建築学生が学ぶ構造力学

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若手構造設計者に必要な「直感力」が身につく本

この記事の要点

「直感で理解する!構造設計の基本」は数式を使わずに構造設計の本質(力の流れ・変形・安全性の考え方)を視覚的に解説した一冊で、若手設計者が陥りがちなミスの根本原因を理解するのに有効

5年以上かけて上司から教わる内容がこの1冊で学べると管理人は評価しています。

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直感で理解する構造設計の基本は数式なしで力の流れと設計の本質を学べる若手設計者必携の一冊です。定価2400円と少しお高めの本ですが、内容は最高です。


特に若手構造設計者におすすめしたい本なので、本書の良い点と悪い点をいくつか挙げていきます。

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僕が5年間上司に教えてもらったことは、この1冊で学べる

ややこしい数式抜きに構造設計の実務が学べる本はないものか。そう思っているときに出会ったのが、この本でした。

手計算から一貫計算プログラムへ。そのため、若手設計者が「力の流れを把握する力」「直感力」が失われていると、本書で訴えていました。


僕も構造設計者として働いてきましたが、上司が全く同じことを言っていたなぁと懐かしながら読みましたね。全て書ききれませんが、具体的にはこんな感じです。


電算に入れる前に力の流れをイメージする

桁間違いはないか、大体のオーダーを把握する

本を読め


僕が5年間、口を酸っぱくして言われていたことと、本書の内容はほとんど同じで、この本をもっと早く読めたらよかったなと思いましたね。前述したポイントを、それぞれ説明します。


1つめは、電算に入れる前に力の流れをイメージすること。

本書では、「水の流れ」とか「あみだくじ」と表現されていました。

秀逸な例えです。

詳しくは実際に本書を読んで体感して欲しいのですが、アマゾンからチョットだけ読むこともできるので、気になる方は下記からどうぞ。


2つめは、桁間違いはないか大体のオーダーを把握すること。

構造計算は桁間違いが最も恐ろしいですね。

1kNと10kNでは全く違いますから。

ケアレスミスだけに何とか防止したい。

でも計算に夢中になると気づけません。

それを気付かせるのが「直感力」や「大体のオーダー」です。


ぶっちゃけ小数点以下の細かい計算はどうでもよくて、1ケタ目、2ケタ目を意識しましょう。


最後は本を読め、ということ。

構造設計はあらゆる本を参考にします。

著者によれば2500ページも読まなきゃならない、とのこと。

それを全部覚えるのは無理です。

だから、「どこに何があるのか」の大体を把握すること。

把握するためには本を読むこと、だそうです。

若手構造設計者が陥りがちなミスから抜け出すことができる

本書を読めば、若手構造設計者が陥りがちなミスから抜け出すことができる、と思いました。壁筋の話が面白かったです。少し紹介します。


ある学生が著者に、プログラムを見てくれと言いました。断面算定や計算はOKだったのですが、RC壁厚150mmにD25をダブル配筋していたのです。構造屋さんなら、それが非常識なオーダーだとわかりますね。


ここまで極端なミスはそうないのですが、伏図をみて一見問題なさそうでも、立体的に考えると梁が繋がっていなかったり、損なミスをやりがちです。立体的なイメージを持ちましょう、というメッセージが伝わりました。

混同しやすい用語

構造設計と意匠設計

構造設計は建物の骨組み(柱・梁・壁など)の安全性を確保するための設計です。

意匠設計は建物の外観・内観・用途・機能などを決める設計で、建物全体のデザインを担当します。

直感力と計算力

直感力は数値や計算を経ずに構造の挙動を感覚的に判断する能力です。

計算力は構造力学・材料力学の式を正確に適用して答えを導く能力で、実務ではどちらも必要です。

直感で理解する構造設計の基本を整理した表を示します。

項目内容備考
テーマ力の流れ・変形・安全性を視覚的に解説数式なし
著者山浦晋弘・日本建築協会学芸出版社
対象読者若手構造設計者・意匠設計者・学生定価2400円

まとめ

とても良い本でした。難しい数式は一切なしで、構造設計の根幹が分かります。若手設計者に是非おすすめしたい本ですね。将来構造設計をしたい学生も、1冊は持って損はないですよ。

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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