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10分でわかる力学の種類の違いと理系学科の選び方

これから大学入試を受けるあなた。どの大学へ行くかは大体決まっていても、どの学科にするか決まらず悩んでいませんか。あるいは文系よりは理系に行きたいなぁ・・・くらいのイメージだったりしませんか?


大学以上に学科を決めることは重要です。今回は、そんな大学の理系学科と力学の種類について説明します。


なぜ力学の種類を知る必要があるのか?

いま、あなたはこう思いませんでしたか?

「学科選びの重要性は分かったけど、何で力学の種類が関係するんだよ」と。


お答えしましょう。実は理系の学科のほとんどで、力学の知識が必要だからです。機械工学、建築学、土木工学、航空工学などはもちろんですが、スポーツ系の学科でも運動力学という学問を勉強します。


「さすがに電気系は関係ないんじゃない?」いいえ、電子量子力学などを勉強します。


私の考えでは力学の種類で、理系学科を分類できるくらい多岐にわたるのです。そして、力学の種類が多いからこそ、好き嫌いや得意・不得意がある。力学の種類を予め知ると、「この学科で自分は何をするのか。自分が勉強したいことなのか」分かります。


少なくとも学科の違いが明確になるでしょう。最初は力学の種類の多さに辟易するかもしれませんが、この記事を読んだ後に「この学科では、こんな力学を勉強するんだな」と思ってもらえると幸いです。


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大学の学科毎に勉強する力学の種類と学科の特徴について

下記に、理系の学科毎に勉強する力学の種類と、学科の特徴について整理した表を示します。ちなみに学科名、学科の特徴は東京大学のシラバスを参考にしました。理系と思われる学科を全て書きだしています(物理学科が力学を学ぶのは当然なので、理学系は表に入れていません)。また力学の名称は、なるべく一般名称で書いています。

いかがでしょうか。ほとんど全ての理系学科(理学系は除く)で力学を勉強することが分かります。この力学の種類がそのまま学科の特色に繋がる、とも言えます。例えば航空工学の箇所をみてください。

航空工学が最も多くの力学を勉強しますね。これは航空機を設計する際に材料力学や構造力学を使うこと、航空機が飛ぶときに流体力学や空気力学を使うことを意味します。つまり、力学の種類が学科の特色を反映しているわけです。

また材料力学は、幅広い学科で勉強する力学のようです。やはり理系に進むのなら、力学は避けては通れない道です。

では続いて、各力学について説明を行います。


各力学についての説明

ここでは、上表で整理した力学の種類について説明します(東京大学の各力学講義シラバスを参考にし、適宜修正加筆しました)。


構造力学

木造住宅などの建築物や橋などの土木構造物は、自重や人の重さ、地震力に対して、部材や接合部が破壊しないよう安全に設計する必要がある。


構造物の安全性を確保し、 合理的な部材設計をするためには、 構造力学はその基礎とる学問である


流体力学(基礎流体力学)

流体力学は自然界の現象の多くに関わる基礎物理過程の一つである。対象となるのは微小な生体系から、機械、建造物、地球の大気海洋、さらには銀河や宇宙の大規模構造までにわたる。航空工学や都市工学・建築など実学での応用の幅も広い。


材料力学

構造物・機器の安全性は、必ず材料力学による検討を得て確認される。構造物・機器の安全性は、使用環境・期間、作用する力、形状・材料をもとに調べることができる。


材料力学では、構造物に作用する力、応力と変形の求め方、不安定現象(座屈)の挙動、結果の評価方法の基礎を学ぶ。


土質力学(地盤工学)

軟弱な地盤では液状化が発生するように、地面の強さや性質は様々である。建築物や土木構造物は、地面の上に建設されており、その地盤の性質を知る。ことは文字通り構造物の設計における基礎である。土質力学では、土の性質などを学習する。


水力学(水理学)

農学の分野でも、水をはじめとする流体の動きの物理的解析が多くの場合に必要である。水質や地域生態系などの環境問題を科学的に取り扱うには河川や湖沼での水と溶存物質の動きの解析が必要である。すなわち、流体力学の基本を習得し、水理技術へ応用する基礎を身に付ける。


振動力学(建築耐震構造)

1995年兵庫県南部地震等を事例として、地震国である我が国においては建築物の安全性か確保を計画する上で、地震力により建物の励起される荷重に対する設計(耐震設計)の占める重要性は高い。建物の構造計画・構造設計において、時間によって変動する動的荷重としての地震力に対する考え方、評価および動的荷重に対する構造計画・設計の考え方について基本的な事項について学ぶ学問である。


機械力学

機械力学は剛体に生じる力を考える学問である。機械の設計時には、機械力学で材料に働く力の大きさを求め、その後機械力学で求めた力を元に、材料力学で材料の変形を考慮しながら材料の材質・サイズ等を決定していく。機械を設計する上で、機械力学と材料力学の関係は切っても切り離せない密接な学問である。


解析力学(有限要素法)

解析力学は、古典力学の統一的な定式化であるにとどまらず、量子力学、統計力学、相対性理論、場の理論等、現代物理学の根底をなす重要な体系である。ラグランジュ形式、ハミルトン形式による力学の定式化と応用に関する学問である。


波動力学(振動・波動学)

波動力学とは、シュレーディンガー方程式を利用する非相対論的量子力学の分野である。または波動一般に関する古典力学、量子力学の分野である。


熱力学(熱工学第二)

環境・エネルギー問題を工学的に解決するために学ぶ学問である。これらの解決には、熱力学と伝熱工学の基礎知識は必須である。


航空機力学

航空機の運動方程式を導出するとともに,航空機に作用する外力をモデル化し,運動方程式を線形化する方法を学ぶ。


空気力学

空気力学は、航空宇宙工学の基礎をなす学問分野の一つである。空気力学(あるいは流体力学)が工学分野において果たす役割を概説するとともに空気の流れの特性について学ぶ。


弾性力学

構造物の応力解析の基礎となる、応力、ひずみ、及び弾性学の基礎式について学ぶ。


弾道力学(宇宙軌道力学)

弾道学とは、発射された弾丸(砲弾)、爆弾、誘導弾、ロケット弾などの飛翔体の移動と挙動に関する学問(軍事学)の一分野である。


電子量子力学

一粒子系の量子力学の基礎事項を学ぶ。演算子の行列表示、摂動論、散乱、光の吸収と放出を含む。


量子力学

量子力学は、主として分子や原子、あるいはそれを構成する電子など、微視的な物理現象を勉強する。


統計力学

原子や分子のような微視的な系を記述する基本法則と巨視的な系における現象・法則を論理的に結びつける学問である。


化学流体力学

化学反応場で起こる現象は、化学反応のみならず、流体の挙動および物質の拡散や熱移動などの輸送現象に強く依存する。化学反応場を的確に解明するためには、これらについての理解が不可欠である。流体力学および流体中での輸送現象の基礎について学び、化学反応場を解析する。


はい、というわけでいかがでしょうか。この内容を読み込むだけでも疲れますよね。詳しくは大学で勉強するので、ここでは「そういうものなんだぁ」と思っておけばOKです。


まとめ

今回は、力学の種類とそれらを勉強する学科について説明しました。理系学科のほとんどで、力学の勉強が不可欠であることを知りましたね。


今回整理した表を見て、行きたい学科あるいは行きたくない学科が見つかったでしょうか。「航空機を設計したかったけど、こんなに力学を勉強しなきゃダメなんだ」など発見があったと思います。


あなたが大学の学科を決めるときの、一助となれば幸いです。

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