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建物構造の全7種類、1分でわかる木造・RC構造・S造・SRC造の違い

「建物構造」とは、建物の建築材料を表す言葉です。現在、住宅などの建物には大きく分けて7種類の建築材料を使います。木造・RC構造・S造・SRC造など、今回は7種類それぞれの特徴と、違い、気になる耐震性などを説明します。


7種類の建物構造と耐震性について

あまり知られていませんが、建物構造は7種類もあります。それぞれの耐震的な特徴、材料の性質について概要を説明します。


ここで注意して読んで頂きたいのは、建物構造の違いは耐震性と直結しません。ネットの情報では、あたかもRC造は耐震性が高い、木造はNGという文章が散見されます。しかし実際は異なります。木造でも、適切に構造設計されたのなら、それは鉄筋コンクリート以上の性能を発揮するのです。このことを念頭に置いて読んでくださいね。


鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた材料です。コンクリートは石に近い性質を持っており、圧縮(押される力)には強いですが、引張りの力には弱いです。そこで引張力に強い鉄筋を組み合わせることで、とても優秀な材料になりました。


鉄筋コンクリート造は、比較的耐震性が高い構造として認知されています。それは間違いではありません。なぜなら、現在の建築基準法により設計されたRC造は、大きな地震によって崩壊した事例が少ないからです。


また、RC造は地震が起きたとき、比較的揺れが少ない構造です。普段の生活でも音が伝わりにくく居住性が高いので、マンション等に採用されます。


重量鉄骨造(S造)

重量鉄骨造は鉄骨造の一種です。後述する軽量鉄骨造との違いは、「板の厚み」です。板厚が4.5mm以下の鉄骨は軽量鉄骨です。6.0mm以上から重量鉄骨造となります。


重量鉄骨造は板が厚い分、大きな力に耐えることができます。軽量鉄骨造と比較しても、明らかに耐震性は高い材料です。また鉄骨は、軽くて強度、剛性が高い特徴があります。そのため、RC造なら柱が沢山必要でも、S造なら柱を少なくできる、というメリットがあります。


但し、鉄筋コンクリート造と比べると、地震時の揺れは大きいです。これは鉄骨の「柔らかい」という特徴が原因です。「なんだ、じゃあやっぱりRC造の方が耐震性が高いじゃないか」と思うかもしれません。


しかし、そうとも言い切れません。柔らかい材料は、「柳に風、のれんに腕押し、豆腐に釘」というように、地震力を受け流す性質があるためです。専門的に言えば、地震エネルギーの吸収に長けている構造で、耐震性は高いと言えます。


軽量鉄骨造(S造)

軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違いは前述した通りです。軽量鉄骨造も柔らかい、という特徴を持っています。


現在、住宅メーカーのアパートとして軽量鉄骨造は多く採用されていますが、耐震性は定かではありません。というのも鉄骨の板厚が薄い分、大きな力には耐えられないですし、揺れはさらに大きくなります。


また軽量鉄骨自体、重量鉄骨に用いられる鋼材より性能・品質が劣ります。接合部の納まり、溶接にも難があります。同じ鉄骨造でも、重量鉄骨造とは全くの別物と考えたほうが良いでしょう。けっして耐震性は高くありません。

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木造(W造)

木は他の工業製品と比べて、自然由来の材料です。つまり生きた材料です。これは言葉のあやではなくて、木は水分を吸収すると膨張し、乾燥すれば水分を発散して収縮します。まさに生きています。また木材1つみても、節があったり密度が異なるなど、耐震性の観点からは扱いにくい側面が目立ちます。


それでも法隆寺が1300年もの間、立ち続ける姿をみると、木造のポテンシャルの高さを感じざるを得ません。


木は鉄骨に次いで、軽く強度の高い材料です。地震時の揺れは、RC造、重量鉄骨造に比べて大きくなりますが上手に設計すれば、地震エネルギーを効率的に吸収できます。


鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

SRC造は鉄筋コンクリートに鉄骨を組み合わせた材料です。SRC造の柱を例にすると、柱の芯に鉄骨があり、その周りをRCで包んだ構造です。鉄骨のしなやかさと、鉄筋コンクリートの強さを兼ね備えています。前述した建物構造の中では、最も耐震性に優れています。鉄骨造、鉄筋コンクリート造、両方の良さを引き継いだ建物構造だと考えてください。


その耐震性の高さから、重要度の高い複合施設やビル、津波避難施設などはSRC造が採用されます。


コンクリート充填鋼管構造(CFT造)

CFT造は、住宅ではあまりお目にかかることは無いと思います。CFT造は、鋼管の中にコンクリートを充填することで、しなやかな鉄骨造に強さが備わった材料です。SRC造と似ていますが、CFTは鋼管の中にコンクリートを入れる点が異なります。


鉄骨造は座屈(圧縮の力が作用したとき、急激に耐力が低下する現象)が起きやすいのですが、鋼管の中にコンクリートを詰めているCFT造は、その難点も改善されています。


よって鉄骨造以上に、柱を細くしてスレンダーな建物にできます。商業施設などに採用が多い建物構造です。


アルミ造(AL造)

まだまだ数は少ないですが、増えつつあるアルミ造。文字通り、アルミニウムを構造材料として利用した建物構造です。アルミの最大の特徴は軽さです。鉄骨と比べて1/3程度なので、地震が起きた時でも有利です(地震力は建物重量に依存するため)。


他にも耐食性(腐りにくい)が高いなど、アルミならではの特徴がアルミ造に活かされます。耐震性としては、鉄骨造と同程度と考えておけばOKです。


7種類の建物構造と耐震性の一覧

以上、今回説明した建物構造の耐震性を一覧にしました。星の数が多いほど、耐震性が良いと考えてください。但し、前述したように建物構造の種類と耐震性は直結しません。木造だから弱い、RC造だから強い、とは一概に言えないことに注意してください。


住宅やマンションの建物構造を例にすると、上記の結果になるでしょう。木造は軽量鉄骨像と同程度の耐震性ですが、構造設計を適切に行えばSRC造と同じくらい優れた建物になります。ポテンシャルを秘めた建物構造です。


その他、S造・RC造・AL造は横並び、SRC造・CFT造は同程度の耐震性と判断しました。


まとめ

今回は建物構造と耐震性について説明しました。これから物件探しをする方、建物を購入予定の方の参考になれば幸いです。

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