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たわみ(撓み)は、重さにより水平部材が元状態から「変形」することです。梁やスラブはたわみに注意します。今回はたわみの意味、求め方、公式、単位、たわみの記号と計算法について説明します。※たわみの計算については下記の記事が参考になります。
また、部材がたわみとたわみ角を形成します。たわみ角については下記が参考になります。
たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法
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たわみは、重さ(荷重)により水平部材(梁やスラブなど)が変形することです。下図をみてください。梁に荷重をかけています。荷重が作用すると、梁は下側に変形します。
これが、たわみです。
たわみを求めることは、重要な構造計算の1つです。例えば、梁が応力に対して問題無くても、たわみが大き過ぎれば、歩くことができません。
よって、たわみはできる限り「小さくすること」が大切です。建築基準法、各種計算規準より、たわみは下記の値に抑えます。
δ=L/250(L/300)以下
δはたわみ、Lは梁の有効長さ、250は鉄筋コンクリート部材の値、300は鉄骨部材の値です。上記のたわみの制限を、「変形制限」「使用上の支障が起こらないことの確認」といいます。
梁の有効長さについては下記が参考になります。
有効長さとは?1分でわかる意味、建築、溶接、梁のたわみと構造
では具体的に、梁のたわみの公式と求め方を勉強しましょう。
たわみの公式を下記に示します。
上図は一般的な梁のたわみの公式です。荷重条件、境界条件を与えた主要な梁のたわみの公式を、下記に示します。
単純梁(中央集中荷重) δ=PL3/48EI
単純梁(等分布荷重) δ=5wL4/384EI
片持ち梁(先端集中荷重) δ=PL3/3EI
片持ち梁(等分布荷重) δ=wL4/8EI
上記4つの公式は、構造設計の実務で毎日使います。たわみの公式を誘導することも大切ですが、暗記もしましょう。
たわみの公式の誘導は、下記が参考になります。
たわみの単位は「mm」「cm」が一般的です。「m」の単位を使うことは無いので、注意してくださいね。
たわみに関する記号を下記に示します。下記の記号は、たわみを求めるとき使う記号です。意味を必ず覚えてください。
δ(mm) たわみ
P(kN,N) 集中荷重
W(kN/m,N/m) 等分布荷重
L(m,mm) 部材のスパン(支点間距離)
E(N/m㎡) ヤング係数(弾性係数)
I(mm4,cm4) 断面二次モーメント
たわみを計算するときは、単位を合わせることを忘れないでください。下記も参考にしてくださいね。
たわみの記号は?1分でわかる記号と意味、読み方、書き方、単位、ヤング率の記号
実際に、たわみを計算します。下図をみてください。片持ち梁で、先端に集中荷重が作用しています。スパンは5.0m、荷重は10.0kN、断面二次モーメントは1810cm4、ヤング係数は2.05×105N/m㎡です。
片持ち梁で、先端に集中荷重が作用します。よって、たわみの公式は、
δ=PL3/3EI
です。諸条件を代入する際に、単位をmmに統一してくださいね。たわみは、下記です(途中計算は省略します)。
δ=PL3/3EI=(10.0×103×50003)/(3×2.05×105×1810×104)
=112mm
10cm以上たわみがあります。変形制限はL/300=5000/300=16.6mmなので、たわみが随分と大きいです。よって、梁の断面を大きくします。
たわみの計算は、公式を覚えれば代入するだけです。但し、代入する値が多いので、単位を間違えないよう注意してください。単位を間違えると、見当はずれの値が算定されます。※単位については下記の記事が参考になります。
SI単位系とは?1分でわかる意味、一覧、基本単位、変換、ニュートン
梁がたわむとき、部材は下図のような曲線を描きます。この曲線を「たわみ曲線」といいます。
前述した、たわみの公式は「たわみ曲線」とたわみの関係より求めています。たわみ曲線は、積分を使い求めます。下記に単純梁(集中荷重作用時)のたわみ曲線を示します。
※今回はたわみ曲線の誘導を省略します。誘導法が気になる方は、下記が参考になります。
たわみ曲線は、荷重条件、境界条件(支点条件)で変わります。
梁がたわむとき、梁は元の状態に対して「ある角度」をなしています。この角度を「たわみ角」といいます。
ピン支点、ローラー支点は、「回転を拘束しない」ので、荷重が作用すると角度が生じます。
固定支点は、「回転を拘束」します。よって、荷重が作用しても、たわみ角は生じません(※もちろん、たわみは生じます)。
たわみ角の公式を下記に示します。
たわみ角も、荷重条件、境界条件により異なる値を示します。たわみ角については下記の記事が参考になります。
たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法
たわみに関する基礎用語を整理しました。用語の意味がわからないとき、参考にしてください。
梁に荷重が作用した際に生じる変位のこと。たわみの計算は、構造設計で重要です。
梁に荷重が作用した際、支点に生じる角度のこと。
たわみ角とは?1分でわかる意味、公式、単位、例題から学ぶ計算法
たわみ角θの変化率のこと。
支点の条件。ピン支点、固定支点のこと。
弾性荷重法は、曲げモーメント図を求め、その曲げモーメントを荷重として梁に作用させます。この荷重を「弾性荷重」といいます。弾性荷重を作用させた際、せん断力、曲げモーメントがたわみ角、たわみです。
今回はたわみについて説明しました。たわみの意味、公式、計算が理解頂けたと思います。紹介した4つの公式は覚えてください。また大学の試験では、たわみの公式を誘導する問題もでるので、理解してくださいね。下記も併せて学習しましょう。
たわみの記号は?1分でわかる記号と意味、読み方、書き方、単位、ヤング率の記号
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