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たわみ(撓み)とは?1分でわかる意味、求め方、公式、単位、記号、計算法

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たわみ(撓み)は、重さにより水平部材が元状態から「変形」することです。梁やスラブはたわみに注意します。今回はたわみの意味、求め方、公式、単位、たわみの記号と計算法について説明します。※たわみの計算については下記の記事が参考になります。

梁のたわみを求める方法


また、部材がたわみとたわみ角を形成します。たわみ角については下記が参考になります。

たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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たわみとは?

たわみは、重さ(荷重)により水平部材(梁やスラブなど)が変形することです。下図をみてください。梁に荷重をかけています。荷重が作用すると、梁は下側に変形します。


これが、たわみです。


梁のたわみ


たわみを求めることは、重要な構造計算の1つです。例えば、梁が応力に対して問題無くても、たわみが大き過ぎれば、歩くことができません。


たわみと梁の歩行性


よって、たわみはできる限り「小さくすること」が大切です。建築基準法、各種計算規準より、たわみは下記の値に抑えます。


δ=L/250(L/300)以下


δはたわみ、Lは梁の有効長さ、250は鉄筋コンクリート部材の値、300は鉄骨部材の値です。上記のたわみの制限を、「変形制限」「使用上の支障が起こらないことの確認」といいます。


梁の有効長さについては下記が参考になります。

有効長さとは?1分でわかる意味、建築、溶接、梁のたわみと構造


では具体的に、梁のたわみの公式と求め方を勉強しましょう。

たわみの公式と求め方

たわみの公式を下記に示します。

集中荷重作用時のたわみの公式

等分布荷重作用時のたわみの公式


上図は一般的な梁のたわみの公式です。荷重条件、境界条件を与えた主要な梁のたわみの公式を、下記に示します。


単純梁(中央集中荷重)  δ=PL3/48EI

単純梁(等分布荷重)   δ=5wL4/384EI

片持ち梁(先端集中荷重) δ=PL3/3EI

片持ち梁(等分布荷重)  δ=wL4/8EI


上記4つの公式は、構造設計の実務で毎日使います。たわみの公式を誘導することも大切ですが、暗記もしましょう。


たわみの公式の誘導は、下記が参考になります。

梁のたわみを求める方法

たわみの公式は?1分でわかる種類、覚え方、単位、導出

たわみの単位

たわみの単位は「mm」「cm」が一般的です。「m」の単位を使うことは無いので、注意してくださいね。

たわみの記号

たわみに関する記号を下記に示します。下記の記号は、たわみを求めるとき使う記号です。意味を必ず覚えてください。


δ(mm)    たわみ

P(kN,N)   集中荷重

W(kN/m,N/m) 等分布荷重

L(m,mm)   部材のスパン(支点間距離)

E(N/m㎡)  ヤング係数(弾性係数)

I(mm4,cm4) 断面二次モーメント


たわみを計算するときは、単位を合わせることを忘れないでください。下記も参考にしてくださいね。

たわみの記号は?1分でわかる記号と意味、読み方、書き方、単位、ヤング率の記号

たわみの計算法

実際に、たわみを計算します。下図をみてください。片持ち梁で、先端に集中荷重が作用しています。スパンは5.0m、荷重は10.0kN、断面二次モーメントは1810cm4、ヤング係数は2.05×105N/m㎡です。

たわみの計算と例題

片持ち梁で、先端に集中荷重が作用します。よって、たわみの公式は、


δ=PL3/3EI


です。諸条件を代入する際に、単位をmmに統一してくださいね。たわみは、下記です(途中計算は省略します)。


δ=PL3/3EI=(10.0×103×50003)/(3×2.05×105×1810×104)

=112mm


10cm以上たわみがあります。変形制限はL/300=5000/300=16.6mmなので、たわみが随分と大きいです。よって、梁の断面を大きくします。


たわみの計算は、公式を覚えれば代入するだけです。但し、代入する値が多いので、単位を間違えないよう注意してください。単位を間違えると、見当はずれの値が算定されます。※単位については下記の記事が参考になります。

SI単位系とは?1分でわかる意味、一覧、基本単位、変換、ニュートン

たわみとたわみ曲線の関係

梁がたわむとき、部材は下図のような曲線を描きます。この曲線を「たわみ曲線」といいます。

たわみ曲線

前述した、たわみの公式は「たわみ曲線」とたわみの関係より求めています。たわみ曲線は、積分を使い求めます。下記に単純梁(集中荷重作用時)のたわみ曲線を示します。

微分方程式を積分する

※今回はたわみ曲線の誘導を省略します。誘導法が気になる方は、下記が参考になります。

梁のたわみを求める方法


たわみ曲線は、荷重条件、境界条件(支点条件)で変わります。

たわみとたわみ角の関係

梁がたわむとき、梁は元の状態に対して「ある角度」をなしています。この角度を「たわみ角」といいます。

たわみ角

ピン支点、ローラー支点は、「回転を拘束しない」ので、荷重が作用すると角度が生じます。


固定支点は、「回転を拘束」します。よって、荷重が作用しても、たわみ角は生じません(※もちろん、たわみは生じます)。

たわみ角の公式と計算法

たわみ角の公式を下記に示します。

たわみ角

たわみ角2

たわみ角も、荷重条件、境界条件により異なる値を示します。たわみ角については下記の記事が参考になります。

たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法

たわみと基礎用語

たわみに関する基礎用語を整理しました。用語の意味がわからないとき、参考にしてください。

たわみ

梁に荷重が作用した際に生じる変位のこと。たわみの計算は、構造設計で重要です。

たわみ角

梁に荷重が作用した際、支点に生じる角度のこと。

たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法

曲率

たわみ角θの変化率のこと。

曲率を表す式と理論式の誘導

境界条件

支点の条件。ピン支点、固定支点のこと。

支点とは?わかりやすい意味【図解】

弾性荷重法

弾性荷重法は、曲げモーメント図を求め、その曲げモーメントを荷重として梁に作用させます。この荷重を「弾性荷重」といいます。弾性荷重を作用させた際、せん断力、曲げモーメントがたわみ角、たわみです。

弾性荷重法の計算方法

まとめ

今回はたわみについて説明しました。たわみの意味、公式、計算が理解頂けたと思います。紹介した4つの公式は覚えてください。また大学の試験では、たわみの公式を誘導する問題もでるので、理解してくださいね。下記も併せて学習しましょう。

たわみの記号は?1分でわかる記号と意味、読み方、書き方、単位、ヤング率の記号

たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法

たわみの公式は?1分でわかる種類、覚え方、単位、導出

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