛直震度です。鉛直震度とは、鉛直方向の地震力です。※鉛直震度については下記の記事が参考になります。

鉛直震度ってなに?1分で分かる鉛直震度の意味と、片持ち梁の設計


3つめは、クリープの考慮です。RC造はクリープしやすい材料です。そのため、梁は弾性変形の8倍、スラブは16倍の変形増大係数を考慮し、所定の変形制限を満足させます。


※RC造のクリープは、下記が参考になります。

コンクリートのクリープってなに?その原因と、変形増大係数の関係

片持ち梁のたわみの公式を導出する方法

梁のたわみを求めてみましょう。たわみを求める微分方程式は

たわみを求める微分方程式

です。上記式の詳細や導出方法等は、「曲率を表す式」、「曲げモーメントと曲率の関係」、「微分方程式による解法」が参考になります。下記のリンクからどうぞ。

曲率を表す式と理論式の誘導

曲げモーメントと曲率の関係,理論式の展開

梁のたわみを求める方法


さて、下図をみてください。片持ち梁の先端に集中荷重が作用しています。今回は、この条件で梁のたわみを計算します。

片持ち梁


0< Lの場合

曲げモーメントMx =-P(L-x) = P(x-L)


0< Lの場合

まず、微分方程式に曲げモーメントを代入すると、

0< Lの場合

たわみを求めたいわけですから、積分を行います。よって、

積分

です。

境界条件で解く

未知数が2つありますので、境界条件を用いて解きます。まず、支点にはたわみは発生しないので境界条件は以下のように、


x=0,y1=0(0<Lの場合)

また、固定端では回転はしないため、回転角が0です。


x=0,θ1=0(0<Lの場合)

境界条件で解く

です。

以上のように、境界条件から未知数を求めることが出来ました。よって、たわみとたわみ角の式は次の通りです。

片持ち梁のたわみ

ですね。


よってx=Lのたわみ及びたわみ角は以下の式で示されます。

片持ち梁たわみ角

です。

まとめ

今回は、片持ち梁のたわみを算定しました。荷重条件や、境界条件が異なるだけで計算の進め方は同じですね。次回は、等分布荷重が作用する片持ち梁について、梁のたわみを算定します。下記のリンクからどうぞ。

梁のたわみを求める-片持ち梁,等分布荷重-

等分布荷重が作用する片持ち梁とは?3分でわかる計算、応力、せん断力、たわみ、公式、モーメント図

たわみの公式は?1分でわかる種類、覚え方、単位、導出

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