この記事の要点
片側ピン・片側固定柱の座屈荷重は、オイラーの座屈理論から微分方程式を解いて導出します。
端部条件が変わると座屈長さが変わり、有効長さ係数は両端ピンの0.7倍の座屈長さになります。
座屈の問題は端部条件の違いで答えが変わるため、理論的な導出を一度追うことで各条件での座屈長さ係数の正しい理解が得られます。
試験で暗記に頼るより、導出の手順を理解してから覚える方が応用問題にも対応できます。
片側ピン・片側固定の場合、有効座屈長さはLの約0.7倍となり、両端ピン(係数1.0)より短くなるため、座屈荷重は大きくなる(より座屈しにくい)。
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片側ピン・片側固定柱の座屈長柱は座屈に注意しないと、部材の圧縮強度より小さな外力で壊れてしまいます。今回は、片側固定で、片側ピンの境界条件における座屈荷重を算定しましょう。
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さて、次の図を見てください。この長柱に圧縮荷重を作用させた場合の状態です。この柱は座屈を起こし、yの変形をおこしているとします。この状態で弾性曲線式を解き、座屈荷重を求めましょう。また、この図では下方向を正のy、右方向を正のxとしています。
まず、両端ピンの柱に集中荷重Pと点Aのたわみ角が0となるような曲げモーメントMが作用している場合と考えます。この場合、釣り合いが成立するように両端に作用する垂直反力
Q=T/L
が作用します。この場合、赤点での曲げモーメントは、
です。弾性曲線式は以下のように示されます。
曲げモーメントは
です。よって、
計算を行いやすくするために、
とします。このような微分方程式(斉次方程式)を解く場合、解のyを以下のように仮定して解きます。
既に、解き方は示しているのでここでは計算過程を省略しますね。一般解は、
さて、目的は座屈荷重を求めることです。まずは境界条件によって定数を求めましょう。
境界条件は
です。以上より、
また、x=L、y=0より座屈条件式を求めます。
です。よって、以上の式を満たすklは次のように
4.493、7.725、10.904…
ですから、以上の最小値をとって座屈荷重は
以上の式が、片持ち梁の座屈荷重です。
基本的な計算過程は両端ピンの場合と同じですが、曲げモーメントや境界条件等が異なってきます。
また、kの求め方が少し違うので戸惑ってしまうかもしれませんね。
また、一般解の求め方は省略していますが、要望があればのせたいと思います。
計算過程は同じなので、自分で解いてみてくださいね。
混同しやすい用語
座屈長さ(有効座屈長さ・lk)
実際の部材長さLに座屈長さ係数kを掛けた値。
支点条件によってkが変わり、両端ピン=1.0、片側ピン片側固定=0.7、両端固定=0.5、片持ち=2.0。
lkが小さいほど座屈荷重は大きい。
オイラー座屈荷重(Pe)
弾性体の細長い部材が圧縮力によって横に曲がり始める(座屈する)ときの荷重。
Pe=π2EI/lk2 で計算する。
支点条件(境界条件)によってlkが変わるため、Pe も変化する。
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